入居したときは新しかったマンションのキッチンでも、時間とともに古さや使いにくさを感じるようになります。
しかし、キッチンのリフォームには制限が多く費用がかかるため、費用を抑えつつ納得のいくリフォームをするべく、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、マンションのキッチンリフォームを検討している方に向けて、リフォーム項目ごとの費用相場や安く抑える方法、マンションならではの注意点などを紹介します。
事例と併せて紹介しますので、予算に応じたリフォームができるようにお役立てください。
リフォーム項目・費用相場
マンションのキッチンリフォームでかかる費用の相場は、平均50万~150万円前後です。キッチンリフォームの項目別の費用相場を以下にまとめました。
リフォーム内容 | 費用相場 |
コンロの交換 | 10万~20万円程度 |
レンジフードの交換 | 10万円程度 |
食洗機の設置・交換 | 10万円程度 |
水栓の交換 | 5万~10万円程度 |
レイアウト変更 | 20万~150万円程度 |
出窓設置 | 10万~40万円程度 |
排水管の交換 | 40万~70万円程度 |
床や壁紙の張り替え | 5万~15万円程度 |
ガスコンロからIHへ変更 | 20万~40万円程度 |
システムキッチンへ変更 | 50万~200万円程度 |
キッチンリフォームの項目ごとに、費用相場や工事内容について解説していきます。
コンロの交換
コンロの交換には10万~20万円程度かかり、数時間程度で工事は終わります。
部品の修理・交換で済む場合もあれば、コンロごと交換する場合もあります。スイッチを押してもすぐ点火しない、炎の色が赤やオレンジになっているなど、使っていて異常が見られればリフォームのタイミングです。
また、コンロの耐用年数の目安は10年程度です。
使い心地や見た目には気になる点がなくても、耐用年数が近づいているときは安全のためにもリフォームを検討した方が良いでしょう。
レンジフードの交換
レンジフードの交換には10万円程度かかり、工事は数時間程度で終わります。
汚れが取れなくなってきたときや、換気扇が回らない、異音がするなど不具合が起きていれば、レンジフードをリフォームするタイミングです。
レンジフードのみ交換する場合は、相場程度のリフォーム費用となります。
部品の修理・交換で済む場合も、リフォーム費用はそれほどかからないでしょう。
しかし、キッチンとセットでレンジフードを交換するモデルは、相場を超える費用が発生したり、交換に時間がかかったりする場合があります。
食洗機の設置・交換
食洗機の設置・交換には10万円程度かかり、工事に要する時間は数時間程度です。
食洗機には「卓上型」とシステムキッチンに搭載された「ビルトイン型」の2種類があり、ビルトイン型のほうが高額になりやすい傾向にあります。また、ビルトイン型には「フロントオープン式」と「スライドオープン式」があり、異なるタイプへの交換も可能です。
卓上型の耐用年数は5~7年、ビルトイン型の寿命は10年程度です。洗い残しが目立つようになった、エラーの表示回数が増えた、異音がするなどの不具合があればリフォームを検討しましょう。
水栓の交換
水栓の交換には5万~10万円程度かかり、工事に要する時間は1時間程度です。
本体の交換のみで済む場合もあれば、取り付け口の拡大や穴径変換用のアダプターの取り付けが発生する場合もあります。
また、シャワー機能・浄水器機能・タッチレス機能など、取り付ける水栓の機能でリフォーム費用は変わります。
水栓の耐用年数は約10年です。パッキンの劣化や、取り付け部分のゆるみにより水漏れが見られるときは、リフォームのタイミングといえます。
また、節水目的でも水栓のリフォームは十分効果を発揮します。
レイアウト変更
キッチンリフォームにおけるレイアウト変更とは、キッチンの位置の変更やシステムキッチンのスタイルを変えることです。
キッチンのレイアウト変更には、20万~150万円程度かかります。
工事にかかる期間は10日から2週間程度ですが、大がかりなリフォームでは1ヶ月程度を見ておきましょう。
レイアウトの変更例としては、壁付け式から対面式への変更、通常のキッチンからシステムキッチンへの変更などが挙げられます。
キッチンでの作業効率を高めたい、家族とコミュニケーションを取りながら料理したい、という方にはキッチンのレイアウト変更がおすすめです。
