天井リフォームには、破損箇所を修復するものや部屋の雰囲気を変えるもの、空間をさらに快適にするものなどさまざまな種類があります。
どのようなリフォームをするかによって予算感や適切なタイミングは異なるので、詳しく解説していきます。
天井リフォームのメリット・デメリットや実例も紹介します。
天井リフォームを検討している方はぜひ参考にしてみてください。
天井リフォームの方法と種類別の費用
天井のリフォームを検討しているという場合、「天井の汚れや穴が気になる」、「天井のデザインを変更したい」など、さまざまなケースが考えられます。
天井のリフォームには、以下のような種類があり、予算感もさまざまです。
- 部分的な修復::5万円~15万円
- クロスの張り替え(20㎡):8万円~10万円
- 塗装(20㎡):10万円~15万円
- 板張り(20㎡):10万円~15万円
- 天井を高くする:20万円~40万円
- 梁を出したあらわしにする:25万円~50万円
- 勾配天井にする:40万円~60万円
- 吹き抜けにする:100万円~
- 断熱リフォーム:20万円~60万円
各リフォームの詳細について解説します。
部分的な修復:5万円~15万円
天井に穴が空いたり破損したりして部分的な修復をしたい場合、予算は1万円〜です。
修復箇所が小さければパテで補強するだけで済むため、お手軽な予算で済みます。
ただし、穴や破損を放置して修復箇所が広がってしまうと、天井ボードそのものを取り替えるなど工事が大規模になることがあります。
大がかりなものだと修復費用が20万円以上になることもあるため、修復箇所が広がらないうちにリフォームすることをおすすめします。
クロスの張り替え(20㎡):8万円~15万円
天井クロスの張り替えに必要な予算は、20㎡(12畳程度)あたり8万〜15万円です。
天井のクロスにはさまざまな種類や材質、カラー、デザインがあるため、天井の汚れが気になるときはもちろん、部屋のイメージを変えたいときにも張り替えがおすすめです。
例えば天井のクロスの材質には、以下のものがあります。
- ビニールクロス
- 織物クロス
- 紙クロス
- 木材系クロス
- 無機質系クロス
- オレフィンクロス
クロスの中には防音効果などの機能性の備わったものもあるので、デザインだけでなく機能性にも注目して検討してみてください。
アクセントクロスのメリット・・デメリットについては、こちらをご覧ください。
塗装(20㎡):10万円~15万円
天井の塗装でかかる費用相場は、20㎡あたり10万〜15万円程度です。
塗料の中でもっとも一般的なペンキは、カラーが豊富でこだわりの色を選びやすい点や、部分的に汚れても塗り直しできる点が魅力です。
塗料にはほかにも、漆喰や珪藻土などの自然素材を活用したものがあります。
独特の雰囲気があるため、白やベージュなどスタンダードな色でも部屋の雰囲気ががらりと変わります。
漆喰には調湿効果もあるため、天井の結露に悩んでいる場合にもおすすめです。
漆喰のメリット・デメリットについては、こちらをご覧ください。
板張り(20㎡):10万円~15万円
板張りとは、フローリングのように天井に無垢材や化粧板などを張る方法です。
木材特有のあたたかみや高級感のある空間に仕上がります。
費用は素材によっても変わりますが、20㎡あたり10万〜15万円です。
本物志向が強い方には、風合い豊かな美しさを存分に感じられる無垢材が人気です。
ただし、天然の木材を使用するため費用が高く、メンテナンスにも気を配る必要があります。
費用を抑えたい方やメンテナンスの手軽さを求める方にはプリント合板がおすすめです。
天井を高くする:20万円~40万円
天井リフォームでは、天井を高くすることも可能です。
予算は20万〜40万円ほど。天井を高くすることで視界が上下に広がり、開放感を演出できます。
ただし、天井を高くすると冷暖房の効きが悪くなることがあります。
二重天井の場合は表面の天井を外して高さを出すため、断熱性や防音性が低下する可能性もあります。
天井を高くすることで生じる変化を、さまざまな角度から確認して判断しましょう。
梁を出したあらわしにする:25万円~50万円
通常は天井の上に隠れている梁を、あえて天井の下に設置して露出させた天井を「あらわし」と言います。
天井をあらわしにするリフォームの費用は、25万〜50万円が目安です。
あらわしにすると天井が高くなるため、開放感が生まれます。
また、梁を出すことによって、あたたかみのある空間や、おしゃれでスタイリッシュな空間など、さまざまな雰囲気を演出できる点が魅力です。
ただし、上の階の音が響きやすくなること、埋め込み型の照明器具を取り付けられないことには要注意です。
勾配天井にする:40万円~60万円
