暖かい家を実現するためのポイント|メリット・デメリットをまとめて解説

  • 作成日:2024/02/22
  • 更新日:2024/03/28
  • 編集者:山根木材メディア編集部
暖かい家を実現するためのポイント|メリット・デメリットをまとめて解説

マイホームを建てて実際に新しい生活を始めてから、家の寒さに気がつく事例は珍しくありません。
住宅には外気の影響を受けやすいものと受けにくいものがありますが、その違いはどこにあるのでしょうか。

今回の記事では、暖かい家に暮らしたいと考えている方に向けて、暖かい家を建てるためのポイントとメリット・デメリットについてまとめました。

家が寒くなる理由

家が寒くなる理由はひとつではありません。さまざまな要因が関係し合い住宅の温度を下げています。

気密性能が低い

気密性とは、部屋の中と外の空気が出入りできる隙間が少ない状態を指し、気密性が高い住宅はその隙間が少なく、逆に気密性の低い住宅は隙間が多いことを意味します。隙間が多い住宅は、冬の冷たい空気が部屋に入り込みやすく、家が寒くなってしまうのです。

気密性は「C値」という住宅の隙間面積を延床面積で割った数値で表現され、数値が低く0に近いほど気密性が高くなります。気密性が高い住宅の具体的なC値の目安はありませんが、一般的には、C値1.0以下は気密性が高いと言われています。

断熱性能が低い

断熱性とは、部屋の中と外の熱の出入りを断熱材などを用いて遮断することを指し、断熱性が高い住宅は熱の移動が少なく、逆に低い住宅は熱の移動が多いことを意味します。
部屋の中と外の熱の移動が多いと、冬の冷気は室内に入り込みやすく、室内の熱は外に漏れやすいため、断熱性の低い住宅は寒くなってしまうのです。

戸建て住宅の断熱性能は「断熱等性能等級」の7段階で分類され、等級7が最も高断熱な住宅に該当します。
住宅の断熱等級についてはこちらの記事も参考にしてください。

コールドドラフト現象が起きている

暖房機器を稼働しても部屋が寒い場合、コールドドラフト現象が原因のひとつとして考えられます。
コールドドラフト現象とは、エアコンなどの暖房機器により暖められた空気が窓などの開口部で冷やされ、冷やされた空気が下降し床面に停滞することで起こります。暖かい空気は上へ、冷たい空気は下へ移動する特性があるため、このような現象が起きます。 

空調設備・暖房設備が不十分

空調設備や暖房設備不足により室内が寒くなる場合もあります。空調設備・暖房設備にはそれぞれ対象の畳数が定められており、吹き抜けのあるような開放的な部屋では、さらにハイパワーな設備が必要です。
また、住宅の構造が木造かコンクリート造かによっても部屋の暖まり方が変わります。

日当たりが悪い

日当たりが悪い住宅は陽の光で家全体が暖まりにくく、特に冬には寒さを感じやすくなります。太陽の動きは季節により異なりますが、南向きの住宅であればどの季節も暖かく過ごしやすくなります。

住宅の方角と日当たりの関係については、こちらの記事でまとめています。

暖かい家づくりのメリット

暖かいマイホームには、冬を快適に過ごせること以外にも次のようなものがあります。

光熱費を節約できる

冬の暖房設備には一年の中でも特に光熱費がかかるため、暖かい住宅に暮らせば冬の暖房設備にかかる光熱費を節約することができます。

ヒートショックを予防できる

ヒートショックは、急激な気温の変化に血圧が上下し、心臓や血管に問題が発生する疾患です。
ヒートショックが起こりやすい代表的なタイミングが入浴です。自室やリビングなどの暖かい部屋から寒い脱衣所に移動し服を脱ぎ、さらに寒い浴室に移動し、湯船で体を暖めるという一連の行動には、温度差によるヒートショックの危険が多く潜んでいます。
暖かい家なら脱衣所や浴室の温度が下がり過ぎず、ヒートショックのリスクを下げることができます。

防音効果が高くなる

前述のとおり、暖かい家は気密性が優れていることから、防音効果も高くなります。
近隣の騒音や自宅から音が漏れてしまう心配が少なく、快適に過ごすことができます。

結露による建材の劣化を防ぐ

結露は暖められた空気が冷やされることで発生します。結露が住宅の建材を湿らせてしまうとカビや湿気の影響で住宅の劣化が進みやすくなります。そのため、結露を予防するためには、家の中で低温部分を作らないことが大切です。気密性と断熱性が高い住宅は低温部分を少なくできるため、結露防止効果も得ることができます。

暖かい家づくりのポイント

暖かい家づくりには、以下のポイントを参考として取り入れましょう。

気密性を高くする

気密性を高くするためには、住宅の建設工程で隙間ができやすい箇所に気密処理を施したり、開口部に気密性の高いサッシやドアを採用したりしましょう。また、引き違い窓は室内の気密性を下げてしまうため、設置する際は気密性の高い窓を採用し対策を取りましょう。

