古い和室をおしゃれにリフォームするには、まずイメージやテイストを決める、アクセントクロスを効果的に使うなどのコツがあります。
そこで今回は、和室を「清潔感のあるモダンで機能的なおしゃれ空間」にするためのポイントを8つ紹介します。
さらに、リフォーム費用の相場や費用を抑える方法、リフォーム時の注意点も解説します。
住まいの満足度をアップさせるために、ぜひ参考にしてみてください。
古い和室をおしゃれにリフォームする8つのポイント
古い和室をおしゃれにリフォームするポイントは、以下の通りです。
- 和室でどのように過ごしたいかイメージする
- おしゃれな和室のテイストを決める
- アクセントクロスや琉球畳を利用する
- 使用する色の数を抑える
- 清潔感のある空間をつくる
- 小上がりの導入を検討する
- 古い物を効果的に再利用する
- 照明で雰囲気の良い空間にする
それぞれについて解説します。
和室でどのように過ごしたいかイメージする
古い和室をおしゃれにリフォームするには、まず和室でどのように過ごしたいかをイメージしましょう。
和室は汎用性が高いため、さまざまな過ごし方ができます。
用途に合わせてリフォームの方向性も変わってくるため、まずはリフォーム後のイメージを固めることが重要です。
例えば空間を広々使いたい場合は、ふすまを開けて隣接するLDKとつながるようにすることがおすすめです。
お子さんが和室で遊んだり昼寝したりしている様子をリビングやキッチンからでも見れますし、来客時はふすまを閉めればゲストルームとしても利用可能です。
和室を洋室にすると用途が広がりますが、和室には寝転びやすい、床が冷えにくいといったメリットもあるので、和室のままのほうが良い場合もあります。
おしゃれな和室のテイストを決める
続いて、和室のテイストを決めましょう。
一口に和室といっても、テイストによって雰囲気は全く違ってきます。
例えば落ち着いてゆったりと過ごしたいなら旅館風の純和風テイスト、リゾート気分を味わいたいならアジアンテイスト、爽やかでリラックスした空間にしたいならナチュラルテイストがおすすめです。
また、和モダンテイストならシャープで現代的なイメージになります。
他の部屋や家の外観などに合わせたテイストにするのも良いですし、あえて和室だけ違ったテイストにするのもおしゃれです。
テイストによって畳の大きさや形、壁の素材、室内のレイアウト、家具なども変わってくるので、早めの段階で和室のテイストも検討しておきましょう。
アクセントクロスや琉球畳を利用する
特に和室を和モダンテイストにしたい場合は、アクセントクロスや琉球畳を使うことがおすすめです。
アクセントクロスを取り入れると、和室のデザインが個性的かつおしゃれになります。
ネイビーやブラウンなどのクロスも和室なら馴染みやすいですが、壁全体に使うと暗い印象になりがちなので部分使いがおすすめです。
畳縁のない琉球畳も、和室の雰囲気をがらりと変えるのに役立ちます。
色の濃い畳と薄い畳を市松模様状に敷くため、和の雰囲気がありつつもポップでモダンな印象を演出できます。
使用する色の数を抑える
アクセントクロスで個性を演出するのも良いですが、使う場合は使用する色を抑えることがポイントです。
たくさんの色を使うと、天井や壁、床の色の調和が取れにくく、目が疲れやすくなります。
統一感がなくおしゃれというより雑多な印象になりやすいうえ、和室なのにくつろぎにくくなることがあるので注意しましょう。
自分たちだけでデザインを考えると、盛り込みたいテイストや色が多くなり取捨選択が難しい場合もあります。
リフォーム会社にデザインのアイディアを相談すると、プロの目線からアドバイスを受けられるので、相談しながら決めていくことがおすすめです。
清潔感のある空間をつくる
古い和室をおしゃれにするためには、清潔感も欠かせません。
おしゃれなデザインにリフォームしても、壁紙や畳が古く黄ばんでいると、デザインの良さが活きないからです。
畳や壁紙の張り替えをするとその分費用はかかりますが、清潔感はリフォーム後の満足感、過ごしやすさにも影響する部分です。
壁紙や畳の汚れが目立つ場合は、張り替えリフォームも併せて検討してみてください。
小上がりの導入を検討する
小上がりの導入も、和室リフォームで人気の施工の1つです。
小上がりで高低差を出すと空間にメリハリが生まれるため、ふすまを開けてLDKとつながるレイアウトであっても程よくゾーニングができます。
開放感は欲しいけれど、LDKと完全につなげたくはないという場合におすすめです。
