「広島でそろそろマイホームを…」と考え始めたとき、まず気になるのは「費用」ではないでしょうか。
無理のない予算を立てるうえで、家の購入にかかる費用を把握しておくことは重要です。
特に注文住宅を検討する場合、希望するエリアの土地価格や建築費用の相場を事前に知っておく必要があるでしょう。
本記事では、広島県内のエリア別の土地価格の目安や、注文住宅の建築費用の相場を紹介しつつ、限られた予算でも理想の住まいを実現するためのポイントをわかりやすく解説します。
広島で注文住宅を建てると、どのくらいの費用がかかる?
注文住宅の総費用を把握するには、「建物本体の価格」だけでなく、「土地代」や「付帯工事費」、「各種諸費用」などを含めたトータルコストをつかむことが大切です。
ここでは、まず広島県内における建物と土地それぞれの価格相場を解説します。
広島県の建築費用の目安
国税庁が公表している「住宅(非業務用資産)」の1㎡あたりの工事費用データによると、構造ごとの全国平均と広島県の相場は以下の通りです。
木造 | 鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造 | 鉄筋コンクリート(RC)造 | 鉄骨造 | |
全国平均 | 20万7,000円 | 31万8,000円 | 30万4,000円 | 29万4,000円 |
東京都 | 21万7,000円 | 34万9,000円 | 38万5,000円 | 35万4,000円 |
広島県 | 20万7,000円 | 31万8,000円 | 30万4,000円 | 31万円 |
出典:地域別・構造別の工事費用表(1m2当たり)【令和6年分用】
東京都はすべての構造で全国平均を上回っているのに対し、広島県は鉄骨造を除き全国平均レベルとなっています。
ただし、国税庁の資料には「該当する都道府県の工事費用が全国平均を下回る場合は、全国平均の工事費用を用いています」という注意書きがあるため、実際はもう少し安くなる可能性もあると考えられます。
【構造別】延べ床面積100㎡(約30坪)の建築費シミュレーション
建築面積の目安としてよく使われる「延べ床面積100㎡(約30坪)」で試算すると、構造ごとの建築費は以下のようになります。
- 木造:20.7万円×100㎡=約2,070万円
- SRC造:31.8万円×100㎡=約3,180万円
- RC造:30.4万円×100㎡=約3,040万円
- 鉄骨造:31.0万円×100㎡=約3,100万円
もちろん、間取りの工夫・設備グレード・デザイン性によって実際の費用は大きく変動しますが、上記はあくまでも「構造ごとの基準価格」として参考にしてください。
広島市の土地価格の相場をエリア別に解説
注文住宅を建てる際に大きなウエイトを占めるのが「土地代」です。
広島市内でも区ごとに環境や利便性が異なるため、坪単価にも明確な違いが見られます。
土地価格の目安を知っておくことで、予算に合ったエリアを絞り込みやすくなるため、事前に相場を調べておくことが重要であり、後悔しない家づくりの第一歩といえるでしょう。
以下にまとめたのは、2025年7月現在の区ごとの坪単価相場です。
商業地域や工業地域など、住居専用地域以外の用途地域も含んだ平均価格であることを踏まえ、参考にしてください。
広島市内エリア | 坪単価 |
中区 | 約120~130万円 |
東区 | 約40~45万円 |
南区 | 約90~100万円 |
西区 | 約70万円 |
安佐南区 | 約30~40万円 |
安佐北区 | 約20万円 |
安芸区 | 約20万円 |
佐伯区 | 約40~45万円 |
価格差のポイント|高価格帯とコスパ重視エリア
- 中区:八丁堀・紙屋町などの中心市街地を含み、県内でもトップクラスの高価格エリアです。
利便性重視の方に人気。 - 南区・西区:広島駅や宇品方面へのアクセスが良く、生活利便性と価格のバランスが取れたエリア。
- 東区・佐伯区:中心部からはやや離れるものの、比較的アクセスも良好で価格も抑えやすい傾向があります。
- 安佐南区・安佐北区・安芸区:郊外型エリアとして、土地価格を抑えて広めの敷地を確保しやすいのが特徴です。
なお、希望するエリアが具体的に決まっている場合は、国土交通省が提供する「不動産情報ライブラリ」を活用するのがおすすめです。
実際の不動産取引価格や成約価格などが地図上でピンポイントに確認できるため、相場より高すぎる・安すぎる物件の見極めにも役立ちます。
広島市郊外の土地価格の相場は?人気エリアの傾向をチェック
広島市中心部に比べて、郊外の土地は比較的手の届きやすい価格帯となっています。
ただし、エリアによって住環境が大きく異なるため、土地選びには事前の情報収集が欠かせません。
例えば、廿日市市や安芸郡(府中町・海田町など)は、郊外にありながらも広島市中心部へのアクセスが良好なため、住宅地としての需要が高く、土地価格は広島市内の一部エリアとほぼ同じ水準で安定傾向にあります。
2025年7月時点の広島県内郊外エリアの坪単価の目安は以下の通りです。
広島県内郊外エリア | 坪単価 |
福山市 | 約20万円 |
東広島市 | 約15万円 |
廿日市市 | 約30万円 |
安芸郡 | 約40万円 |
※価格は住居系用途地域を中心とした一般的な目安です
各エリアの特徴は後ほど紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
建物・土地以外にも費用がかかる!注文住宅の「見落としがちなコスト」とは?
