「和室の押入れが、布団をしまわなくなった今となっては使いにくい…」 「奥行きが深すぎて、奥に入れたものが取り出せない」
昔ながらの押入れは、布団を収納するには最適なスペースですが、洋服や小物をしまうにはデッドスペースが多く、使い勝手の悪さを感じる方は少なくありません。結果として、普段使わない物の物置状態になり、収納が足りないと感じる原因にもなってしまいます。
そのお悩み、押入れを現代のライフスタイルに合わせたクローゼットにリフォームすることで解決できるかもしれません。
この記事では、押入れのリフォームにかかる費用相場から、おしゃれなリフォームを実現するためのデザインパターン、具体的な成功事例までを網羅的に解説します。さらに、リフォームで後悔しないための注意点や、信頼できる業者の選び方まで、専門家の視点で詳しくお伝えします。
あなたの家の押入れが、明日からもっと使いやすい、お気に入りの収納スペースに変わるヒントがきっと見つかります。
押入れリフォームの費用相場|クローゼット化は10万円から
押入れのリフォームを考えたとき、一番気になるのはやはり費用ではないでしょうか。ここでは、最も代表的な「クローゼット化」と「ウォークインクローゼット化」の費用相場、そして価格を左右するポイントについて解説します。
クローゼット化リフォームの費用 10万円~30万円
押入れを最も一般的なクローゼットにリフォームする場合の費用相場は、10万円から30万円程度です。これは押入れリフォームの中で最も人気が高く、多くのケースがこの価格帯に収まります。工事の内容は、主に以下の作業を含みます。
- 解体・撤去 押入れ内部の中棚や枕棚などを解体し、撤去します。
- 下地補強 ハンガーパイプを取り付けたり、重い衣類を収納したりするために、壁や天井、床の下地を補強します。元々押入れの床は人が乗ることを想定していないため、この補強は非常に重要です。
- 内部の造作 ハンガーパイプや可動式の棚板などを設置します。
- 内装仕上げ 壁や天井にベニヤ板を張り、その上からクロス(壁紙)を貼って仕上げます。床もクッションフロアやフローリング材を張ることで、見た目も美しく、掃除もしやすくなります。
- 扉の交換 既存の襖(ふすま)を、洋室に合う折れ戸や引き戸に交換します。
元の押入れの状態や、どこまでの工事を行うかによって費用は変動しますが、既存の構造を活かしたシンプルなリフォームであれば、比較的リーズナブルに実現可能です。
ウォークインクローゼット化の費用 20万円~50万円
押入れを拡張し、人が中に入れるウォークインクローゼット(WIC)にリフォームする場合、費用相場は20万円から50万円程度と少し高めになります。一般的な押入れの広さは約1畳(1.62㎡)ですが、ウォークインクローゼットとして快適に使うには2畳~3畳程度のスペースが必要になるためです。
このリフォームでは、前述のクローゼット化の工事に加えて、以下の作業が必要になる場合があります。
- 間取り変更 押入れに隣接する部屋の壁を解体・移動し、スペースを拡張します。
- 照明・換気設備の設置 内部を歩きやすく、また衣類を湿気から守るために、照明器具や換気扇の設置が必要になります。これには電気工事が伴います。
大容量の収納が実現し、衣替えの手間が省けるなど大きなメリットがありますが、家の構造によっては実現が難しい場合もあります。リフォーム会社と相談し、スペースと予算に合わせたプランを検討することが大切です。
費用を左右する3つのポイント
同じ押入れリフォームでも、費用に幅が出るのはなぜでしょうか。価格を左右する主なポイントは、以下の3つです。
1. 工事の規模
中棚を撤去するだけか、床や壁の補強まで行うか、さらには間取りの変更まで伴うかで工事の規模は大きく変わります。特に、壁の解体や下地の大規模な補強が必要な場合は、費用が高くなる傾向にあります。
2. 使用する建材や設備のグレード
扉の素材(木製、アルミ製など)、壁紙の機能性(消臭、調湿など)、設置する棚やハンガーパイプの品質によっても価格は変動します。例えば、LIXILの調湿機能付き壁材「エコカラット」など高機能な建材を選ぶと、快適性は向上しますが初期費用は上がります。
3. 依頼する業者の違い
リフォーム費用には、材料費や工事費のほかに、業者の経費や利益が含まれます。自社で職人を抱えている工務店か、下請け業者に発注するリフォーム会社かによって、中間マージンの有無などで費用が変わってくることがあります。
価格・目的別|押入れリフォーム成功事例15選
「実際にリフォームすると、どんな風に変わるの?」そんな疑問にお答えするため、費用や目的別に具体的なリフォーム事例を15件ご紹介します。(※以下の事例は説明のための架空のものです。写真はイメージです。)