他にも、小上がりがあれば段差部分を収納スペースにしたり、ソファのように腰掛けたりもできます。
親族の集まりやお子さんの友達が来たときなど、ソファや椅子が足りない場合にも便利です。
古い物を効果的に再利用する
古い和室ならではの、意匠を凝らした欄間や雪見障子などがある場合は、それらを再利用するのもおすすめです。
個性や重厚感が生まれますし、特にアンティークや古いものが好きな人にとっては非常に魅力的な空間になるでしょう。
また、元の部屋の要素も活かすと、リフォームで和室が大きく変わったとしても、どこか懐かしい印象も残すことができます。
昔ながらの欄間や雪見障子は現代では手に入りにくいため、他では真似できない我が家ならではの空間になるでしょう。
照明で雰囲気の良い空間にする
和室のリフォームでは、照明にこだわることもポイントです。
照明が変わるだけで、一気に雰囲気のある空間になります。
例えば夜に過ごすことが多くリラックスできる空間にしたいなら、間接照明などを使って明るくなりすぎないようにすると良いでしょう。
和紙を使った間接照明なら和室に馴染みやすく、より一層おしゃれな雰囲気になります。
あえて現代風な照明をつけて和モダンな空間にすることも可能なので、テイストやテーマに合わせた照明を検討しましょう。
古い和室をおしゃれにリフォームした実例
続いて、山根木材が手がけた、古い和室をおしゃれにリフォームした実例を紹介します。
ご自宅の和室と比較して、「こんなアイディアもあるんだ」「こういうリフォームも良いな」という参考にしてみてください。
築100年を超える古民家をコミュニティの中心に
築100年を超える古民家を、宿泊型の介護施設にリフォームした実例です。
小上がりのある和室なども取り入れ、洗練されつつもどこか懐かしい居心地の良い空間が完成しています。
また、スライド式のドアを設置することで、ドアを開ければ隣の和室や廊下と一体化する仕様に。
これにより開放感があるだけでなく、介護もしやすい施設になりました。
また、宿泊室はそれぞれコンセプトが異なり、遊び心も感じられる点がポイントです。
マンションの和室をおしゃれなダイニングにリフォーム
こちらはマンションリフォームの実例です。
「暮らすほどに永く愛着が増していく家」をコンセプトに、和室部分をおしゃれなダイニングルームへと変身させました。
この実例では、和室だった部分を洋室とダイニングに分け、それぞれの空間を曲線的な壁で区切っています。
さらに、天井を間接照明にしたり、自然素材を使ったりして、元々はよくある印象の和室だったスペースが、おしゃれでやわらかい空間になりました。
和室の続き間を家族の集まる広いリビングに
こちらは、ご両親との同居に伴い実施されたリフォーム実例です。
和室の続き間を洋室にリフォームし、ペニンシュラキッチンを設置。
空間を区切るふすまがなくなったことで開放感が生まれ、キッチン、ダイニングテーブル、ソファなどどこにいてもお互いの存在が感じられるようになりました。
このリフォームでは地盤や基礎の見直しなども行い、家全体の安全性や快適性もアップさせました。
客間にもできる清潔感のある和室
築60年の古民家のリフォーム実例です。
このリフォームでは、和室は和室のままリフォームを行いました。
大きな間取り変更はないものの、障子や畳を新しくして清潔感をアップさせ、照明を個性的なものに取り替えることで和モダンな雰囲気になりました。
さらに、断熱性能を向上させたことで冬の朝の寒さも改善。
昔ながらの雰囲気は残しつつも、過ごしやすさが大幅にアップしました。
和室を二世帯住宅のキッチンに
和室で何もなかったスペースを有効活用し、収納棚なども導入することで、二世帯になり居住人数が増えても、それぞれが快適に過ごせる住まいになりました。
また、アクセントクロスや照明、壁紙などの変更で、昔ながらの住宅がおしゃれな雰囲気に。若い子世帯にも合ったデザインになっています。
和室をリフォームして英語教室を開設
祖父母の代に移築してきた昔ながらの住宅を、面影を残しつつも快適にリフォームした実例です。
畳だった部分はフローリングに変え、英語教室のスペースに。
フローリングに変えたとはいえ、天井の梁はそのまま残しているためどこか懐かしい雰囲気をキープしています。
また、トイレへと続く広縁は昭和の戦前に移築された当時のままです。
生徒である子供の出入りも多くなりますが、プライベートな住空間との動線分けもしっかりしているため、暮らしやすさも確保できる住まいとなりました。