注文住宅を検討する際、建物本体や土地の費用ばかりに目が行きがちですが、「その他の費用」も見落とせません。
その他の費用としては、主に以下が挙げられます。
総額の2~3割を占めるため、予算オーバーを防ぐためにも事前に把握しておくことが大切です。
【付帯工事費】
整地や地盤改良、電気・ガス・水道の引き込みなど、敷地の準備や生活に必要なインフラ整備にかかる費用が含まれます。
土地の条件によって費用が大きく変動するため、現地調査後の見積もりを確認することが重要です。
【外構費】
門扉・フェンス・駐車スペース・アプローチなど、建物の外まわりにかかる工事費です。
デザイン性の高い外構を目指した場合、100万~200万円以上かかることも少なくありません。
家の印象を左右する部分なので、建物と同時にプランニングしておくと失敗しにくくなります。
【諸費用】
登記費用・住宅ローン事務手数料・火災保険など、契約や申請に必要なさまざまな費用のことを指します。
住宅の規模や借入額などによって異なりますが、目安は「土地代+建築費用の10~12%程度」です。
現金での支払いが求められるものもあるため、あらかじめ準備しておく必要があります。
広島県で注文住宅を建てるなら?人気のエリア5選を紹介
広島県には、利便性と自然環境のバランスが取れた魅力的な地域が点在しています。
ここでは、注文住宅を検討する方から注目を集めている広島県の人気エリア5選を、特徴とともにご紹介します。
都市の魅力を兼ね備えた「広島市」
広島県内でやはり人気が高いのは、県庁所在地である広島市です。
特に通勤・通学の利便性を重視する場合、広島市を第一候補にする方が少なくありません。
中心部の中区・南区は、JRや広島電鉄など交通網が充実しており、通勤・通学・買い物すべてにおいてスムーズです。
また、安佐南区や佐伯区は落ち着いた住宅街で、保育園や学校も多く、子育て世帯から高い支持を得ています。
市内にはショッピングモールや病院、教育施設などが集まり、生活の利便性は抜群です。
一方で、都市部ながらも緑豊かな景観が多く、自然を感じながら暮らせる点も魅力です。
土地価格はやや高めですが、利便性と将来の資産価値を見据えた家づくりを目指す方にとって、広島市は理想的な選択肢といえるでしょう。
さらに詳しい広島市の魅力を知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
子育て世代に人気のベッドタウン「東広島市」
東広島市は、広島市へのアクセスが良好でありながら、落ち着いた住環境が魅力のエリアです。
JR西条駅から広島駅までは電車で約35分と、通勤・通学に便利で、共働き世帯にも嬉しい立地といえます。
また、広島大学を中心に教育環境が整っており、文教地区としても人気が高いエリアで、子育て支援や補助金制度も整っているため、若いファミリー世帯の転入が増えています。
市内には比較的新しい住宅地が多く、広島市に比べて土地価格も抑えやすいため、コストパフォーマンスの良い家づくりが可能です。
注文住宅を検討するファミリー層におすすめの注目エリアといえます。
以下の記事では、東広島市の住みやすさについて詳細に解説しています。ぜひ参考にしてください。
自然と都市機能のいいとこ取りの「廿日市市」
世界文化遺産「宮島」を擁する廿日市市は、海と山に囲まれた自然豊かな環境が魅力です。
JRと広島電鉄の2路線が利用できるため、広島市中心部への通勤・通学に不便はありません。
商業施設や病院などの生活インフラも整っており、日常生活に不便を感じにくいでしょう。
自然を身近に感じながら、都市の便利さもあきらめたくない方には理想的なエリアといえます。
また、廿日市市は未就学児の医療費助成や子育て支援施設が充実しており、子育てしやすい街としても注目を集めています。