【10万円台】扉交換と内部造作のシンプルリフォーム事例
【事例1】費用12万円|襖を折れ戸に変えてスッキリ洋室に
- 工期 2日間
- リフォームのポイント 既存の襖を、開閉スペースを取らない白い折れ戸に交換。内部は中棚をそのまま活かし、上段にハンガーパイプを追加して「掛ける収納」をプラスしました。
- お客様の声 「扉を変えただけで、和室の印象がガラッと変わって驚きました。洋服が掛けられるようになり、朝の身支度が楽になりました。」
【事例2】費用15万円|壁紙で遊ぶアクセントクローゼット
- 工期 3日間
- リフォームのポイント 押入れ内部の壁一面に、思い切った柄物のアクセントクロスを採用。扉を開けるたびに楽しい気分になれる、自分だけの特別な空間に。
- お客様の声 「どうせ見えない場所だから、と好きな壁紙を選びました。おかげで片付けのモチベーションが上がります。」
(他、10万円台の事例を3件追加)
【20万円台】中棚撤去を含む本格クローゼット化事例
【事例6】費用25万円|中棚撤去でロングコートも楽々収納
- 工期 4日間
- リフォームのポイント 使いにくかった中棚を完全に撤去し、床から天井までの広々とした空間を実現。2本のハンガーパイプを段違いに設置し、ロングコートやワンピースも楽々収納できます。床も補強し、フローリングに張り替えました。
- お客様の声 「丈の長い服の収納に困っていましたが、すべて解決しました。収納量が2倍になった感覚です。」
【事例7】費用28万円|可動棚でジャストサイズの収納を実現
- 工期 5日間
- リフォームのポイント 壁に棚柱を取り付け、収納するものに合わせて高さを自由に変えられる「可動棚」を全面に設置。衣類だけでなく、バッグや帽子、趣味の道具までスッキリ整理できます。
- お客様の声 「持ち物の量に合わせて棚を調整できるのが最高に便利です。デッドスペースが完全になくなりました。」
(他、20万円台の事例を3件追加)
【30万円以上】ウォークインクローゼットへの大規模リフォーム事例
【事例11】費用45万円|隣の収納と繋げて家族のファミリークロークに
- 工期 7日間
- リフォームのポイント 和室の押入れと、隣接する廊下の物入れの間の壁を撤去。一つの大きなウォークインクローゼット空間に統合しました。家族全員の衣類を一括管理できるファミリークロークとして活用。
- お客様の声 「各部屋にあったタンスが不要になり、部屋が広くなりました。家事動線もスムーズになり大満足です。」
(他、30万円以上の事例を2件追加)
【番外編】書斎やデスクスペースへの活用事例
【事例14】費用18万円|集中できる自分だけの籠り書斎
- 工期 3日間
- リフォームのポイント 押入れの中棚をカウンターデスクとして活用。壁にコンセントとダウンライトを新設し、PC作業も快適な空間に。扉を外してロールスクリーンを取り付け、使わない時は隠せます。
- お客様の声 「リモートワーク用のスペースができて本当に助かりました。リビングより集中して仕事に取り組めます。」
【事例15】費用22万円|趣味を楽しむミシンコーナー
- 工期 4日間
- リフォームのポイント 奥行きを活かして作業スペースの広いカウンターを造作。壁には糸や小物を収納できる有孔ボードを設置しました。手元を照らすライトも完備。
- お客様の声 「ずっと夢だった自分のアトリエができました。趣味の時間がもっと楽しくなりました。」
押入れリフォームの種類とデザインパターン
押入れのリフォームは、単にクローゼットにするだけではありません。扉のデザインや内部の構造を変えることで、機能性も見た目も大きく向上します。ここでは代表的な4つのデザインパターンをご紹介します。
開き戸・折れ戸で本格的な洋室クローゼット
和室の押入れを洋室に馴染む収納にしたい場合に最適なのが、扉を「開き戸」や「折れ戸」に交換する方法です。開き戸は最も一般的なドアのタイプで、折れ戸は扉が折りたたまれるため開閉に必要なスペースが少なくて済みます。扉の色やデザインを部屋のドアと合わせることで、空間に統一感が生まれます。特に、和室全体を洋室にリフォームする際には、この方法が最もおすすめです。元が押入れだったとは分からないほど、本格的なクローゼットに仕上がります。
中棚撤去でつくるウォークインクローゼット
とにかく収納量を最大限に増やしたいという方には、中棚を撤去してウォークインクローゼットにするリフォームが人気です。押入れの仕切りをすべて取り払うことで、床から天井までの空間を余すところなく活用できます。ハンガーパイプを上下2段に設置したり、壁一面に棚を設けたりと、レイアウトの自由度が高いのが魅力です。家族の衣類を一か所にまとめたり、季節家電やスーツケースなど大きなものを収納したりするのに非常に便利です。
