古民家リフォームで必要な耐震補強とは?費用相場や注意点を解説

  • 作成日:2024/01/15
  • 更新日:2024/02/16
  • 編集者:山根木材メディア編集部
古民家リフォームで必要な耐震補強とは?費用相場や注意点を解説

古民家には独特の趣や特徴的な佇まいがあり、多くの方は古民家に魅力を感じています。
しかし、古民家には耐震性の問題があることを知っていますか?
古民家は現在の耐震基準で建築されていないため、万が一の震災発生時にマイホームが倒壊する恐れがあるのです。

今回の記事では、古民家の耐震性について詳しくまとめました。
古民家で暮らしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

古民家住宅の耐震性が低いのは伝統構法が原因

古民家はそれぞれ築年数や使用している建材が異なるため、全ての古民家の耐震性が低いとは言い切れません。
しかし、現代の耐震基準を遵守した上で建築されている建物ではないことは確かでしょう。
特に伝統的な工法である伝統構法で建てられた古民家は、地震に対する対策が取れていない可能性が高いです。

現在日本に存在する多くの住宅は在来工法で建築されており、伝統構法の住宅は限られているものの、一部の古民家は伝統構法で建てられた可能性があります。
まずは、購入予定または購入済の古民家の工法は何か確認しましょう。

在来工法とは

在来工法は現在主流の工法であり、工場でプレカットした梁や柱を現場で組み立てて形にしていきます。
現場では筋交・補助材・耐震金物を設置し、効率良く作業を進めながら住宅の耐震性と耐久性を高めます。
さらに、住宅の基礎にはコンクリートを活用したベタ基礎や布基礎が施され、より住宅を強いものにしているのです。

伝統構法とは

伝統構法では工場でのプレカットをせずに、現場で職人が木材を一つひとつ加工します。
木材同士を繋ぎ合わせる際にも金具や釘を使わず、「仕口」「継手」と呼ばれる組み方で住宅を形作るのです。
また、基礎は設置した「石場建て」という名称の石の上に柱を直接乗せていき、壁は砂壁・屋根には瓦が用いられます。

現代の感覚では、この構造が不安定なように見えますが、「地震発生時には地震の揺れに抗わず建物自体が揺れて地震の力を逃す」という仕組みになっています。
ただし、経年劣化や度重なる地震のダメージのせいで、今後の地震に耐えられる強さが失われている古民家が多く存在します。

古民家は耐震診断が含まれた古民家再生総合調査報告書が必要

古民家の耐震性は住宅により異なるため、自分で判断せずに耐震診断を実施することをおすすめします。
ここでは、古民家再生総合調査報告書の3つの内容について説明します。

調査報告書の作成に必要な費用は50万円、築50年以上の住宅が対象です。
一般社団法人全国古民家再生協会各支部にて申し込みを受け付けており、調査に必要な日数は1日程度かつ調査終了後1〜2ヶ月程度で報告書を受け取り可能です。

古民家鑑定書

古民家のコンディションを確認する鑑定書であり、古民家リフォーム・古民家購入の判断材料として使えます。
古民家鑑定書の内容次第で、該当の古民家に必要な改修が変わってきます。

古民家床下インスペクション報告書

古民家床下インスペクションは、一般社団法人住まい教育推進協会が実施する床下の害虫診断調査です。
調査では、自走式点検ロボットモーグルを使用して床下の状態を細かく確認します。
定期的に床下の状態を調べれば、害虫による被害で住宅の強度が下がるような問題を予防できます。

伝統耐震性能評価報告書

一般社団法人伝統構法耐震評価機構が実施する調査であり、地盤と建物の間に常時存在する微振動を利用して耐震性能を調査します。
診断の結果、建物の耐震性に問題がある場合には耐震性能を向上するリフォームが必要です。

