キッチンリフォームの補助金・助成金とは?ポイントや注意点を解説

  • 作成日:2024/01/05
  • 更新日:2024/09/11
  • 編集者:山根木材メディア編集部
キッチンリフォームの補助金・助成金とは?ポイントや注意点を解説

キッチンは住まいの中でも使用頻度が高く水を使うために、比較的経年劣化しやすい部分です。
一般的なキッチンの耐用年数は10〜20年と言われているものの、お手入れの頻度や使い方次第でより早く不具合が現れる可能性があります。

今回の記事では、キッチンリフォームを検討している方に向けて、リフォームの相場や対象になる補助金・助成金制度をまとめました。
キッチンリフォームが対象になる補助金・助成金制度を探している方は、ぜひ参考にしてください。

キッチンリフォームに必要な費用その相場

キッチンリフォーム①

キッチンのリフォームに必要な費用は、現在のキッチンの状態と、リフォーム後に希望するキッチンのランクや形状で異なります。
具体的には50〜200万円程度の費用が必要であり、キッチンの位置や形状を変更しない場合は費用を抑えることができます。

例えば、同じ形状のキッチンを移動せず新しいシステムに入れ替えるだけなら、50万円程度で工事が完了します。
ただし、キッチンの位置の移動・大規模な配管工事を含むキッチンリフォームは150万円以上かかり、特にキッチンのある階の変更は250万円以上のコストが必要です。
また、高性能・高級なシステムキッチンは商品コストそのものが上がるため、より高額な費用がかかります。

おすすめのキッチンリフォームについては、こちらの記事を参考にしてください。

キッチンリフォームに活用できる可能性がある補助金・助成金の種類

キッチンリフォーム②

キッチンリフォームが対象となる補助金・助成金には、次のようなものがあります。

制度の名称 特徴 補助・助成金
子育てエコホーム支援事業 リフォームの場合は子育て世帯・若夫婦世帯の制限なし 〜20万円(引き上げ措置あり)
介護保険制度 要介護認定にて要介護または要支援認定を受けた方が対象 〜20万円
長期優良住宅化リフォーム推進事業 定められた評価基準をクリアし特定の条件を満たす必要がある 〜100万円(引き上げ措置あり)
地方自治体の補助金・助成金 地方自治体により異なる 地方自治体により異なる

それぞれの制度については、次の章以降に詳しくまとめました。自分が対象になる補助金はないか確認しましょう。

子育てエコホーム支援事業

子育てエコホーム支援事業 出典:国土交通省 子育てエコホーム支援事業

子育てエコホーム支援事業では、新築とリフォームの両方が対象の補助金を設けています。
開口部の断熱改修または外壁・屋根・天井・床の断熱改修、エコ住宅設備の設置のリフォームのうち1つの工事を実施すれば、同時に行う家事効率の向上やバリアフリーに対する工事も補助の対象になります。

子育てエコホーム支援事業の対象者

子育てエコホーム支援事業は、新築住宅の建設・購入時にあたる補助金には、子どもや夫婦の年齢制限があるものの、リフォームに関して世帯の限定はありません。
リフォームする住宅の所有者であり、該当の住宅に住んでいる個人・家族であることや、共同住宅の場合は管理組合・管理組合法人であることが条件に提示されています。

子育てエコホーム支援事業の補助金額上限

各工事の補助金合計20万円が補助金の上限額であり、子育て世帯(2004年4月2日以降に生まれた子どもがいる世帯)・若夫婦世帯(夫婦のどちらかが1982年4月2日以降に生まれた世帯)の場合は補助金が30〜60万円までの引き上げ対象になります。
ただし、補助合計額が5万円未満では、補助を受けられません。事前に補助金合計の予定額を計算しておきましょう。

子育てエコホーム支援事業申請時の注意点

子育てエコホーム支援事業はリフォーム工事発注者である自分自身ではなく、工事を請け負う事業者が申請手続きを代行します。
そのため、リフォーム工事を依頼できる業者は子育てエコホーム支援事業の登録業者に限られ、他の業者で実施したリフォーム工事は補助の対象外になります。

子育てエコホーム支援事業について詳しくは、こちらの記事を参考にしてください。

介護保険制度

介護保険制度は介護を目的としたリフォームを実施する際に受けられる制度であり、利用者の収入に応じて補助金を得られます。
対象の工事には、転倒防止を目的とした手すりの設置・段差の解消・滑りにくい床材への変更や、開き戸から引き戸への変更などが含まれます。

