畳リフォームの費用相場とフローリング化・琉球畳への変更ガイド
畳は落ち着いた和の空間を演出する素晴らしい床材ですが、年数が経過するとささくれや汚れ、変色が目立ってきます。
築15年から25年ほど経過したご自宅では、単なる畳のメンテナンスだけでなく「おしゃれな和モダンにしたい」「使い勝手の良いフローリングに変更したい」というニーズも増えてくるものです。
この記事では、畳リフォームの主要な3手法の費用相場から、人気の琉球畳を用いたリノベーション、さらに和室を洋室化する際の注意点まで、経験豊富なプロの視点で徹底解説します。
畳リフォーム3つの手法と費用相場

畳のリフォームは、現在の畳の状態や「どう変えたいか」という目的に応じて、大きく分けて3つの手法があります。
それぞれの作業内容と費用相場を把握し、最適な方法を選びましょう。
表替え・新調・琉球畳への交換費用
畳そのものをメンテナンスする場合、最も手軽なのが表替えです。
これは畳床(芯材)はそのままに、表面の畳表と縁(ふち)だけを新しくする手法で、1畳あたり4,000円から9,000円程度が相場です。
設置から3年から5年で検討したいリフォームです。
一方、畳床まで老朽化している場合や、設置から10年以上経過している場合は新調(入れ替え)が必要です。
1畳あたり7,500円から20,000円程度が目安となります。
また、近年人気が高い「琉球畳」などの縁なし畳へ交換する場合、1畳のサイズが半畳(正方形)になるため、6畳間であれば12枚の畳が必要になります。
加工難易度も高いため、1畳(半畳サイズ)あたり10,000円から15,000円、部屋全体では一般的な畳の新調よりも1.5倍から2倍程度の予算を見ておくのが無難です。
和室からフローリングへの張替え価格
和室の畳を撤去してフローリングにリフォームする場合、単に床材を敷くだけでは終わりません。
畳の厚みは約55mmから60mmあるのに対し、フローリング材は約12mmから15mmです。
そのため、高さを合わせるための「下地調整(根太組みや合板設置)」という重要な工程が発生します。
この工事を含めた費用の目安は、6畳間で約15万円から25万円程度です。
選ぶ木材の種類によって価格は変動し、安価な複合フローリングであれば15万円前後に抑えられることもありますが、天然の木を使った無垢フローリングや、遮音性能が高い特殊な床材を選択した場合は30万円を超えることもあります。
クッションフロアを選択すれば10万円前後から可能ですが、耐久性や質感を重視するならフローリングが最も選ばれている選択肢です。
6畳・8畳の面積別施工コスト一覧
リフォームを検討する際、お部屋の広さごとに総額がいくらになるかは最も気になるポイントです。
一般的な住宅で多い6畳と8畳の広さを例に、手法別の概算費用を比較表にまとめました。
| リフォーム手法 | 6畳間の費用目安 | 8畳間の費用目安 |
| 畳の表替え | 2.5万円 〜 5.5万円 | 3.5万円 〜 7.5万円 |
| 畳の新調(縁あり) | 4.5万円 〜 12万円 | 6万円 〜 16万円 |
| 琉球畳への変更(半畳) | 12万円 〜 18万円 | 16万円 〜 24万円 |
| フローリング張替え | 15万円 〜 25万円 | 20万円 〜 35万円 |
上記の金額には、既存の畳の処分費用や下地調整代が含まれていますが、現場の状況や選ぶ畳表のグレード(国産い草や合成繊維など)によって変動します。
特におしゃれなデザイン畳や高機能な床材を選ぶ場合は、プラス数万円の余裕を持っておくと安心です。
和モダンを実現する琉球畳リフォーム

「和室の良さを活かしつつ、古臭さをなくしたい」という方に最適なのが、琉球畳(縁なし畳)へのリフォームです。
半畳サイズの正方形の畳を、い草の向きを交互に変えて並べる「市松敷き」にすることで、光の反射により美しい模様が浮かび上がります。
おしゃれな空間を作る縁なし畳と色選び
琉球畳リフォームの最大の魅力は、そのデザイン性の高さにあります。
従来の緑色のい草だけでなく、現在はグレー、ベージュ、ブラウン、さらにはネイビーやブラックといった多様なカラーバリエーションが存在します。