扉をなくした見せるオープンクローゼット
部屋に圧迫感を出したくない、おしゃれな空間にしたいというニーズには、あえて扉をなくす「オープンクローゼット」がおすすめです。扉がない分、部屋が広く感じられ、風通しが良いので湿気がこもりにくいというメリットもあります。お気に入りの洋服やバッグを、まるでショップのディスプレイのように「見せる収納」として楽しめます。壁紙をアクセントクロスにしたり、照明にこだわったりすると、より一層おしゃれな空間になります。ただし、常に整理整頓が必要になる点と、来客時に中が見えてしまう点には注意が必要です。
襖を活かした和室用モダンクローゼット
和室の趣は残しつつ、収納の使い勝手だけを向上させたい場合は、既存の襖を活かす方法もあります。内部だけをクローゼット仕様にリフォームし、襖はそのまま使用すれば、費用を抑えつつ目的を達成できます。さらに一工夫するなら、襖紙をモダンなデザインや洋風の壁紙に張り替える「襖リメイク」も人気です。伝統的な和の雰囲気と、現代的なクローゼットの機能性を両立させた、新しいスタイルの和室収納が実現します。
DIYと業者依頼の比較|費用とメリット・デメリット
「少しでも費用を抑えたいからDIYでできないかな?」と考える方もいるでしょう。ここではDIYと業者依頼、それぞれの費用感とメリット・デメリットを比較します。
DIYの費用目安と可能な作業範囲
DIYで押入れをクローゼット風にリメイクする場合の費用目安は1万円~5万円程度です。ホームセンターで材料を揃えれば、比較的安価に挑戦できます。
DIYで可能な作業
- 既存の襖や中棚の撤去
- 壁紙(クロス)やリメイクシートの貼り付け
- 市販のハンガーラックや収納ケースの設置
- 簡易的なハンガーパイプや棚の取り付け
DIYのメリット・デメリット
- メリット なんといっても費用が安いこと。自分の好きなタイミングで、好みのデザインに挑戦できる楽しさもあります。
- デメリット 床や壁の強度補強は専門知識がないと難しく、安全面に不安が残ります。また、仕上がりのクオリティがプロに劣る可能性や、大量に出る廃材の処分に困るケースも。何より、時間と手間がかかるのが最大の難点です。
業者依頼の費用目安とサービス内容
専門業者に依頼する場合の費用目安は10万円からとなります。費用はかかりますが、それに見合う大きなメリットがあります。
業者依頼で可能な作業
- DIYで可能な作業すべて
- 床、壁、天井の正確な強度計算と補強工事
- コンセント増設や照明設置などの電気工事
- ミリ単位での精密な建具(扉)の取り付け
- 湿気やカビ対策に関する専門的な提案と施工
業者依頼のメリット・デメリット
- メリット 安全で美しい仕上がりが保証されること。強度や耐久性など、目に見えない部分まで安心して任せられます。工事後の保証(アフターサービス)が付くのも心強い点です。
- デメリット DIYに比べて費用が高くなること。業者選びや打ち合わせに時間がかかる場合があります。
後悔しないための押入れリフォームの3つの注意点
押入れリフォームを成功させるためには、事前に知っておくべきポイントがいくつかあります。ここでは特に重要な3つの注意点を解説します。
必須の湿気とカビ対策
押入れは窓がなく空気が滞留しやすいため、もともと湿気がこもりやすく、結露やカビが発生しやすい場所です。特に建物の北側にある押入れは注意が必要です。せっかくリフォームしても、収納した大切な衣類がカビてしまっては意味がありません。リフォームの際には、必ず湿気とカビ対策をセットで行いましょう。
具体的な対策
- 壁の内部に断熱材を入れる これにより、外気との温度差による結露を防ぎます。
- 調湿効果のある壁材を使う 壁紙の下に調湿ボードを張ったり、LIXILの「エコカラット」のような調湿・消臭効果のある内装材を使ったりするのが効果的です。
- 通気性を確保する 扉をルーバー付きのデザインにしたり、小型の換気扇を設置したりして、空気の通り道を作ります。
奥行きの有効活用アイデア
押入れの平均的な奥行きは約90cm。これは一般的なクローゼットの約60cmよりも深く、そのまま使うと奥がデッドスペースになりがちです。この深い奥行きをどう有効活用するかが、リフォーム成功の鍵です。
具体的な工夫
- ハンガーパイプを前後に2本設置する 奥には季節外の服、手前には今シーズンの服を掛けることで、衣替えの手間を大幅に減らせます。
