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スケルトンリフォームとは?メリット・デメリットや費用相場を解説

  • 作成日:2023/10/31
  • 更新日:2025/11/07
  • 編集者:山根木材メディア編集部
スケルトンリフォームとは?メリット・デメリットや費用相場を解説

「古い家の間取りを、今の暮らしに合わせて自由に変えたい」 「中古マンションを購入して、新築のように美しく、高性能な住まいにしたい」
スケルトンリフォームは、そんな理想を叶えるための最もパワフルな選択肢の一つです。
住宅の骨組み(スケルトン)だけを残し、内装から設備まで全てを刷新するため、まるで注文住宅のような自由度の高い家づくりが実現できます。
しかし、最も気になるのは「一体いくらかかるのか?」という費用面ではないでしょうか。
この記事では、スケルトンリフォームを検討し始めたばかりのあなたが知りたい費用相場から、具体的な内訳広さ・予算別のシミュレーション、そして費用を賢く抑えるコストダウン術まで、全ての情報を網羅的に解説します。
最後まで読めば、あなたの理想の住まいづくりに向けた、具体的な資金計画の第一歩が踏み出せるはずです。

まず結論!スケルトンリフォームの費用相場

スケルトンリフォームの費用は、建物の種類(マンションか戸建てか)や規模、工事の内容によって大きく変動します。
まずは全体像を掴むために、基本的な費用相場から見ていきましょう。

マンションの費用相場は600万円~2,000万円

マンションのスケルトンリフォームは、専有部分の内装や設備が対象となります。
一般的なファミリータイプのマンション(60㎡~80㎡程度)の場合、費用相場は600万円~2,000万円の範囲に収まることが多いです。
費用の幅は、導入するキッチンやお風呂といった設備のグレード、使用する内装材、そしてどこまで間取りを変更するかによって変わります。
例えば、水回りの位置を大幅に動かすと配管工事が複雑になり、費用が上がる傾向にあります。
比較的小規模なワンルームマンションであれば、500万円以下で収まるケースもあります。

戸建ての費用相場は800万円~2,500万円

戸建ての場合は、内装や設備に加えて、外壁や屋根、断熱、耐震補強といった躯体に関わる工事も同時に行うことが多く、マンションに比べて費用は高くなるのが一般的です。
延床面積30坪程度の一般的な木造住宅で、800万円~2,500万円が目安となります。
内装のみのリフォームであれば1,200万円前後から可能ですが、外壁の塗装や屋根の葺き替え、耐震補強まで含めると2,000万円を超える大規模な工事になることも珍しくありません。
基礎だけを残してほぼ新築同様に作り変える場合は、さらに費用がかかります。

費用を左右する坪単価の目安は50万円~100万円

費用総額は「坪単価」で概算することもできます。スケルトンリフォームにおける坪単価の目安は1坪あたり50万円~100万円です。
例えば、延床面積が30坪の戸建てであれば、「30坪 × 50万円/坪 = 1,500万円」から「30坪 × 100万円/坪 = 3,000万円」までが費用の概算範囲となります。
もちろん、これはあくまで目安であり、工事内容によって変動しますが、ご自身の家の広さから大まかな予算をイメージする際に役立ちます。

【広さ・予算別】費用シミュレーションと施工事例

「自分の家と同じくらいの広さだと、いくらになるんだろう?」 「予算1000万円だと、どこまでリフォームできる?」
ここでは、より具体的に費用感をイメージできるよう、広さ別・予算別のシミュレーションと、実際の施工事例をご紹介します。

広さで見る費用 30坪・70平米・80平米の場合

多くの方が検討される代表的な広さを例に、費用目安を見ていきましょう。

  • 70平米(約21坪)のマンション
    内装・設備を全面的に刷新する場合、費用は700万円~1,400万円が目安です。
    間取りを大きく変更せず、設備のグレードを標準的なものにすれば1,000万円以下で、デザイン性の高い素材を使ったり、間取りを大きく変更したりすると1,000万円を超えてきます。
  • 80平米(約24坪)のマンション
    同じく内装・設備を一新する場合、費用は800万円~1,600万円が目安です。
    広くなる分、床材や壁紙などの面積が増えるため、70平米のケースより費用も上がります。
  • 30坪(約99㎡)の木造戸建て
    内装のみのフルリフォームであれば1,200万円~1,800万円、外壁や屋根の工事も含む場合は1,700万円~2,500万円以上が目安です。
    耐震補強や断熱改修を行う場合は、さらに追加の費用が必要となります。

