大規模なリフォームには非常に多くのコストがかかります。しかし、必要なリフォームをせずに放置すると、住宅の性能が下がるだけでなく問題を悪化させてしまう恐れがあります。
今回の記事ではリフォームが対象の補助金や助成金についてまとめました。
自分たちが活用可能な制度を見つけて、リフォームの費用負担を減らしましょう。
適した補助金・助成金が見つかれば、リフォームに必要な資金計画を見直せるでしょう。
住宅リフォームに活用可能な補助金・助成金の種類
早速、住宅リフォームに活用できる補助金と助成金を7種類紹介します。
どの制度にも対象者や条件が設定されているため、事前に自分が活用可能であるか確認しましょう。
①長期優良住宅リフォーム推進事業
「長期優良住宅リフォーム推進事業」は、既存住宅を省エネ化したり長寿命化したりするリフォームが対象になる補助金制度です。
また、子育てがしやすい住宅へのリフォーム・複数世帯が同居しやすい住宅へのリフォームなども対象であり、補助範囲が広い制度の一つです。
制度名 | 長期優良住宅リフォーム推進事業 |
対象工事 | 【性能向上リフォーム】 省エネ対策や耐震性などの性能項目を一定の基準まで向上させる工事 ・耐力壁の増設 ・屋根の軽量化 ・断熱サッシへの交換 ・床下の防腐防蟻処理 ・給水・排水管の更新 その他、バリアフリー工事やテレワーク環境整備改修工事も含む 【子育て世帯向け改修工事】 【三世代同居対応改修工事】 【防災性の向上・レジリエンス性の向上回収工事】 |
要件 | ・リフォーム工事前にインスペクションを実施し、維持保全計画とリフォーム履歴を作成する ・リフォーム工事後に定められた性能基準をクリアする ・申し込みはリフォーム工事の施工業者が実施する |
補助率 | 補助対象工事費用の3分の1以内 |
補助額上限 | 100万円(長期優良住宅の場合は200万円) ※三世代同居対応改修工事や若者・子育て世代が改修工事をする場合などには各補助額上限が50万円引き上げられる |
②子育てエコホーム支援事業
「子育てエコホーム支援事業」は、新築住宅建築をする子育て世代と若者夫婦世帯を対象とした補助金制度です。
リフォームにも活用可能であり、リフォームの場合は申請可能な家庭区分がなくなります。
具体的には、省エネ化を進める改修が対象になる制度です。
制度名 | 子育てエコホーム支援事業 |
対象工事 | 【必須工事】 以下のいずれか一つ以上の工事を選択 ・外壁・天井・屋根・床の断熱リフォーム ・開口部の断熱リフォーム ・エコ住宅設備の導入または入れ替え 【必須工事と同時の実施で補助対象になる工事】 ・子育てしやすい暮らしを実現するためのリフォーム ・防犯性能を向上するリフォーム ・住宅のバリアフリー化 ・空気清浄機や換気機能付きエアコンの設置 ・リフォーム瑕疵保険などへの加入 |
要件 | ・申請者がリフォームする住宅を所有している ・空気清浄機や換気機能付きエアコンの設置 ・申請や手続きはリフォーム業者が実施する |
補助率 | 工事ごとに設定されている |
補助額上限 | 30万円 ※2004年4月2日以降に生まれた子供がいる世帯・夫婦のどちらかが1982年4月2日以降に生まれている世帯では、補助額上限が45〜60万円に引き上げられる |
「子育てエコホーム支援事業」については、こちらの記事でより詳しく説明しています。
③高齢者住宅改修費用助成制度
「高齢者住宅改修費用助成制度」は、介護が必要な高齢者のために行うリフォームを補助する制度であり、介護保険と呼ばれる場合もあります。
制度名 | 高齢者住宅改修費用助成制度 |
対象工事 | 要介護者の生活を支えるために実施する次のような工事 ・手すりの設置 ・滑り防止を目的とした床材の変更 ・段差の解消 ・開き戸から引き戸への変更 ・和式トイレから洋式トイレへの変更 |
要件 | ・要介護認定により要介護または要支援の認定を受けている ・介護者の介護保険証の住所と同一の住所の住まいのリフォーム |
補助率 | – |
補助額上限 | 20万円(内1割〜3割を自己負担) 要介護区分が3段階以上上がった時・転居した場合には再度補助を受けることが可能 |
④次世代省エネ建材の実証支援事業
「次世代省エネ建材の実証支援事業」では、既存住宅に高性能断熱材を含む最新の建材を活用し、次世代省エネ建材の効果を実証するために行われています。
制度名 | 次世代省エネ建材の実証支援事業 |
対象工事 | ・住宅の柱より外側から住宅全体を覆う外張り断熱工事 ・室内の壁の上から断熱材を張る内張り断熱工事 ・住宅の窓をSグレードの外窓にする窓断熱工事 |