詳しくは、下記の関連記事にてご確認ください。
利便性と価格のバランスが魅力の「福山市」
広島県東端に位置する福山市は、広島市に次ぐ人口を誇る中核都市で、新幹線の停車駅があるため交通アクセスの良さは県内屈指です。
エリアによっては大型商業施設や病院、学校が徒歩圏にまとまっており、子育て世帯にとって暮らしやすい環境が整っています。
また、岡山県に隣接し、広域での通勤・通学や買い物にも便利な立地です。
便利さと落ち着いた住環境の両方を求めたいファミリー層にとって、福山市はバランスのとれた魅力的な住宅地といえるでしょう。
福山市の土地価格や建築費は、広島市中心部に比べると低めの水準です。
そのため、ファミリー層はもちろん、広島県内でコストを意識しながら家づくりを進めたい方におすすめのエリアでもあります。
福山市の魅力や住みやすさについての詳細は、以下の記事を参考にしてください。
広島市に近く、静かな暮らしが叶う「安芸郡」
府中町・海田町などを含む安芸郡は、瀬戸内海の美しい景観と静かな住環境が魅力のエリアです。
広島市に隣接しており、通勤・通学の利便性が高い一方で、都市の喧騒を離れて自然を感じながら穏やかに暮らせる環境が整っています。
近年、住宅地の整備が進む安芸郡は、広島市中心部よりも土地価格を抑えつつ、広めの敷地を確保しやすいというメリットがあります。
便利さと落ち着いた暮らしを両立したい方には、ぴったりの選択肢といえるでしょう。
下記の記事では、安芸郡熊野町にスポットをあてて、その魅力を詳しく紹介しています。
あわせてお読みください。
【広島版】注文住宅の予算はどうやって決める?3つの考え方
広島で理想の注文住宅を建てたいけれど、自分たちで決めることが多いため、予算を立てるにしても何を基準にすればいいのか悩みがちです。
ここでは、広島で注文住宅の予算を組む際に押さえておきたい3つの視点を分かりやすく解説します。
月々の返済額から逆算する
注文住宅の予算を考える際は、「いくら借りられるか」ではなく、「広島での暮らしを楽しみながら、いくら返せるか」を基準にすることが重要です。
借入額は年収の5〜6倍以内が安心とされており、年収500万円なら2,500万〜3,000万円が目安となります。
さらに注目すべきは返済負担率です。
これは年収に対する年間返済額の割合を示し、手取り収入の25%以内に抑えるのが理想です。
自動車ローンなど他の借入も含まれるため、全体の負債を把握して計画を立てる必要があります。
この返済負担率は広島県内の金融機関の審査でも重視され、35%を超えると融資が難しくなる可能性が高まります。
住宅ローンは「借りられる額」ではなく、返済しながら「豊かな暮らしを続けられる額」で考えるようにしましょう。
建物と土地の費用バランスを考慮する
広島で注文住宅の予算を考えるとき、建築費と土地購入費のバランスは、「6:4」または「7:3」がベストとされています。
広島はエリアによって土地の価格も大きく異なるため、このバランスは特に重要です。建物に予算をかけすぎると土地選びや外構工事などに影響が出てしまい、逆に土地に予算をかけすぎると建物に十分なコストをかけられなくなる可能性があります。
後悔の少ない家づくりを実現するには、「広島のどこで、どんな暮らしをしたいか」を家族で話し合い、あらかじめ優先順位を決めておくことが大切です。
将来のライフプランを見据えた計画を立てる
注文住宅の予算は、現在の生活だけでなく、将来のライフプランも見据えた計画を立てることが大切です。
例えば、広島での子育てにともなう教育費の増加や、車の買い替え、家のメンテナンス費用など、今後必要になる出費を見越しておく必要があります。
また、住宅ローン完済後の老後の暮らしまで考慮できると、より安心感のある家づくりにつながります。