和モダンな空間を目指すなら、リビングのフローリングの色に近い「モカベージュ」や、高級感のある「シルバーグレー」などを選ぶのがおすすめです。
壁紙を一面だけアクセントクロスに変更し、それに合わせた色の畳を選ぶことで、まるで注文住宅のような洗練されたインテリアが完成します。
また、畳の縁がないことで部屋が広く見える視覚効果もあり、マンションなどの限られたスペースのリノベーションにも非常に適しています。
ダイケンやセキスイの機能性畳によるリノベーション
最近の畳リフォームでは、天然のい草ではなく、大建工業の「健やかおもて(和紙)」やセキスイの「美草(樹脂)」といった高機能な素材が主流になりつつあります。
これらの機能性畳は、見た目はい草と遜色ないほど自然でありながら、多くのメリットを備えています。
例えば、樹脂製や和紙製の畳は撥水性に優れており、飲み物をこぼしてもサッと拭き取れるため、小さなお子様やペットがいる家庭でも安心です。
また、日光による変色がほとんどなく、10年経っても美しさを維持できる耐久性を持っています。
さらに、カビやダニが発生しにくい素材であるため、アレルギーが心配な方にも最適です。
こうした「おしゃれ」と「機能性」を両立した素材選びが、現代の畳リフォームを成功させる鍵となります。
マンション和室をモダンに変える施工事例
マンションの和室はリビングと隣接していることが多いため、リビングとの一体感を出すリフォームが人気です。
最近の事例では、リビングのフローリングの色と畳の色をトーンを合わせて統一し、引き戸を開放した際に一つの大きな空間に見せる手法が多く見られます。
具体的には、ダークブラウンのフローリングのリビングに対し、畳にはチャコールグレーの琉球畳を合わせることで、シックな大人のリノベーション空間が実現します。
また、押入れをクローゼット風の折れ戸に変更し、中を中段のないハンガーラック仕様にすることで、和室を「客間」から「機能的な寝室やワークスペース」へと生まれ変わらせるケースも増えています。
マンション特有の梁(はり)や柱がある場合でも、オーダーメイドの畳なら隙間なく美しく収めることが可能です。
和室からフローリングへ変更する際の注意点

和室を洋室化してフローリングに変更するリフォームは、生活スタイルの変化に対応できる一方で、施工時に注意しなければならない技術的なポイントがいくつか存在します。
下地調整や断熱材による床の高さ調整
畳を剥がした後の床板(荒床)は、隣接する廊下やリビングの床面よりも、畳の厚みの分だけ低くなっています。
そのままフローリングを貼ると大きな段差ができてしまうため、必ず「根太(ねだ)」という木材で骨組みを作り、その上に合板を敷いて高さを調整する工程が必要です。
この際、同時に検討したいのが断熱材の充填です。
昔の和室は床下からの冷気が入りやすい構造になっていることが多いため、根太の間にスタイロフォームなどの断熱材を敷き詰めることで、冬場の足元の冷え込みを大幅に改善できます。
この工程を怠ると、せっかくフローリングにしても「以前より寒く感じる」といった後悔につながりかねません。バリアフリー化と断熱性能の向上は、セットで考えるべき重要なポイントです。
マンションの管理規約と防音規定L値の確認
マンションで畳をフローリングに変更する場合、避けて通れないのが「防音規定」です。
多くのマンションでは、階下への騒音トラブルを防ぐために、使用できるフローリングの遮音等級(L値)が管理規約で厳格に定められています。
一般的には「L-45」や「L-40」といった高い遮音性能を持つ床材が指定されます。
畳はそれ自体が優れた吸音・防音材として機能していたため、硬いフローリングに変えることで歩行音や物の落下音が響きやすくなります。
規約を無視して施工すると、後から管理組合から撤去を命じられるなどのトラブルに発展するリスクがあります。
工事前に必ず管理規約を確認し、防音性能を備えた専用のフローリング材や下地材を選択するようにしましょう。
畳の上に置くだけのウッドカーペットと本格工事の差
