「古くなったバルコニーをきれいにしたい」「洗濯物を干すスペースが狭くて不便…」など、バルコニーに関するお悩みはありませんか。
バルコニーは紫外線や雨風に常にさらされるため、年月と共に劣化が進みやすい場所です。
リフォームを考え始めたとき、多くの方が一番気になるのが「一体いくらかかるのだろう?」という費用のことではないでしょうか。
この記事では、リフォームの専門家である山根木材が、バルコニーリフォームの費用相場を種類別・工事内容別に徹底解説します。
さらに、おしゃれな施工事例や、後悔しないための注意点、費用を抑えるコツまで、リフォーム初心者のあなたが知りたい情報を網羅しました。
この記事を読めば、ご自宅のバルコニーリフォームに必要な費用の目安がわかり、安心して計画の第一歩を踏み出せるようになります。
バルコニー・ベランダ・テラスの違いとは?

リフォームの話を進める前に、よく似た言葉の違いを簡単に整理しておきましょう。
「バルコニー」は、一般的に2階以上にある、屋根のない屋外スペースを指します。
一方、「ベランダ」はバルコニーと同じく2階以上にありますが、屋根があるのが大きな違いです。
そして、1階の掃き出し窓などの前に設けられたスペースは「テラス」と呼ばれます。
屋根の有無が大きな違いですが、リフォームの工事内容や費用感には共通点も多いため、この記事ではベランダのリフォームも含めて広く解説していきます。
バルコニーリフォームの種類別費用相場【総額がわかる】

バルコニーリフォームは、やりたいことによって費用が大きく変わります。
まずは「どのようなリフォームをすると、総額でいくらくらいかかるのか」という全体像をつかみましょう。
全体リフォームの費用 30万円~100万円
既存のバルコニーの床や手すりなど、劣化した部分を一新するリフォームです。
広さや使用する材料のグレードによって費用は変動しますが、一般的な戸建て住宅の場合、30万円から100万円程度が目安となります。
床の防水工事や塗装、ひび割れの補修、古くなった手すりの交換などが主な工事内容です。
今のバルコニーの広さや形は変えずに、安全性と見た目を新築同様に回復させたい場合におすすめです。
後付け・新設の費用 50万円~150万円
現在バルコニーがない場所に、まったく新しくバルコニーを設置するリフォームです。
2階の窓の外などに新たな空間を作り出します。
建物の壁に固定する方法や、地面から柱を立てて支える方法などがあり、建物の構造や設置するバルコニーのサイズによって費用が大きく異なります。
洗濯物を干す場所を確保したい、部屋からの眺めを良くしたい、といったご要望を叶えるリフォームで、費用は50万円から150万円程度が目安です。
増築・拡張の費用 40万円~200万円
今あるバルコニーの奥行きや幅を広げて、より大きくするリフォームです。
「ベランダが狭くて使いにくい」というお悩みを解決できます。
既存のバルコニーの構造を活かしつつ拡張する場合や、一度解体して新しく作り直す場合など、工法は様々です。
広くしたスペースでガーデニングを楽しんだり、テーブルセットを置いてくつろいだりと、活用の幅が大きく広がります。
費用の目安は、拡張する面積や工法に応じて40万円から200万円程度です。
【工事内容別】バルコニー・ベランダリフォームの費用内訳

次に、具体的な工事内容ごとの費用内訳を見ていきましょう。
総額がどのような工事費で構成されているかを知ることで、リフォーム計画が立てやすくなります。
防水工事 5万円~30万円
バルコニーの床は、建物を雨漏りから守るための防水機能が非常に重要です。
この防水層は紫外線などの影響で10年~15年ほどで劣化するため、定期的なメンテナンスが欠かせません。
ひび割れや塗装の剥がれを放置すると、雨漏りの原因となり、大規模な修繕が必要になることもあります。
主な防水工事には以下の種類があり、一般的な戸建てのバルコニー(5~10㎡)であれば、総額で5万円~30万円程度が目安です。
| 防水加工の種類 | メリット・デメリット |