予算1000万円・1500万円でできる工事内容

ご予算に応じて、実現できるリフォームの範囲も変わってきます。

  • 予算1,000万円でできること
    マンションであれば、水回り設備(キッチン・浴室・トイレ)の刷新と、床・壁・天井の内装を一新することが可能です。
    間取り変更は、壁を一部撤去してリビングを広くするなど、限定的な範囲であれば実現できるでしょう。戸建ての場合は、内装を中心としたリフォームが主な対象となります。
  • 予算1,500万円でできること
    マンションであれば、より自由な間取り変更が可能になり、造作家具を取り入れたり、内装材にこだわったりと、デザイン性の高い空間づくりが視野に入ります。
    戸建ての場合も、内装・設備の一新に加え、断熱材の追加やサッシの交換といった、住宅の性能を向上させる工事まで含めて検討できる予算規模です。

写真で見るスケルトンリフォームの施工事例

ここでは、実際にスケルトンリフォームで理想の住まいを形にした事例を2件ご紹介します。

事例1 築30年の中古マンションに最新設備を搭載
スケルトンリフォームを前提に築30年の中古マンションを購入されたお施主様。
骨組みだけの状態から、最新のキッチンシステムやユニットバス、トイレを導入し、新築同様の内観へと生まれ変わらせました。
コストを抑えつつ開放感を出すために間仕切りを工夫し、マンションでありながら広々とした個室を実現しています。

事例2 家族構成の変化に合わせた一戸建て大規模リフォーム
ご両親から築20年の木造住宅を受け継ぎ、ご自身の家族構成に合わせて内外装ともに大規模なスケルトンリフォームを実施。
壁付けだった独立キッチンを、家族と会話が楽しめる対面式に変更。
2階の部屋数を増やしつつ、1階は開放的なリビングダイニングを造ることで、若い世代のライフスタイルにぴったりの住まいが完成しました。

何にいくらかかる?総額が決まる費用内訳の全項目

リフォームの見積書を見ると、多くの項目が並んでいて分かりにくいかもしれません。
ここでは、総額がどのような費用で構成されているのか、主な内訳を解説します。

仮設・解体工事費

リフォームの第一歩は、既存の内装や設備を解体・撤去することから始まります。
この仮設・解体工事費には、工事中の騒音やほこりが近隣に迷惑をかけないように建物を覆う「養生」や、資材搬入のための「仮設足場」の費用、そして壁や床、古いキッチンなどを撤去し、廃材を処分するまでの費用が含まれます。
建物の構造や規模にもよりますが、一般的に総費用の5%~10%程度を占めます。
しっかりとした養生や丁寧な解体は、安全でスムーズな工事の基礎となる重要な工程です。

木工事・内装工事費

空間の印象を決定づけるのが木工事・内装工事費です。
間取りを変更するための壁や天井の下地造作、床のフローリング張り、壁や天井のクロス(壁紙)仕上げ、ドアやクローゼットといった建具の取り付けなどがこれにあたります。
選ぶフローリング材の種類(無垢材か複合フローリングか)や、壁の仕上げ(クロスか塗装か、珪藻土か)など、使用する素材のグレードによって費用が大きく変動します。
総額に占める割合も大きく、20%~30%が目安となります。

設備工事費(電気・ガス・水道)

目に見えない部分ですが、快適で安全な暮らしに不可欠なのが設備工事費です。
古い電気配線を全面的に新しいものに交換したり、ライフスタイルの変化に合わせてコンセントや照明スイッチの位置を変更したりします。
また、キッチンや浴室の位置を移動させる場合には、給排水管やガス管のルートを延長・変更する工事も必要です。
これらのインフラ部分は、建物の寿命や安全性に直結するため、スケルトンリフォームの際に一新しておくことが推奨されます。
総額の10%~20%程度が目安です。

住宅設備費(キッチン・風呂・トイレ)