出窓設置
出窓設置には10万~40万円程度かかり、工事には1~3日程度要します。
一般的には既存の窓に出窓を取り付けますが、より大きな窓を設けたいときは拡張工事が入る場合もあります。
出窓のリフォームは、採光性を高めてキッチンを明るくしたい場合や、張り出した部分を収納に活用したい場合におすすめです。
排水管の交換
排水管の交換には40万~70万円程度かかります。
簡単な修理なら数時間程度で済みますが、大がかりな工事になれば数日要する場合もあります。
排水管は経年劣化により水の流れが悪くなるため、水の流れが悪い、臭いが気になると感じたときがリフォームのタイミングです。
排水管の寿命は素材によって変わります。例えば、塩化ビニル管なら約30年程度、鋳鉄管なら35~40年程度で寿命を迎えます。
床や壁紙の張り替え
床や壁紙の張り替えには5万~15万円程度かかり、工事には1~4日程度必要です。
壁紙の張り替えでは、古い壁紙を剥がして補修したうえで、新しい壁紙を貼ります。
床材の張り替えには古い床材の上に重ねて貼る方法と、古い床材を剥がして新しい床材に取り替える方法の2種類があります。
キッチンの使い勝手には影響しにくいものの、床や壁紙には汚れや臭いが染みつきがちです。
汚れや臭いが気になる、せっかくキッチンリフォームするなら見た目も一新したい、という方には床や壁紙の張り替えをおすすめします。
ガスコンロからIHへ変更
ガスコンロからIHへ変更するときは20万~40万円程度かかり、工事は5〜6時間程度で終わります。
元々IHで新品に交換する時間は1時間程度ですが、ガスコンロからIHに変える場合は工事が必要になるため時間がかかります。
コンロを掃除する負担を減らしたい場合には、IHへの変更リフォームがおすすめです。
IHの表面はフラットなガラストッププレートで、さっと拭き掃除するだけできれいな状態をキープできます。
システムキッチンへ変更
システムキッチンへ変更するリフォームには、50万~200万円程度かかります。
工期は1~5日程度です。キッチンの主なスタイルを以下に示しました。
- I型:コンロとシンクなどの設備が横一列に並んでいる
- L型:設備がL字に配置されている
- ペニンシュラ型:キッチンの一部が壁に接している
- アイランド型:キッチンが壁から独立している
おしゃれで収納性が高く、作業効率を保てるキッチンをつくりたい場合におすすめのリフォームです。
リフォーム費用を安く抑えるには
リフォームの内容によって、費用は大きく変わります。
理想のキッチンのイメージは固まっていても、リフォーム箇所が増えると予算オーバーしてしまうかもしれません。
以下で紹介するようなリフォーム費用を安く抑えるポイントを押さえておけば、キッチンリフォームの計画を立てやすくなるでしょう。
設備の素材やグレードを下げる
リフォーム費用を抑えるなら、まずはシステムキッチンに使われている素材やモデルのグレードを下げてみましょう。
新しいシステムキッチンを導入する際は、キッチン本体の料金がリフォーム費用の大部分を占めます。
本体料金が下がれば、リフォーム費用を抑えやすくなるでしょう。
素材やグレードを下げるときは、優先順位をつけることがポイントです。
自分や家族の要望を確認し、妥協しても良い部分を決めましょう。
アウトレット品や旧型モデルを取り入れる
安く販売されている商品を探してリフォーム費用を抑えるのも一つの方法です。
例えば、アウトレット品や型落ちした旧型モデルなら、新しいモデルを購入するよりも費用を抑えられます。
また、ショールームなどの展示品は、現品限りで安く販売している場合があります。
ただし、アウトレット品やショールームの展示品は、サイズや色の変更が難しい場合もあるため注意しましょう。
また、旧型モデルは保証期間が短いときがあるため、購入前の確認が重要です。
複数社で見積もりを取り比較検討する
他社と比較せずにリフォーム業者を1社に絞ってしまうと、適正な価格や工事内容かが判断しづらく、通常よりも費用が多くかかってしまう可能性があります。
少なくとも2~3社で相見積もりを取ると、比較検討しやすく納得した費用・工事内容でリフォームできるでしょう。
相見積もりを取るときは、比較しやすくするためにすべてのリフォーム業者に同じ内容で問い合わせることをおすすめします。
また、費用だけではなく担当者との相性も見て、リフォームの依頼先を決めましょう。