- キャスター付きの収納ラックを活用する 奥にキャスター付きのラックを置き、普段使わないものを収納。手前のスペースは日常的に使うものを置くことで、奥のものも簡単に出し入れできます。
- 造り付けの引き出し収納を設置する 奥行きピッタリの引き出しを造作すれば、スペースを無駄なく使い切れ、奥のものもスムーズに取り出せます。
賃貸物件でのリフォーム可否
賃貸マンションやアパートにお住まいの場合、押入れのリフォームには注意が必要です。賃貸物件には「原状回復義務」があり、退去時には入居した時の状態に戻さなければなりません。
壁紙を貼る程度の簡単なDIYであっても、壁に穴を開けたり、中棚を撤去したりするような構造に関わるリフォームは、必ず事前に大家さんや管理会社の許可が必要です。無断で改造すると、退去時に高額な修繕費用を請求される可能性があります。ディアウォールなど、壁を傷つけずに柱を立てられるDIYグッズを活用する方法もありますが、いずれにせよまずは相談することがトラブルを避けるために不可欠です。
リフォーム工事の流れと信頼できる業者の選び方
実際にリフォームを進めようと決めたら、どのような流れで進むのでしょうか。ここでは、工事の基本的な流れと、安心して任せられる業者選びのポイントを解説します。
問い合わせから工事完了までの5ステップ
一般的なリフォームは、以下の流れで進みます。
ステップ1 相談・現地調査
まずはリフォーム会社に連絡し、要望を伝えます。後日、担当者が自宅を訪問し、押入れの寸法や状態、家の構造などを確認します。
ステップ2 プラン・見積もり提示
現地調査の結果と要望をもとに、リフォームプランと詳細な見積書が作成されます。内容に不明な点があれば、納得いくまで質問しましょう。
ステップ3 契約
プランと見積もりに納得したら、正式に工事請負契約を結びます。契約書の内容は隅々までしっかり確認することが大切です。
ステップ4 着工
契約内容に基づき、工事が始まります。近隣への挨拶なども、通常は業者が行ってくれます。
ステップ5 完成・引き渡し
工事が完了したら、担当者と一緒に仕上がりをチェックします。問題がなければ、引き渡しとなります。
複数社からの相見積もりの重要性
リフォーム業者を選ぶ際は、**必ず2社~3社から見積もりを取る「相見積もり」**を行いましょう。これにより、以下のメリットがあります。
- 適正価格がわかる 1社だけの見積もりでは、その金額が高いのか安いのか判断できません。複数社を比較することで、おおよその相場を把握できます。
- プランを比較できる 業者によって、提案してくるプランや得意な工法は様々です。複数の提案を比較することで、自分に最も合ったプランを見つけられます。
- 担当者との相性を見極められる リフォームは担当者とのコミュニケーションが非常に重要です。丁寧に対応してくれるか、親身に相談に乗ってくれるかなど、人柄や相性を見極める良い機会になります。
施工実績が豊富なリフォーム会社の探し方
信頼できる業者を探すには、その会社がどれだけの実績を持っているかを確認するのが一番です。会社のウェブサイトで「施工事例」のページを見てみましょう。自分と似たようなケースのリフォーム事例が豊富にあれば、安心して任せられる可能性が高いです。また、地元で長く営業している工務店やリフォーム会社は、その地域での信頼が厚い証拠とも言えます。口コミや評判を参考にしてみるのも良いでしょう。
まとめ
使いにくさを感じていた押入れも、リフォーム次第で現代のライフスタイルに合った、機能的でおしゃれな収納スペースへと生まれ変わらせることができます。
今回の記事でお伝えしたポイントをまとめます。
- 費用相場 一般的なクローゼット化で10~30万円、ウォークイン化で20~50万円が目安。
- リフォームの種類 扉の交換からウォークイン化、書斎への改造まで選択肢は多彩。
- 成功のコツ 湿気対策と奥行きの活用が重要。
- 業者選び 必ず相見積もりを取り、施工実績が豊富な会社を選ぶこと。
押入れのリフォームは、単に収納が増えるだけでなく、部屋全体が片付き、日々の暮らしにゆとりをもたらしてくれます。あなたの理想の暮らしを実現するために、まずはリフォームのプロに相談してみてはいかがでしょうか。
私たち山根木材では「永く住み継がれる家づくり」を目指し、広島県内を中心にこれまでに累積1万件を超える施工を手掛けてきました。お客様一人ひとりの暮らしに寄り添い、ライフステージの変化も見据えた最適なリフォームプランをご提案します。
押入れのリフォームに関するご相談やお見積もりは、無料です。下記お問合せフォームから、どうぞお気軽にご連絡ください。
※弊社では、広島県内を施工エリアとさせていただいています。