屋根の形状に合わせて、天井を斜めにすることも可能です。
勾配天井にするためのリフォーム費用は40万〜60万円程度です。
勾配天井にすると、視覚に奥行きが生まれ、部屋が広く感じられます。
高い位置に窓を取り付けられるため陽の光が入りやすくなり、ナチュラルで明るい雰囲気になる点も魅力です。
一方、天井の高い位置にあたたかい空気が溜まりやすくなるので、空気を循環させるシーリングファンの設置も検討してみましょう。
勾配天井のメリット・デメリットについては、こちらをご覧ください。
吹き抜けにする:100万円~
一戸建てなら、天井を吹き抜けにすることも可能です。
大がかりな工事になるため、費用は100万円以上を見ておきましょう。
天井を吹き抜けにすると、明るく開放的な空間が実現します。
1階から2階の廊下が見えたり、2階の廊下から1階に話しかけられたりするため、家の中のどこにいても家族が互いの存在を感じやすい点も魅力です。
ただし、空間が大きくなる分、冷暖房の効率が落ちる点は考慮しておきましょう。
家の断熱性と気密性を高めることで、吹き抜けによる暑さ・寒さが気になりにくくなります。
吹き抜けのメリット・デメリットについては、こちらをご覧ください。
断熱リフォーム:20万円~60万円
天井の断熱リフォームは、20万〜60万円の費用感で実施できます。
夏は暑すぎて冬は寒いのが気になるという住宅に特におすすめです。
天井の断熱リフォームには、天井裏に断熱材を敷く方法と、天井の下に断熱材を入れる方法があります。
天井裏に断熱材を入れる場合は屋根裏に湿気がたまりやすくなるので、換気対策が必須です。
一方、天井下に断熱材を組み込む場合は、天井裏に施工するより効果が低い傾向にあります。
希望する効果の程度や費用を踏まえて、どちらの施行をするか検討してみましょう。
天井と合わせて、壁や床、窓の断熱リフォームも同時に行うと効果が高まります。
窓の断熱リフォームの費用やメリット・デメリットはこちらをご覧ください。
天井リフォームはいつすればいい?考えるべきタイミング
天井のリフォームを考えるべきタイミングは、主に以下の3つです。
- クロスに汚れや劣化がある
- 雨漏りした
- 穴が開いて傷んでいる
大切な家を守るために、上記のポイントが気になったら早めに天井のリフォームを検討しましょう。
それぞれのタイミングについて解説します。
クロスに汚れや劣化がある
普段近くで見ることの少ない天井ですが、面積が広い分、汚れや劣化があると部屋が暗く淀んだ印象に。
定期的にじっくり確認し、汚れや劣化がある場合はリフォームを検討してみましょう。
天井には、タバコのヤニによる汚れやシミ、ホコリなどが付着しやすいのが特徴です。
汚れが蓄積すると黄ばんで見えるようになり、衛生的にも良くありません。
シミは雨漏りや屋根裏の結露が原因となっていることも考えられるので、念のため原因も確認しておきましょう。
雨漏りした
雨漏りや水漏れによって天井が腐食していたら、速やかにリフォームしましょう。
雨漏り・水漏れを放置しておくと腐食がさらに進み、最終的には天井が落ちてくる危険性があります。
また、雨漏りなどで天井が濡れると、クロスにカビが生えやすくなります。
安全性の面だけでなく衛生面、見た目の面でも雨漏り・水漏れの放置は良くありません。
天井の雨漏りや水漏れは、迅速にリフォームするべきサインといえます。
穴が開いて傷んでいる
天井に穴が開いて傷んでいる場合も、早めに修復すべきです。
穴が広がると冷暖房が効きにくくなったり、天井裏の湿度が上がりカビが発生したりする可能性があります。
そのまま放置していると電気代がかさんだり、破損箇所の修復に加えてカビの処理も必要になったりするのです。
本記事内でもお伝えしたように、小さな破損なら数万円程度で修復できることがあります。
特段生活に支障がない程度の傷みでも、早めの対応をおすすめします。
天井をリフォームするメリット
天井に何らかの問題がある場合は早めにリフォームすべきですが、天井に問題がない場合でも、リフォームすると以下のメリットが得られます。
- 部屋を明るくきれいにできる
- 住まいの機能性を高められる
単なる修復ではなく、部屋をさらに快適かつ居心地の良い空間にする目的で天井をリフォームするのもおすすめです。それぞれのメリットについて見ていきましょう。
部屋を明るくきれいにできる
天井をリフォームすると、部屋を明るくきれいな印象に変えられます。
さらに、クロスの種類や色、塗装にこだわることで、自分らしいおしゃれな空間を作ることが可能です。
「部屋の大規模なリフォームや家具の一新は難しいけれど、部屋の雰囲気を変えてみたい」という場合は特に、天井リフォームがおすすめです。
床や壁を変えるよりもインパクトは控えめなので、さりげなく、確実に部屋をおしゃれにグレードアップさせられます。