初めから「今」と「これから」の両方を意識することで、資金面での不安を軽減し、広島で長く快適に暮らせる住まいを実現できるでしょう。
広島で理想の注文住宅を予算内に!コストを賢く抑える3つの工夫
注文住宅は自由度が高い反面、つい予算オーバーしがちです。
そこで、予算内で理想のマイホームを実現するために意識したい3つの工夫をご紹介します。
広島での家づくりを検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
土地代を抑えるためにエリア選びを見直す
注文住宅の総費用のうち、大きな割合を占めるのが土地代です。希望のエリアにこだわりすぎると予算を圧迫してしまうため、一度視野を広げてエリアを見直してみましょう。
例えば、広島市中心部やその周辺の人気エリアは利便性が高い一方で、土地価格も高くなる傾向があります。
もし予算に合わない場合は、東広島市や廿日市市、安佐南区・安佐北区といった周辺エリアまで視野を広げることで、費用を抑えながら条件に合った土地を見つけやすくなります。
通勤・通学時間や子育て環境など、ご家族の暮らし全体のバランスを考えながら、柔軟にエリアを検討することが、後悔しない土地選びのポイントです。
コンパクトな間取りと標準設備で無駄を省く
注文住宅の打ち合わせでは夢が膨らみ、気づけば予算オーバーになってしまうケースは珍しくありません。広島で賢く予算内に収めるには、「自分たちの家族にとって本当に必要なものは何か」を見極めることが大切です。
将来使わない可能性のある部屋は作らず、間取りをコンパクトにする
キッチンやお風呂などの設備・仕様は、まず標準グレードで検討する
このように、無駄を一つひとつ省いていくことが着実なコストダウンに繋がります。
流行のデザインに左右されるのではなく、自分たちの暮らしに本当にフィットするかどうかを軸に、「これが私たちの“ちょうどいい家”」と思える家づくりを目指しましょう。
地元・広島に強い住宅会社に相談する
予算のことは後回しにしがちですが、家づくりを成功させるためには、できるだけ早い段階でプロに相談することが重要です。特に土地探しから始める場合は、広島の地域に根ざした工務店や住宅会社を選ぶことを強くおすすめします。
温暖な瀬戸内式気候といった広島の気候や土地事情に精通している会社なら、ネットの情報だけでは分からないリアルなアドバイスが期待できます。
例えば、ハザードマップを基にした災害リスクの少ない土地選びのサポートや、広島県・各市町が設けている補助金制度の活用など、地元に精通した会社だからこそできる有益な提案は少なくありません。
まずは複数の会社に話を聞いてみて、信頼できるパートナーを見つけることから家づくりを始めてみましょう。
山根木材ホームで「ちょうどいい」予算で、「ずっと心地よい」暮らしを手に入れよう
注文住宅の予算を考える際は、土地・建物だけでなく諸費用も含めたトータルでの資金計画が大切です。予算の決め方に正解はありません。
家族の理想の暮らしを実現するために、どこにいくら使うのかを考えていきましょう。
迷ったときや不安なときは、信頼できるパートナーに相談するのが一番の近道。
一緒に考えてくれるプロがいれば、予算づくりも家づくりも、きっと前向きに進められるはずです。
広島の家づくりは、地域密着の山根木材ホームへ
広島県での家づくりを考えているなら、地元を熟知した山根木材ホームに相談してみませんか?
お客様一人ひとりのライフスタイルやご要望を丁寧にヒアリングし、将来の暮らしまで見据えた無理のない資金計画とプランをご提案。
土地探しから設計・施工まで一貫してサポートできるからこそ、「ちょうどいい予算」で「ずっと心地よい暮らし」が実現できます。
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