コストを抑えるために、畳を剥がさずその上に「ウッドカーペット」や「フローリングマット」を敷くDIYを検討される方もいます。
しかし、これは一時的な応急処置としては有効ですが、長期的なリフォームとしては推奨されません。
最大の懸念点は、畳とマットの間に湿気が溜まり、カビやダニが大量発生するリスクです。
畳は呼吸をする素材ですが、上に通気性の悪いシートを被せることで湿気が逃げ場を失います。
また、畳は柔らかいため、重い家具を置くと沈み込み、ジョイント部分が外れたり歩行時にフワフワした不安定な感触になったりします。
永く快適に住み続けるのであれば、多少コストはかかっても、既存の畳を撤去して下地からしっかり作り直す本格的な工事を行う方が、最終的な満足度と家の資産価値維持につながります。
目的別リフォームプランの選び方
どのリフォーム手法が正解かは、その後の部屋の「使い方」によって決まります。
ご自身のライフスタイルに合ったプランを選べるよう、目的別の判断基準を整理しました。
安さを優先する際の畳表替え
「とにかく安く、きれいにしたい」という場合は、畳の表替えが最良の選択です。
芯材である畳床がしっかりしていれば、表面を変えるだけでい草の香りが広がる新品同様の空間になります。
特に、退去を控えた賃貸物件の原状回復や、急な来客予定がある場合の応急処置として非常にコストパフォーマンスが高い手法です。
耐久性と掃除のしやすさを重視する洋室化
「介護を見据えて車椅子を使いたい」「ベッドを置いて寝室にしたい」「重い本棚を置きたい」といった場合は、フローリングへの変更(洋室化)を強くおすすめします。
畳は家具の跡が残りやすく、液体をこぼすと染み込みやすい性質がありますが、フローリングであれば日々の掃除はワイパーや掃除機だけで済み、メンテナンス性が格段に向上します。
デザイン性を追求する和洋折衷スタイル
「和の落ち着きは捨てがたいが、インテリアにもこだわりたい」という方には、琉球畳やカラー畳を用いた和モダンリフォームが最適です。
リビングの延長として、クッション性が高く寝転がれるスペースを残しつつ、見た目は洋室の家具とも調和するスタイリッシュな空間に仕上げることができます。
失敗しないリフォーム会社の比較と見積もり
畳リフォームを成功させるためには、どこに依頼するかが重要です。
「どこでも同じ」と安易に決めるのではなく、得意分野を見極める必要があります。
畳専門店と内装リフォーム会社の得意分野
畳の表替えや新調、あるいは特殊な琉球畳への交換であれば、地元の畳専門店に依頼するのが安心です。
畳の品質や隙間のない正確な寸法計測に関しては、職人の技術が光ります。
一方で、和室をフローリングに変えたり、壁紙や照明を含めてトータルコーディネートしたい場合は、大工仕事や内装全般に強いリフォーム会社や工務店が適しています。
床下の構造から見直す工事が必要になるため、住宅全体の知識を持つプロの判断が不可欠だからです。
適正価格を見極めるための相見積もり
リフォーム費用は、会社によって諸経費や施工費の設定が大きく異なります。
そのため、少なくとも2社から3社から相見積もりを取ることが大切です。
見積書を見る際は、単に「工事一式」となっていないか、既存畳の処分費や家具の移動費、下地調整代が明記されているかを確認してください。
あまりに安すぎる見積もりは、下地工事が省略されていたり、防音性能が低い床材が使われていたりすることもあるため、内容を詳細にヒアリングすることが失敗を防ぐコツです。
まとめ
畳のリフォームは、単なる古くなったものの交換ではなく、これからの暮らしをより豊かにするための絶好の機会です。
コストを抑えた表替えから、デザイン性に優れた琉球畳、そして機能性を重視したフローリング化まで、ご自身のライフスタイルに合わせた最適な選択をしてください。
もし、「自分にはどのリフォームが合っているのかわからない」「具体的な費用感を知りたい」とお悩みでしたら、まずは地域の専門家に相談してみることをおすすめします。
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