断熱性を高くする

住宅の断熱性を高くするためには、断熱性能が高い断熱材、窓やサッシなどを活用しましょう。
住宅の断熱方法は大きく分けて「外張り断熱工法」「充填断熱工法」の2種類があります。外張り断熱工法は建物全体を断熱材で包む、充填断熱工法は建物の内側の壁内に断熱材を詰め込む、と説明するとイメージしやすいでしょう。

換気性能を高くする

高気密高断熱の住宅は、そのデメリットから高い換気性能が必要になります。
詳しくは下記の記事で説明しています。

暖かい床材を選ぶ

床材の中には、触れるとひんやりと感じるものや、柔らかく暖かみを感じるものなどさまざまな種類があります。冬の足元の寒さを和らげたい場合には、暖かい床材を選択しましょう。

シーリングファンを使用する

吹き抜けのある部屋など、空間が広い部屋の冷暖房効率は下がりやすくなりますが、シーリングファンを設置して空気を循環すれば、冷暖房効率の問題をクリアできます。特に冬は暖められた空気が上に、冷えた空気が下に停滞しやすいため、シーリングファンが効果的です。

全館空調を取り入れる

全館空調とは、住宅全体の空気を循環させて適温に調整する空調システムのことです。屋根裏などに大型の空調設備を設置して、1箇所で全ての部屋の温度を管理します。
全館空調であれば、廊下や脱衣所なども適温に保つことができるため、どの部屋でも快適な温度で過ごすことができます。また、ヒートショックのリスク軽減にも効果があります。

間取りを工夫する

間取りの工夫次第で、住宅の寒さを改善することもできます。
空調効率を上げるために、入り組んだ形ではなくシンプルな間取りを意識し、リビング階段や吹き抜けなどの室温調整に時間がかかる間取りの導入を控えるなどがその例です。

自然光を取り入れる

自然光を多く取り入れられる住宅は暖かく、日中に暖まった空気で、夜も快適に過ごせます。特に南側にダイニングやリビングなど住宅の中心部を設置すれば、より多くの自然光を取り入れることができます。

木造建築にする

木材は金属やコンクリートと比較して熱伝導率が低く断熱性が高いという特徴を持っています。
また、木材は空気中の水分を吸収・放出する湿度調節機能も備えており、乾燥しやすい冬でも部屋を過ごしやすい湿度に調整してくれます。

床暖房を取り入れる

足元の冷えが気になる方には床暖房がおすすめです。
暖かい空気は上昇するという性質がありますが、床暖房は足元をしっかり暖めることが可能です。

暖かい家のデメリット

暖かい家にはメリット以外にいくつかのデメリットも存在します。

匂いや熱気がこもりやすい

暖かい家にするためには気密性を上げることが必要ですが、そのため住宅内の熱気や匂いがこもりやすくなってしまいます。解決策として換気システムを活用し、空気を循環させる必要があります。

換気しないと内部結露が起こる

気密性断熱性の高い家では、換気不足が原因で、壁や床などの中で内部結露が起こる可能性があります。
内部結露はカビの原因になることから、適切な換気を怠らないよう注意してください。

空気が乾燥しやすい

高気密高断熱の住宅で冷暖房を使用すると、湿度が下がり乾燥しやすいというデメリットがあります。
乾燥が気になる方は、加湿器などで乾燥対策をしましょう。

石油ストーブなどの暖房器具が使用できない

気密性が高い住宅では石油ストーブやガスファンヒーターの使用ができません。
これらを連続して使用すると、室内の二酸化炭素濃度が上昇し酸欠になる恐れがあります。また、不完全燃焼を起こした場合には、一酸化炭素中毒を引き起こしてしまいます。
気密性の高い住宅では、石油ストーブやガスファンヒーターなどの使用は避けてください。

コストがかかる

断熱性能が高い断熱材や気密性を高めるための処理には多くのコストがかかり、そのため高気密高断熱住宅は一般的な住宅よりも建築コストが高くなります。
初期費用は高くなりますが、高気密高断熱住宅では光熱費を節約する効果が得られるため、長期的な目線で導入を検討すると良いでしょう。

まとめ

暖かいマイホームでは、冬でも光熱費が上がり過ぎる心配がなく、快適な室温で過ごすことができます。
暖かい暮らしを実現できる高気密高断熱の住宅は、外気温の影響を受けにくいため夏の暑さ対策にも適しています。また、防音性にも優れており生活音に対する心配も少なくなります。
この記事を参考に、家族が快適かつ健康的に過ごせる環境について考えてみましょう。

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山根木材メディア編集部

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