| ウレタン防水 | 【メリット】 ・コストを抑えられる ・複雑な形状のバルコニーでも使用可能 ・継ぎ目ができにくい 【デメリット】 ・定期的なトップコートの塗り替えが必要 ・乾燥に時間がかかり工期がやや長め |
| FRP防水 | 【メリット】 ・強度・耐水性・耐熱性・耐久性が優れている ・速乾性で工期が短い ・軽量で建物への負担が少ない 【デメリット】 ・コストが比較的高め ・硬化時の臭いが強い ・ひび割れしやすい場合がある |
床材の交換・重ね張り 5万円~40万円
バルコニーの印象を大きく変えるのが床材です。
防水工事と合わせて床材も新しくすることで、見た目も機能性も向上します。
代表的な床材には、温かみのある「ウッドデッキ」、高級感のある「タイル」、メンテナンスが容易な「長尺シート」などがあります。
費用は5万円~40万円程度が目安です。
例えば、既存のコンクリート床の上にウッドデッキパネルやタイルを敷くだけであれば費用を抑えられますが、下地から作り直す場合は高くなります。
特に、木製の床が腐食してしまった場合は、早急な交換が必要です。
素材によってメンテナンス方法も異なるため、デザインの好みだけでなく、日頃のお手入れのしやすさも考えて選ぶことが大切です。
それぞれの素材にメリット・デメリットがあるため、専門家と相談しながら、ご自身のライフスタイルに合ったものを選びましょう。
手すり・柵の交換 10万円~50万円
手すりや柵は、バルコニーの安全性を確保するために最も重要な部分です。
グラつきやサビ、腐食が見られる場合は、大きな事故につながる前に交換を検討しましょう。
手すりの素材には、錆びにくく比較的安価な「アルミ」、デザイン性が高くおしゃれな「スチール(アイアン)」、木のような質感で耐久性の高い「樹脂木」などがあります。
費用は10万円~50万円程度が目安です。
デザインだけでなく、小さなお子様がいるご家庭では、落下防止のために格子の隙間が狭いものや、視界を遮らないガラスパネルを選ぶなど、安全性やプライバシーへの配慮も重要になります。
手すりを交換するだけでもバルコニーの雰囲気は一新されるため、外観のデザイン性を高めたい方にもおすすめのリフォームです。
屋根・テラスの設置 15万円~40万円
屋根のないバルコニーに後から屋根を設置するリフォームも人気です。
屋根があれば、急な雨でも洗濯物が濡れる心配がなくなり、強い日差しを和らげる効果もあります。
屋根の素材として一般的なのは「ポリカーボネート」で、耐久性が高く、紫外線をカットする機能や熱を遮る機能が付いたものもあります。
費用はバルコニーのサイズや屋根のグレードによりますが、15万円~40万円程度で設置可能です。
屋根を設置することで、バルコニーが天候に左右されない便利な空間に変わります。
物干しスペースとしてだけでなく、趣味やくつろぎの場としても活用しやすくなるでしょう。
【費用・目的別】バルコニーリフォームのおしゃれな施工事例

言葉や数字だけでは、なかなかイメージが湧きにくいかもしれません。
ここでは、費用や目的別のリフォーム事例をご紹介します。
50万円以下の部分補修・防水リフォーム事例
築15年の一戸建てにお住まいのご家族からのご相談です。
「バルコニーの床の塗装が剥がれ、ひび割れから雨水が染み込んでいる気がする」というお悩みを解決するため、防水工事を実施しました。
既存の防水層の状態を調査したところ、比較的軽微な劣化であったため、上から新しい防水層を重ねる「ウレタン防水の密着工法」をご提案。
床面積8㎡のバルコニーで、高圧洗浄、下地処理、ウレタン防水塗装の工程を経て、工期は3日間で完了しました。費用は約25万円。
ひび割れによる雨漏りの不安がなくなり、見た目も美しいグレーの床に生まれ変わりました。
このように、床の腐食が本格的に進む前のメンテナンスとして防水工事を行うことで、費用を抑えつつ建物の寿命を延ばすことができます。
50万円~100万円の床材交換・拡張リフォーム事例