システムキッチン、ユニットバス、トイレ、洗面化粧台といった住宅設備費も、費用の大きな割合を占める項目です。
これらの設備機器は、メーカーや製品のグレードによって価格が大きく異なります。
例えば、システムキッチン一つをとっても、シンプルな機能のものから、食洗機や最新のIHヒーターを備えた高機能なものまで様々で、価格も数十万円から数百万円まで幅があります。
どこにお金をかけ、どこでコストを調整するかのメリハリをつけることが、予算内で満足度の高いリフォームを実現する鍵となります。
総額の15%~25%程度が目安です。

その他費用(設計料・諸経費)

工事費本体の他に、設計料や諸経費も必要です。
お客様の要望をヒアリングし、最適なプランを設計図に落とし込むための設計デザイン料、大規模な間取り変更で建築確認申請が必要になった場合の申請費用、現場を管理・監督するための現場管理費などが含まれます。
これらの費用はリフォーム会社によって項目や算出方法が異なりますが、一般的に工事費総額の10%~20%程度を見ておくとよいでしょう。
見積もりを取る際は、これらの諸経費がどこまで含まれているのかをしっかりと確認することが大切です。

費用は抑えられる!賢いコストダウン術4選

スケルトンリフォームは高額になりがちですが、工夫次第で費用を賢く抑えることが可能です。
ここでは、知っておきたい4つのコストダウン術をご紹介します。

住宅設備のグレードにメリハリをつける

全ての設備を最高グレードにすると、費用はあっという間に膨れ上がります。
そこで大切なのが、こだわりたいポイントに優先順位をつけ、グレードにメリハリをつけることです。例えば、「家族が集まるキッチンの天板は、デザイン性の高い人造大理石にしたい。
でも、あまり使わないゲスト用のトイレは標準グレードで十分」といったように、お金をかける部分とかけない部分を明確にしましょう。
この取捨選択が、満足度を下げずにコストを抑える最大のポイントです。

内装材や建材を工夫して選ぶ

内装材や建材も、選び方一つでコストを大きく削減できます。
例えば、リビングの床には憧れの無垢材を使いたいけれど予算が厳しい場合、木目の質感がリアルな複合フローリングやフロアタイルを選ぶことで、見た目の印象を保ちながらコストを下げることができます。
また、壁紙も量産品のシンプルなものを選べば、費用を大きく抑えることが可能です。
アクセントとして一面だけデザイン性の高い壁紙を使うなど、工夫次第で安くてもお洒落な空間は実現できます。

補助金や減税制度を最大限活用する

スケルトンリフォームの内容によっては、国や自治体が実施している補助金や減税制度を活用できる場合があります。

  • 断熱改修(高断熱の窓へ交換、断熱材の追加など)
  • 耐震改修(耐力壁の追加、基礎の補強など)
  • バリアフリー改修(手すりの設置、段差の解消など)

上記のような省エネ性、耐震性、安全性を向上させる工事が対象となることが多いです。
制度の内容や申請期間は自治体によって異なるため、リフォームを計画する段階で、お住まいの市区町村のホームページを確認したり、リフォーム会社に相談したりしてみましょう。

複数のリフォーム会社から相見積もりを取る

同じ工事内容であっても、提示される見積金額はリフォーム会社によって異なります。
そのため、必ず2~3社から相見積もりを取り、内容と金額を比較検討することが重要です。
単に総額が安いかどうかだけでなく、工事内容の詳細、使用する建材や設備のグレード、保証やアフターサービスの内容まで、細かくチェックしましょう。
各社の提案内容を比較することで、ご自身の希望に最も合い、かつコストパフォーマンスの高い一社を見つけることができます。

そもそもスケルトンリフォームとは?基礎知識を解説

ここで改めて、スケルトンリフォームの基本的な知識と、よく似た言葉との違いについて整理しておきましょう。

スケルトンリフォームとは「骨組み以外をすべて刷新する」工事

スケルトンリフォームとは、その名の通り、住宅の柱や梁、基礎といった構造躯体(スケルトン)だけを残し、壁・床・天井から内装、設備、配管・配線に至るまで、一度すべてを解体・撤去して、中身をゼロから新しく造り直す大規模なリフォーム手法のことです。
骨組み以外はすべて新しくするため、間取りの変更や水回りの移動も自由自在。
まるで注文住宅のように、自分たちのライフスタイルに合わせた理想の空間を思い通りに実現できるのが最大の魅力です。