和室をおしゃれにリフォームする費用
和室をリフォームするときに気になるのが費用です。
特に、「おしゃれな空間にしたい場合はその分費用がかかるのでは?」と気になる方も多いでしょう。
和室リフォームの費用は間取り変更の有無により異なり、以下の通りです。
- 変更なし:35〜50万円
- 変更あり:50〜100万円
それぞれのケースについて解説します。
間取りの変更がない場合:35~50万円
間取り変更のない和室リフォームでは、35〜50万円が費用相場です。
主な内訳は以下の通りです。
リフォーム内容 | 費用相場 |
琉球畳にする | 5~10万円 |
壁紙クロスを貼る | 10~15万円 |
押入れをクローゼットにする | 20~25万円 |
押入れをウォークインクローゼットにする場合は、上記に加えて5〜20万円必要です。
照明や障子を変更する場合は、その分の費用も発生します。いくつかのリフォーム会社から見積もりを取り、比較検討してみるのもおすすめです。
壁を壊して間取りを変更する場合:50~100万円
和室とLDKを一体化させるなど、壁を壊して間取り変更する必要がある場合、リフォーム費用の相場は50〜100万円程度です。
主な内訳は以下の通りです。
リフォーム内容 | 費用相場 |
壁の撤去 | 4~20万円 |
床の段差を解消 | 20~40万円 |
天井の工事 | 5~15万円 |
その他建具取り付け等 | 15~20万円 |
おしゃれな空間に変えるために、畳や壁紙、天井も変更する場合はさらに費用がかかります。
また、リビング側のフローリングやクロスも全て張り替え、和室との一体感を出したい場合は、100万前後の費用がかかるでしょう。
和室のリフォームを安く抑えるコツ
和室リフォームの費用は、工夫次第で抑えることも可能です。
例えば畳は完全に新調するのではなく、表面だけ張り替える「表替え」や畳の裏側を使う「裏返し」をすると、費用を抑えられます。
また、畳をフローリングに変える場合は、無垢材だと高くなりやすいですが、複合フローリングならコストカットができます。
壁は、珪藻土のような自然素材ではなくビニールクロスなどにすると費用の節約になるでしょう。
手すりの設置などバリアフリーのためのリフォームでは介護保険、断熱リフォームなど省エネにつながる工事なら国や自治体の補助金を使えることもあります。
こうした補助金についてはリフォーム会社に問い合わせると、詳しい話が聞けるでしょう。
和室をリフォームする際の注意点
和室をリフォームする場合は、おしゃれな見た目にするだけでなく以下の点にも注意しましょう。
- メンテナンスしやすい素材を選ぶ
- 和室を洋室にする場合は断熱材も施工する
リフォーム後の和室で長く快適に過ごすために重要な点なので、確認していきましょう。
メンテナンスしやすい素材を選ぶ
和室のリフォームでは、メンテナンスしやすい素材選びが重要です。
和室に多い畳や障子、砂壁は、張り替えや補修などの定期的なメンテナンスが必要です。
また、おしゃれで快適な空間をキープするためには日常的なメンテナンスも重要ですが、水拭きができない、頑固な汚れには専用の洗剤が必要など、手間がかかる部分もあります。
汚れにくい素材や掃除しやすい素材を選ぶなど、簡単に綺麗な状態をキープできる素材を選ぶことも、おしゃれな和室作りに重要です。
和室を洋室にする場合は断熱材も施工する
和室を洋室に変える場合は、断熱材の施工も検討してみてください。
保温性のある畳からフローリングに変えると、以前よりも床を冷たく感じやすいからです。
特に築年数が古い住宅だと、床下に断熱材が入っていないことがほとんどです。
部屋の冷えは、風邪だけでなくヒートショックのリスクにも繋がります。
せっかくおしゃれな空間にしても、居心地が悪くあまり使わないのではもったいありません。
快適に安全に過ごすためには、断熱リフォームも意識してみましょう。
古い和室をおしゃれにリフォームして快適な暮らしを
和室には、いつでも横になれる、客間になる、洗濯物を畳むなどの作業もしやすいといったメリットがあります。
しかし、古いままの和室では使いにくかったり汚れなどで暗く見えたりして、メリットを活かしにくい場合があります。
古い和室をリフォームして、住まいをより便利に快適にしていきましょう。
山根木材では、和室のリフォームも多く手がけてきました。
気になる部分がある場合は、ぜひ一度お問い合わせください。
※弊社では、広島県内を施工エリアとさせていただいています。