介護保険制度の対象者

介護保険の対象は、利用者が要介護認定にて要介護または要支援の認定を受けており、介護保険者証に記載された住所での工事を実施する場合に限ります。
利用者が福祉施設や病院に入院している状態では、制度が適用されません。
また、介護リフォームは一件の住宅につき1回というルールが存在するため、父母の介護保険を使用して同じ住宅で2回以上の補助金を受け取ることはできません。

介護保険制度の補助金額上限

補助金額の上限は20万円までですが、要介護度が3段階以上重くなった時には2回目の支給として、再度20万円の補助が受けられます。
また、利用者の収入に応じてリフォーム工事の自己負担額が1〜3割に設定されます。

介護保険制度申請時の注意点

介護リフォームの申請では、介護支援専門員・地域生活支援センター担当職員・作業療法士・福祉住環境コーディネーター検定試験2級以上またはそれに準ずる資格者のみが作成可能な「理由書」の提出が求められます。
担当のケアマネージャーに相談して、介護制度を活用したリフォームについてアドバイスを受けましょう。

介護を目的としたリフォームに関しては、こちらの記事で詳しい説明をしています。
リフォーム 介護 補助金の記事へのリンク

長期優良住宅化リフォーム推進事業

住宅の劣化対策・耐震性向上・省エネ対策に取り組むリフォームは長期優良住宅化リフォーム推進事業の対象になる可能性があります。

長期優良住宅化リフォーム推進事業の対象者

長期優良住宅化リフォーム推進事業の対象になるためには、以下の条件を満たす必要があります。

  • インスペクション(建物状況調査)を実施して維持保全計画・履歴を作成する
  • 工事後に耐震性と劣化対策、省エネルギー性が確保されている

また、三世帯同居対応改修工事・子育て世帯向け改修工事・防災性の向上改修工事・レジリエンス性の向上改修工事も対象です。
初めから、既存住宅状況調査技術者が実施するインスペクションに対応可能なリフォーム工事業者を選定しましょう。

長期優良住宅化リフォーム推進事業の補助金額上限

長期優良住宅化リフォーム推進事業の補助率は、補助対象リフォーム費用の3分の1または標準基準型の場合は1戸100万円、認定長期優良住宅型は200万円までです。
また、下記に該当するご家庭はさらに50万円ずつ補助金上限金額が引き上げられます。

  • 三世代同居対応改修工事
  • 工事実施者が40歳未満である世帯
  • 18歳未満の子どもがいる世帯
  • 既存住宅の購入者が工事を実施する場合
  • 一時エネルギー消費量を省エネ基準比-20%とする工事

長期優良住宅化リフォーム推進事業申請時の注意点

長期優良住宅化リフォーム推進事業の補助金申請には、認定取得までに多くの手間や費用がかかります。
認定を受けてからの工事開始となるため、時間に余裕を持って申請作業を進めましょう。

また、長期優良住宅化リフォーム推進事業の対象になる工事は、住宅の性能を大きく向上させることから比較的高額であり、リフォーム費用が値上がる可能性があります。
交付予定の補助金額と工事費用のバランスを取りながら、補助金申請をするべきか考えてみてください。

長期優良住宅についての情報は、こちらの記事を参考にしてください。

地方自治体ごとの補助金・助成金

キッチンリフォーム③

キッチンのリフォームには、住宅がある地方自治体で独自の補助金が用意されている場合もあります。事前に問い合わせをして必要な手続きを進めましょう。
地方自治体独自の補助金・助成金は、インターネット検索や直接自治体への問い合わせにより調べられます。

キッチンリフォームに補助金を活用する際のポイント

キッチンリフォームに補助金を活用する際には、十分な事前準備が必要です。補助金ごとに対象条件や申請方法が異なるため、注意が必要です。
補助金に関する疑問は支援事業や地方自治体に直接問い合わせをするか、補助金の交付実績が多いリフォーム会社からアドバイスを受けるという手段もあります。
補助金の申請に詳しいリフォーム業者であれば、対象の工事内容についても相談できます。

まとめ

キッチンリフォームで受けられる補助金にはいくつかの種類があります。それぞれの補助金は条件や対象工事が異なるため、内容を事前に確認しておきましょう。
また、キッチンリフォームを考えているのなら、必要な設備について家族と話し合う必要があります。
現在のキッチンにある不満をまとめ、家族全員が満足できるキッチンリフォームを実現しましょう。

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