「洗濯物を干すスペースが狭く、古くなったアルミ製のバルコニーの見た目も変えたい」というご要望を受け、既存のバルコニーを一部拡張し、床材を温かみのあるウッドデッキに変更するリフォームを行いました。
2階リビングから続くバルコニーの奥行きを約50cm拡張し、床材にはメンテナンスが容易な人工木のウッドデッキ材を採用。
手すりも視界が抜けるシンプルなデザインのものに交換しました。
工事は既存バルコニーの一部解体を含め約5日間、費用総額は約80万円です。
リフォーム後は、洗濯物を干すスペースが格段に広くなっただけでなく、リビングの延長としてテーブルと椅子を置いてくつろげる、おしゃれなプライベート空間が誕生しました。
ベランダを広くするリフォームでは、このように床材や手すりを一緒に変更することで、機能性とデザイン性を同時に高めることが可能です。
100万円以上のおしゃれな後付け・増築リフォーム事例
これまで2階にバルコニーがなかったお住まいに、新しいバルコニーを後付け(新設)した事例です。
「子供部屋の前に、布団も干せる広いバルコニーが欲しい」というご希望から、柱で支えるタイプのアルミ製バルコニー(柱建て式)を設置しました。
サイズは幅3.6m×奥行1.8mの広々としたもので、床材は汚れが目立ちにくいグレーのデッキ材を選択。
突然の雨にも対応できるよう、UVカット機能付きのポリカーボネート屋根も取り付けました。
壁の強度調査や設置工事、屋根の取り付けまで含めて工期は約1週間、費用は130万円です。
このリフォームにより、洗濯や布団干しが非常に楽になったと大変喜んでいただけました。
100万円以上のご予算をかけることで、何もない場所に新たな生活空間を生み出す、大規模な増築リフォームが実現できます。
バルコニーの後付け・増築で後悔しないための3つの注意点
バルコニーの後付けや増築は、家の外観や構造に関わる大きなリフォームです。
計画を進める前に、知っておくべき法的な注意点があります。
建築確認申請が必要なケース
バルコニーのリフォーム内容によっては、工事を始める前に役所に「建築確認申請」という書類を提出し、許可を得る必要があります。
特に、床面積が10㎡を超える増築を行う場合や、お住まいが「防火地域」「準防火地域」に指定されているエリアでの工事では、この申請が義務付けられています。
この申請を怠ると法律違反になる可能性があるため、必ずリフォーム業者に確認が必要です。
また、土地ごとに定められた「建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合)」や「容積率(敷地面積に対する延べ床面積の割合)」の制限を超えないように設計する必要もあります。
建物の強度・耐震性の確認
バルコニーを後付けしたり増築したりするということは、既存の建物に新たな重さが加わるということです。
特に、柱を立てずに建物の壁だけでバルコニーを支える「持ち出し式」の場合は、外壁に十分な強度があるかどうかの確認が不可欠です。
専門家による事前の調査や構造計算をせずに工事を進めてしまうと、建物の耐久性や耐震性に深刻な影響を及ぼす危険性があります。
安全に関わる最も重要なポイントですので、経験豊富なリフォーム業者にしっかりと現地調査をしてもらい、建物に負担のかからない最適な工法を提案してもらうことが大切です。
安易な自己判断は絶対に避け、プロの意見を必ず聞くようにしてください。
固定資産税への影響
リフォームによって「家屋」と見なされる部分が増えると、毎年の固定資産税の額が変わる可能性があります。
屋根や壁のない通常のバルコニーやウッドデッキは「家屋」には該当しません。
しかし、例えばガラスなどで屋根と三方向以上の壁に囲まれた「サンルーム」を設置する場合、これは建築基準法上の「部屋」として扱われ、家屋の一部と見なされます。
その結果、建物の延べ床面積が増え、固定資産税の課税対象となります。
どのようなリフォームが課税対象になるか不明な場合は、事前にリフォーム業者や自治体の税務課に確認しておくと安心です。
失敗しない業者選びと費用を抑えるコツ