住まいの機能性を高められる
天井リフォームには、クロスなどの機能性を高めてさらに快適な空間を実現するというメリットもあります。
最近では防音効果や消臭効果、吸湿性のあるクロスも多いです。
例えば防音効果のあるクロスを使うと、上の階で子供が走っても音が響きにくくなります。
高齢の家族がテレビやラジオの音量を上げていても気になりません。
また、天井の断熱リフォームをすれば快適さが増すだけでなく、冷暖房費の節約にもなります。
天井リフォームは家族がそれぞれ自分らしく快適に過ごしたり、高騰する光熱費に対応したりすることにつながるのです。
天井をリフォームする際の注意点
続いて、天井リフォームをする際の注意点を解説します。
ここで紹介するポイントを確認しないままリフォームに取りかかるとトラブルが生じることもあるので、よく確認してみてください。
天井裏の状態をチェックする
天井をリフォームする場合は、まず業者に依頼して天井裏の状態を確認しましょう。
思わぬ問題点が見つかり、別の修繕もすることになったり、下地の交換が必要になったりすることがあります。
天井に問題がないかを確認しておくことは、部屋の安全性を維持するためにも重要です。
事前に必要なリフォームを洗い出し、まとめて依頼したほうが費用の面でもお得に済む場合が多いのです。
マンションの場合は規約を確認する
マンションでは、規約によって居住者の独断でリフォームできない場所が定められています。
天井リフォームの場合、天井のクロスの張り替えや、二重天井の下の部分を取り外す直天井への変更は可能なことが多いですが、念のため規約を確認しておきましょう。
天井を吹き抜けにするなど構造そのものを変えるリフォームはできないことが多いです。
なお、マンションでは基本的に、ベランダや窓枠、玄関ドアなどの共有部分はリフォームできません。
天井リフォームと合わせて他のリフォームを考えている場合は特に、規約を入念に確認してみてください。
天井のリフォームはDIYできる?
板張りや天井構造を変えるリフォームはDIYでは難しいですが、クロスの張り替えや塗装であればDIYも可能です。
ただし、立脚を使い不安定な姿勢で作業することになるため、慣れないうちはうまくできない可能性があります。
まずは寝室など、あまり人目に触れない部屋の天井から挑戦してみましょう。
また、作業に夢中になると、立脚の上でバランスを崩してしまうこともあります。
できれば側に誰かにいてもらい、安全に注意しながらDIYを楽しみましょう。
天井リフォーム実例
最後に、山根木材での天井リフォームの実例を3つ紹介します。
部屋の雰囲気を大きく変えたリフォーム実例や、断熱性を高めて過ごしやすい空間を作ったリフォーム実例があるので、ぜひご確認ください。
実例①ヨシズ天井で旅館のようなおもてなしの空間に
玄関のリフォーム実例です。ヨシズ天井とアジロ天井の2種類の天井で段差をつけ、間接照明を設置して旅館のような雰囲気に仕上げました。
また、玄関の間口を広げてスペースを作ったり、木のぬくもりを感じられるよう床や腰板にクリ、玄関框にケヤキを使ったりする施工も実施しています。玄関先で話すことの多いお客様にもおもてなしができる空間になりました。
実例②こだわりを詰めた板張りの天井
無垢材が好きというご主人の要望で、天井には栗材を、フローリングにはバーチ材を使用し、木のぬくもりに包まれる空間を演出しました。
奥様が選んだモノトーンカラーの対面式キッチンにより、木材のナチュラルな雰囲気がありつつも、スタイリッシュさも感じられるリビングになっています。
お子様が巣立ち、これから2人暮らしを始めるご夫婦のこだわりがつまった空間になりました。
実例③断熱リフォームで夏も快適に
この実例では、夏の暑さと冬の寒さを軽減させるために天井・床・壁に断熱リフォームを施し、窓をペアガラスにしました。
魔法瓶のように断熱材で部屋を包み、1年中快適に過ごせる空間が実現しています。
デザイン面では白、青と木材の色を基調とした爽やかな雰囲気に仕上げつつ、一部にアクセントクロスを用いることで個性も感じられる住まいとなりました。
天井のリフォームで住まいを快適で心地良く
天井のリフォームにはさまざまな目的がありますが、特に汚れや雨漏りなどで修繕が必要な場合は、早めのリフォームをおすすめします。
天井をきれいにすると、部屋が清潔感のある明るい空間になります。
天井リフォームでは機能性の高いクロスを使用して居心地をアップさせたり、塗装を変えてさりげなくおしゃれな雰囲気を演出したりすることも可能です。
山根木材では、居心地・デザインともにこだわったリフォームを実施しています。
天井リフォームを検討する場合は、ぜひご相談ください。
※弊社では、広島県内を施工エリアとさせていただいています。