古民家の耐震補強にかかる費用相場

古民家の耐震補強改修には以下のようなコストがかかります。
住宅の耐震性向上に必要な予算を把握しておきましょう。

古民家の耐震補強:改修箇所別の費用相場

ここでは、古民家の耐震補強リフォームに必要な費用を改修箇所別に分類しました。
必要な改修箇所が予測可能な方は、下記を参考に予算を立ててください。
この費用相場は、40坪の木造住宅を参考にしています。

改修内容 費用相場
基礎工事の補修 20〜30万円程度
壁の補強工事 150〜200万円程度
屋根の軽量化 200〜300万円程度

古民家の耐震補強:築年別の費用相場

耐震補強を実施するべき箇所が推測できないという方は、築年数別の耐震補強に必要な費用の相場を参考にしてください。

築年数 費用相場
築40年未満 160〜170万円程度
築40〜49年 170〜190万円程度
築50〜60年 180〜230万円程度

築年数が浅いほど、耐震工事に必要なコストも少なくなる傾向にあります。

古民家の耐震補強は補助の対象になる

古民家の耐震補強リフォームは、リフォーム補助・助成の対象になる可能性が高いです。
多くの各自治体では耐震補強工事に対しての補助金・助成金を用意しているため、工事の前に確認して必要な手続きを進めましょう。

耐震リフォームが対象になる補助金については、こちらの記事で説明しています。

古民家の耐震補強改修の例

古民家に必要な耐震補強リフォームの例には、次のようなものがあります。
古民家再生総合調査実施後に必要な工事を決めていきましょう。

基礎の補強

基礎が設置されていない古民家では、住宅をジャッキアップで持ち上げて基礎と土台を造ります。
基礎完成後には、基礎・土台・柱を金物でつなげて強い住宅に仕上げます。

耐力壁の設置

古民家の壁には砂壁が導入されている場合が多く、現在の壁材と比較して耐久性・耐震性が劣ります。
壁に耐力壁を設置すれば、地震の揺れに耐えられる住宅になるでしょう。

砂壁についての詳しい情報は、こちらの記事を参考にしてください。

柱や梁を金属で補強する

伝統構法で造られた古民家では金物や釘を使用せずに、木材の組み合わせで住宅を形にしています。
柱や梁に金属の金具を設置すれば、地震の揺れで木材の組み合わせが抜け落ちる問題を防げぐことができます。

屋根の重さを軽くする

古民家が地震に弱いと言われる理由の一つに、瓦屋根があります。
屋根が重い建物は重心が上部に偏り、地震の揺れで受けるダメージが増えてしまうのです。

瓦は特に重い屋根材であるため、軽い屋根材に変更する必要があります。
ただし、瓦にこだわりを持ちたいという方は、軽量の瓦への差し替えや屋根の下地に使われている土を取り除くなどの工事をすると良いでしょう。

古民家の耐震リフォームの注意点

伝統構法の古民家は、在来工法の住宅と同じ方法の耐震リフォームができません。
先ほどもお伝えしたように、伝統構法と在来工法は全く異なる構造です。
在来工法向けの耐震リフォームを伝統構法の古民家に施すと、住宅にかかる揺れの力が狂い、より地震に弱い状態に陥る可能性があるのです。

そのため、古民家の耐震性を向上させたいのであれば、一般的な耐震補強工事を行うのではなく必ず耐震診断を受けた上で施工箇所や施工方法を決めていきましょう。
プロの意見を聞きながら、改修内容を考えることが大切です。

まとめ

古民家には独特の雰囲気や趣があり、古民家カフェにいるような感覚で生活を送れます。
しかし、耐震性能基準が異なる時代に建築されているため、耐震性に不安が残る住宅が多いことも忘れてはいけません。

古民家の購入やリノベーションを考えているのなら、最初に耐震診断を実施して必要な耐震リフォームの内容を知りましょう。
適切なリノベーションを実施すれば、古民家でも安心かつ快適な暮らしを実現できます。

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