リノベーションやフルリフォームとの違い

「リノベーション」や「フルリフォーム」といった言葉とも混同されやすいですが、少し意味合いが異なります。

  • リフォーム
    一般的に「老朽化したものを新築の状態に戻す」という原状回復の意味合いが強く、キッチンを新しくする、壁紙を張り替えるといった部分的な改修を指すことが多いです。
  • リノベーション
    既存の建物に新しい機能や価値を付け加えることを指します。
    間取りを変更して広いリビングを造る、断熱性能を高めるといった改修がこれにあたります。
  • フルリフォーム
    「全面的に行うリフォーム」という意味ですが、どこまでの範囲を指すか明確な定義はありません。

これらの関係性を整理すると、スケルトンリフォームは、住宅に新たな価値を加える「リノベーション」を実現するための、最も大規模で根本的な工事手法の一つ、と位置づけることができます。

契約前に知りたい!後悔しないための注意点

自由度の高さが魅力のスケルトンリフォームですが、契約前に知っておくべき注意点もあります。
後悔や失敗を防ぐために、以下の3つのポイントを必ず押さえておきましょう。

想定外の追加費用が発生する可能性

スケルトンリフォームで最も注意すべきなのが、想定外の追加工事です。
壁や床をすべて解体して骨組みだけの状態にして初めて、隠れていた問題が見つかることがあります。

  • 柱や土台の腐食
  • シロアリの被害
  • 雨漏りの跡
  • 基礎のひび割れ

これらの問題が見つかった場合、計画にはなかった補修工事が必要となり、数十万円から、場合によっては数百万円の追加費用が発生する可能性があります。
こうした事態に備え、見積金額とは別に、総予算の10%~20%程度を予備費として確保しておくと安心です。

工事期間の長さ(3ヶ月~半年)と仮住まいの確保

スケルトンリフォームは大規模な工事のため、工期が長くなります。
プランニングや設計の段階から数えると、着工から完成・引き渡しまでは最低でも3ヶ月、戸建てで内外装ともに手を入れる場合は半年以上かかることも珍しくありません。
もちろん工事期間中は家に住むことができないため、仮住まいを見つける必要があります。
賃貸マンションやウィークリーマンションの家賃、そして現在の家から仮住まいへ、さらに完成後の新居へと、2回分の引越し費用も予算に含めて計画することが不可欠です。

マンションの場合は管理規約の事前確認が必須

戸建てと違い、マンションには住民全体の資産を守るための「管理規約」が存在します。
スケルトンリフォームを計画する際は、この管理規約で定められたルールを必ず事前に確認しなければなりません。

  • 工事可能な範囲(窓サッシや玄関ドアなど共用部分の変更は不可)
  • 床材の制限(下の階への音を配慮し、遮音等級が定められている)
  • 工事可能な曜日や時間帯
  • 水回りの移動範囲

これらのルールを知らずに計画を進めてしまうと、後からプランの変更を余儀なくされることも。
必ずリフォーム会社と一緒に管理組合へ確認を取りましょう。

まとめ

スケルトンリフォームは、費用も時間もかかる大規模なプロジェクトですが、今の住まいが抱える問題を根本から解決し、家族の理想を形にできる素晴らしい方法です。
今回の記事では、その費用相場から具体的な内訳、コストダウンの秘訣、そして後悔しないための注意点までを詳しく解説しました。

【この記事のポイント】

  • 費用相場はマンションで600万円~、戸建てで800万円~が目安
  • 坪単価は50万円~100万円で概算できる
  • 費用は内訳を理解し、コストダウン術を実践することが重要
  • 追加費用仮住まいの予算も忘れずに計画する

もちろん、一軒一軒の家の状態や、ご家族が求める暮らしは異なります。
より正確な費用や具体的なプランを知るためには、経験豊富なプロに相談することが何よりの近道です。

 

 

スケルトンリフォーム②

スケルトンリフォーム④

スケルトンリフォーム①

スケルトンリフォーム③

山根木材では「永く住み継がれる家づくり」を目指し、これまでに累積1万件を超える施工を手掛けてきました。
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この記事を書いた人
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山根木材メディア編集部

ヤマネホールディングス株式会社マーケティング課が、住まいの検討やより良い暮らしに向けたお役立ち情報などを発信しています。

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