納得のいくバルコニーリフォームを実現するためには、信頼できるパートナー(業者)選びと、賢い情報収集が鍵となります。
優良リフォーム業者の3つの見極め方
大切な住まいのリフォームを任せる業者選びは非常に重要です。
後悔しないために、少なくとも3つのポイントを確認しましょう。
1つ目は「建設業許可や関連資格の有無」です。
500万円未満の工事では必須ではありませんが、許可を持っている業者は一定の基準を満たした信頼の証となります。
また、「建築士」や「施工管理技士」などの資格者が在籍しているかも確認しましょう。
2つ目は「バルコニーや外構工事の実績」です。
会社のウェブサイトで、自分たちが希望するリフォームに近い施工事例が豊富に掲載されているかチェックします。
実績が多いほど、様々な状況に対応できるノウハウが期待できます。
3つ目は「担当者との相性と提案力」です。
こちらの要望を丁寧にヒアリングし、専門的な視点からメリット・デメリットを含めた具体的なプランを提案してくれるかどうかが重要です。
安心して相談できるパートナーを見つけましょう。
複数社への相見積もりで費用を比較
バルコニーリフォームの費用を適正な価格で実施するためには、必ず2~3社から見積もり(相見積もり)を取ることを強くおすすめします。
1社だけの見積もりでは、その金額が高いのか安いのかを判断することができません。
複数の業者を比較することで、ご自身の希望するリフォーム内容の費用相場が具体的にわかります。
相見積もりを依頼する際は、各社に同じ希望(サイズ、使用したい素材、解決したい課題など)を伝えることが重要です。
条件が揃っていないと、正確な比較が難しくなります。提出された見積書は、総額だけでなく「仮設足場」「解体工事」「材料費」「施工費」といった項目ごとの内訳をしっかり確認しましょう。
「工事一式」のように詳細が不明な見積書を出す業者には注意が必要です。
手間はかかりますが、この比較検討が納得のいくリフォームを実現する鍵となります。
補助金・火災保険の活用
バルコニーリフォームでは、国やお住まいの自治体が実施している補助金や助成金制度を利用できる場合があります。
例えば、省エネ性能を高める目的で断熱効果のある屋根を設置する場合や、手すりの設置などバリアフリー化を目的とするリフォームが対象となることがあります。
制度の内容や申請条件は自治体によって異なるため、「お住まいの市区町村名 リフォーム 補助金」といったキーワードで検索するか、直接役所の担当窓口に問い合わせてみましょう。
また、台風や強風、大雪といった自然災害によってバルコニーが破損した場合は、ご加入の火災保険が適用される可能性があります。
例えば「台風で手すりが飛んでしまった」「雪の重みで屋根が破損した」といったケースです。
まずはご自身が契約している保険会社に連絡し、補償の対象となるか、申請に必要な書類(被害状況の写真や修理見積書など)を確認することが重要です。
まとめ
バルコニーのリフォームには、防水メンテナンスのような小規模なものから、後付けや増築といった大規模なものまで、様々な種類があります。
まずはご家族がバルコニーをどのように活用したいか、そしてリフォームにかけられる予算はどのくらいかをじっくり考えることが大切です。
この記事でご紹介した費用相場や工事の種類、事例を参考に、ぜひあなたのご家庭にぴったりのリフォームプランを検討してみてください。
バルコニーが単なる物干し場でなく、家族の憩いの場や趣味を楽しむ空間として生まれ変われば、毎日のおうち時間がもっと豊かになるはずです。
山根木材では「永く住み継がれる家づくり」を目指し、これまでに累積1万件を超える施工を手掛けてきました。
私たちはお客様の住まいと暮らしに寄り添うライフパートナーとして、ご家族の思いに耳を傾け、ライフステージの変化も見据えた、お客様の暮らしに寄り添ったリフォームプランをご提案します。
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