畳のサイズとは? 江戸間・京間など地域による大きさの違いを解説

  • 作成日:2025/01/28
  • 更新日:2025/01/28
  • 編集者:山根木材メディア編集部
畳のサイズとは? 江戸間・京間など地域による大きさの違いを解説

畳1枚のサイズは全国共通だと思っている方も多いのではないでしょうか。
実は、畳のサイズは地域により異なります。また、同じ地域でも完全に同じサイズではなく、住まいによってそれぞれ異なります。

この記事では、畳の種類によるサイズの違いについて詳しく解説します。
また、畳のある暮らしのメリットや将来のメンテナンス方法についても説明しますので、ぜひ参考にしてみてください。

畳1枚のサイズとは? 地域による大きさの違い

明るい日差しが入り込む畳の和室

畳は地域により大きさが異なります。
また、正確にいえば畳は1枚1枚の大きさが異なります。
これは部屋のサイズにあわせて微調整が必要になるため。
同じ6畳部屋であっても、畳のサイズは異なることがあります。

ここでは、地域によって異なる主な畳のサイズについて説明します。

江戸間

まず、関東・東北・北海道など、静岡以北の東日本で主に使われてきた畳のサイズに「江戸間」があります。
1畳の大きさは約1.55㎡(丈176cm×巾88cm)。
五八間(ごはちま)とも呼ばれます。

もともとは東日本を中心として使われたサイズではありますが、現在は全国各地で使われており、メジャーな種類といえるでしょう。

京間

次に、関西の京都を中心に使われている畳のサイズに「京間」があります。
1畳の大きさは約1.82㎡(丈191cm×巾95.5cm)で、江戸間より一回り大きなサイズ。
本間間(ほんけんま)とも呼ばれます。

京都が中心ではありますが、大阪や兵庫などを含め西日本では広く使われており、紀州より西の中国、四国、九州にわたって見られるサイズです。

六一間(ろくいちま)

広島や岡山、山陰地方や近畿の一部で使われている畳のサイズに「六一間(ろくいちま)」があります。
1畳の大きさは約1.71㎡(丈185cm×巾92.5cm)。
江戸間と京間の中間程度のサイズとなります。

六一間のサイズが使われているのは一部の地域に限られており、全国的に見るとややマイナーな種類といえるでしょう。

中京間(ちゅうきょうま)

愛知、岐阜、三重などの中京圏を中心として使われているサイズに「中京間」があります。
中京圏だけでなく福島や山形、岩手など東北の一部や北陸の一部、沖縄や奄美大島にも点在して分布しています。

中京間は三六間(さぶろくま)とも呼ばれ、1畳の大きさは約1.65㎡(丈182cm×巾91cm)。
こちらも江戸間と京間の中間程度のサイズとなります。

団地間

特定の地域に限らず、近年になって新築された集合住宅で多く採用されてきたサイズに「団地間」があります。
1畳の大きさは約1.44㎡(丈170cm×巾85cm)で、五六間(ごろくま)と呼ばれることも。
今回ご紹介した種類の中では最も小さなサイズとなります。

高度成長期に住まいの需要が高まり、多くの団地が建てられた際に生まれ、集合住宅でよく使われたことから「団地間」と呼ばれるようになりました。

畳のサイズの使われ方

6畳の畳の部屋

続いて、畳のサイズがどのように利用されているのか、知っておきたいポイントをご紹介します。

6畳間の大きさの違い

ここまでご紹介したように、同じ1畳であっても畳のサイズはそれぞれ異なります。
つまり、同じ「6畳の部屋」であっても、どの種類の畳かによって広さが違ってくることになります。
以下は6畳の部屋の大きさを種類別に表したものです。

【6畳の部屋の広さ】

  • 江戸間(丈 176.0cm× 巾 87.8cm)6畳:9.27168㎡
  • 京間 (丈 191.0cm× 巾 95.5cm)6畳:10.9443㎡
  • 六一間(丈 185.0cm× 巾 92.5cm)6畳:10.2675㎡
  • 中京間 (丈 182.0cm× 巾 91.0cm )6畳:9.9372㎡
  • 団地間(丈 170.0cm× 巾 85.0cm)6畳:8.67㎡

例えば、江戸間6畳の面積は約9.3m²、京間6畳の面積は約11m²。
広さの差は約1.7m²となり、畳約一枚分ほどの差が出てきます。
関西出身の方が東日本へ引越して「6畳の部屋」を見たときには「狭い」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。

現在は全国でも江戸間が採用されることが多くなっているものの、上記のケースのように種類によって認識の違いが出てしまうケースもあるため、畳のサイズの違いは押さえておく必要があるでしょう。

不動産広告での表記

同じ6畳であっても畳のサイズによって広さに違いがあるのはご紹介したとおりですが、畳のサイズが異なることで、不動産情報における畳数表記が難しくなってしまっては問題です。
例えば「6畳」と書かれていても実際の広さを想像しにくければ、利用者にとっては不便でしょう。

そうならないように知っておきたいのが「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」で定められたルールです。
部屋の広さを畳数で表現する際は「1畳=1.62㎡(平米)以上」と定められています。
つまり、不動産広告の1畳は1.62㎡以上と考えられることから、6畳という表記なら9.72㎡(1.62㎡✕6畳)以上となることがわかります。

畳のサイズの調整方法

畳は種類・地域ごとにサイズが異なりますが、同じ種類だからといって規格のように厳密にサイズが決まっているわけではありません。
また「畳は長さ1:2の長方形」であることが標準ですが、その通りの比率の長方形ではないケースもあります。