マンションキッチンのリフォーム事例
ここからは、マンションのキッチンリフォーム事例を紹介します。
明るい雰囲気にしたい、もっと使い勝手の良いキッチンにしたいなど、リフォームで改善できる内容はさまざまです。
それぞれの事例を見て、マンションのキッチンリフォームを行う際の参考にしましょう。
リフォーム事例①
閉鎖的な印象を与えるキッチンに悩みを抱えていた方のリフォーム事例です。
リフォームでは、キッチンを隠していた壁を取り除き、リビングから見えなかったキッチンをオープンにしています。
キッチンとリビングが一体化したことで、開放的なキッチンとなりました。
また、ステンレスキッチンとベネチアンモザイクタイルの組み合わせがおしゃれで、機能性を維持しつつ空間に温もりを添えられています。
リフォーム事例②
無機質さを和らげることを目的に、キッチンを含めマンション全体をリフォームした事例です。
キッチンはレイアウトを変えて、窓から景色を眺めつつ作業できるようにしたいとのことでした。
リフォームではマンション内部に「木」をたっぷり使い、あたたかみのある空間に仕上がっています。
壁付けのキッチンは窓から景色を眺められるように向きが変わり、作業スペースや収納もしっかり確保しています。
リフォーム事例③
キッチンの収納力アップを目的にリフォームした事例です。
リフォームでは造作カウンターや棚、壁面収納の設置により、キッチン内の収納力を高めました。
棚下のデッドスペースもゴミ箱を設置するなど上手に活用しています。
適度な作業スペースの広さを保っているため、壁面収納が多くても圧迫感はありません。
また、縦の空間を生かした造作棚には植物やインテリアを飾り、おしゃれな空間を演出しています。
マンションのキッチンリフォームを行う際の注意点
戸建てとマンションでは、リフォーム時の注意点が異なります。
マンションはほかの部屋に住む住民にも影響する可能性があるため、独断でリフォームを決めることができません。
ここでは、マンションだからこそ気をつけたいキッチンリフォームの注意点について解説します。
管理規約の確認
管理規約にはリフォームに対するルールがまとめられているため、事前確認が欠かせません。
マンションには防音規定があり、基準の遮音性能をクリアした床材を使わなくてはならないため、使用できる床材が指定されている可能性があります。
管理規約に違反したリフォームをするとトラブルになり、訴訟や賠償請求に発展する恐れもあります。
管理規約について詳細がわからない場合は、管理会社に問い合わせて確認するようにしましょう。
排水管の位置・電気容量を確認する
排水管の位置・電気容量次第ではできないリフォームもあります。
マンションの場合、個人的に排水管の位置や電力容量を変更することはできません。
例えば排水をスムーズに行うために勾配をつけるリフォームを検討したくても、希望のレイアウトに変更できない場合があります。
また、電気容量の関係で、ガスコンロから IHに変更できない場合もあります。
マンション購入時の契約書で排水管の位置・電気容量などを確認し、わからない場合は管理会社に問い合わせるようにしましょう。
周辺住民への配慮
リフォーム工事期間は、騒音や振動が発生する可能性があります。
工事による騒音や振動が原因で周辺住民とトラブルになることを防ぐために、事前に挨拶や通知を行いリフォーム工事の実施の旨を伝えておきましょう。
周辺住民に配慮するには、リフォーム業者選びも重要です。周辺住民への配慮が行き届いたリフォーム業者を選ぶと、安心してリフォームを始められます。
また、予定どおりに工事が終わるように信頼できる業者を選びましょう。
キッチンリフォームは必要な工事かどうかの判断とトラブル防止の工夫が大切
マンションのキッチンリフォームには、50万~150万円程度の費用がかかります。
費用を抑えつつ快適なキッチンを手に入れるには、割安な商品を上手く取り入れつつ、信頼できるリフォーム業者を選ぶことが重要です。
また、リフォームの際はマンションの規約や仕様を確認して、周辺住民への配慮も忘れないようにしましょう。
山根木材は住まいの寿命を延ばす住宅診断「住診」で、今のキッチンの状況を踏まえて必要なメンテナンスを提案します。キッチンリフォームをお考えの方はお気軽にご相談ください。
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