その理由は、部屋のサイズにあわせて微調整する必要があるからです。
住まいは一部屋ごとに形状が異なり、その広さも一つ一つ異なります。
厳密に決まったサイズの畳しかなければ、部屋の長辺・短辺にきっちりとおさまらずに隙間ができてしまうこともあります。

そうした不具合を防ぐため、畳職人は部屋の大きさや形にあわせて畳の縦横を調整し、1枚ずつしっかりと収まるように制作しています。

同じ畳数でも異なる畳の敷き方

同じ畳数でも畳の敷き方は変えられるため、昔は用途や時期、行事などにあわせて異なる敷き方が用いられていました。
敷き方は以下の2つに大別されます。

  • 祝儀敷き(枕敷き、回り敷き):縁起が良いとされる敷き方で、慶事や元旦などに用いられる
  • 不祝儀敷き(四ツ井敷き):葬儀などの弔事で用いられる敷き方。メンテナンスのしやすさから神社仏閣や大広間などでも用いられる

なお、現在は一般的な住まいでは祝儀敷きが用いられていることがほとんどです。
また、縁のない新しいタイプの畳もあります。

畳のある暮らしのメリット

紅葉柄の壁紙が特徴的な畳の和室

リフォームを考えている方のなかには、畳のある和室をなくすか、もしくは和室を作るかという検討をしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
畳は日本の気候、風土に適した空間づくりができるアイテムです。
ここでは、検討する際に知っておきたい畳のある暮らしの特徴をご紹介します。

日本の気候に合った吸湿効果

畳は吸放出性が優れているのが特徴です。
湿度の高いときには湿気を吸収し、空気が乾燥すると水分を放出する性質があります。

その性質から、畳を利用した和室は夏はからりと、冬は湿度を補い、快適性を保つ効果が期待できます。
夏は高温多湿、冬は乾燥しやすい日本の気候に適した建材だといえるでしょう。

リラックス効果のある香り

「い草」の香りにリラックスした経験がある方は多いのではないでしょうか。
畳表に使用されるい草の香りには鎮静効果があり、畳の空間で過ごすとリラクゼーションの効果が得られます。
また、い草には人体に悪影響を及ぼす二酸化チッ素を吸収する働きも。心と体の両面への癒しが期待できます。

横になれる心地良さ

畳がある和室は、いつでも横になって休めるのがメリット。
寝転ぶスペースとして、ソファであれば限られたスペースとなってしまいますが、和室は小さな子どものお昼寝スペースや、家族みんなでのリラックススペースとして活用できます。

い草の断面はスポンジ状の構造となっているため、中に空気を蓄える性質があります。
この構造がクッションのような弾力性を生み出すため、横になるとフローリングにはない快適さを感じられるのもメリット。
心地良い空間づくりに役立つでしょう。

足音を抑える働き

先にご紹介したように、い草の内部には空気が含まれるため、足音や物音などの振動音を吸収し軽減する働きがあります。
この吸音性が静かで穏やかな空間を作り出し、香りと視覚的な効果も加わり、くつろぎの空間を作り出してくれます。

畳のお手入れ方法とリフォーム

畳を持ち上げている様子

畳をご自身の住まいに取り入れるとき、日々のお手入れなどメンテナンス面が気になる方もいらっしゃるでしょう。
ここでは、日々のお手入れや数年後から始まるお手入れ方法について解説します。

日々のお手入れ

日々のお手入れは、掃除機をかけたり、畳干しを行って風にあてたりといったことが中心となります。
掃除機をかけるなら、畳表に傷がつかないよう編み目にそってかけるのが傷みを防ぐコツです。

畳干しを行うなら、日差しが強すぎる時期を避け、畳表に直射日光が当たらないように行うと畳が傷みにくくなります。
ベランダや風通しの良い場所に立てかけるか、ちょうど良い場所がない場合には畳床との間に支えを入れて風を通すだけでも効果があります。
風にあてて乾燥させることでカビ予防やダニの駆除ができ、衛生的に保つことができるでしょう。

3年から5年目:裏返しや表替えを行う

畳を敷いてから3年~5年が経つと、裏返しや面替えなどのメンテナンスが必要となってきます。
畳の表面に古さが出て傷んでいる場合や日焼けが目立つ場合には、畳表を裏返しにして張り替える「裏返し」を行います。
さらに時間が経ち、裏返しにした部分もまた傷んできたら、今度は畳表を張り替える「表替え」を行います。

15年から20年以上:畳替えを行う

畳を初めに入れたときから15年~20年が経過し、畳が寿命を迎えると、いよいよ全体を取り替える「畳替え」が必要となります。
畳替えをする目安は、畳に弾力がなくなる、隙間ができるなど畳本体が弱ってきたと感じた頃。
新しい畳に替えると、また部屋全体の雰囲気がよみがえります。

畳のサイズを理解し和の暮らしを楽しもう

住まいを探しているとき、また、畳を入れるリフォームをするときなど、畳のサイズや畳数の使われ方を知らないと想定していたお部屋と異なる結果になってしまうことがあります。
そうならないためには、畳のサイズやその使われ方を理解しておくことが重要です。
また、日々のメンテナンス方法も知っておき、畳のある暮らしの心地良さを楽しみましょう。

山根木材では、畳や木を使った心地良い暮らしを提案しています。
リフォームを考える際は、ぜひ利用を検討してみてください。

※弊社では、広島県内を施工エリアとさせていただいています。

この記事を書いた人
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山根木材メディア編集部

ヤマネホールディングス株式会社マーケティング課が、住まいの検討やより良い暮らしに向けたお役立ち情報などを発信しています。

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