要件 | ・申請者が所有及び居住している住宅での工事 ・専用住宅である |
補助率 | 補助対象工事費用の2分の1以内 |
補助額上限 | 外張り断熱:300〜400万円(地域により異なる) 内張り断熱:200万円 窓断熱:150万円 |
⑤既存住宅における断熱リフォーム支援事業
「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」は、既存住宅のエネルギー消費効率を改善し、低炭素化を進める目的で実施されている補助金制度です。
名称通り、住宅の断熱性を向上させるリフォームが対象になります。
制度名 | 既存住宅における断熱リフォーム支援事業 |
対象工事 | 【トータル断熱】 15%以上の省エネ効果が見込まれる高性能建材を使用した断熱リフォーム 【居間だけ断熱】 居間に高性能建材(窓)を用いた断熱リフォーム |
要件 | 申請者がリフォームする住宅を所有している |
補助率 | 補助対象工事費用の3分の1以内 |
補助額上限 | 120万円 |
⑥先進的窓リノベ事業
「先進的窓リノベ事業」では、既存住宅の窓の高断熱化を促進しています。
ガラス交換や外窓交換のみでなく、内窓の設置も補助の対象になります。
制度名 | 先進的窓リノベ事業 |
対象工事 | ・ガラス交換 ・内窓設置 ・外窓交換 |
要件 | ・窓リノベ事業者に工事を依頼する ・申請者がリフォームする住宅を所有している ・新築後1年以上が経過し、過去または現在人が居住している |
補助率 | 工事ごとに設定されている |
補助額上限 | 200万円 |
⑦地方自治体独自の補助金・助成金
お住まいの地方自治体で、独自の補助金や助成金が用意されている場合もあります。
特に耐震性や省エネ性の向上または住宅のバリアフリー化を進めるリフォーム工事を実施する予定の方は、まずお住まいの地方自治体に問い合わせしてみましょう。
地方自治体の補助金・助成金の中には、要件がクリアしやすいものも多いです。
住宅リフォームの補助金・助成金の中には併用可能なものもある
補助金・助成金の財源が国または地方自治体で分かれる場合、2つ以上の制度を併用可能なことがあります。
併用できる補助金・助成金は工事の目的や対象が重複していても構いません。詳しい情報は直接制度の実施元に問い合わせてみましょう。
住宅リフォームで補助金・助成金を活用する際の注意点
住宅リフォームに補助金・助成金を活用する際には、次の注意点を把握しておきましょう。
知識不足のままリフォームを進めてしまうと、希望していた補助や助成が受けられない可能性があります。
補助金・助成金について最新の情報を確認する
補助金・助成金には期限または予算上限が設定されている場合が多いため、タイミングによっては申請前に制度の受付が終了している恐れがあります。
また、予算が終了した段階で期限より早く受付が打ち切られることも珍しい話ではないのです。
申請予定の補助金・助成金がある方は、最新の情報を確認しながら可能な限り早くリフォーム工事を実施しましょう。
補助金・助成金に詳しいリフォーム業者にリフォームを依頼する
いくつかの補助金・助成金制度は、申請者ではなくリフォームを請け負った業者が申請作業を実施します。
また、施主が申請者である場合にも、複数の書類をリフォーム業者に用意してもらう必要があります。
そのため、補助金・助成金制度に詳しくないリフォーム業者を選んでしまうと、思うように手続きが進められない可能性が考えられるのです。
リフォーム工事の依頼先を探す時には、業者に直接問い合わせをして、申請希望の制度に対する知識や実績があるか確認しておきましょう。
リフォームの契約または着工前に申請が必要な制度がある
補助金・助成金制度は一つひとつ申請方法が異なり、中には着工前またはリフォーム工事の契約前に申請が必要な制度も存在します。
そのような制度に申請をしないまま着工すれば、補助の対象外になる可能性が高いでしょう。
補助金・助成金を活用する予定なら、制度の申請方法を十分理解して適切な手順を踏んでください。
不明点は直接問い合わせると良いでしょう。
自分が条件をクリア可能か・要件に該当しているか確認する
補助金・助成金には対象工事と細かな要件が設定されているものが多いです。
申請予定の補助金について十分な下調べがなければ、補助の対象外になってしまいます。
また、実際の工事を依頼するリフォーム会社と認識の違いが生まれる恐れもあります。
活用を考えている補助金・助成金の不明点は事前に明らかにしておき、リフォーム業者と相談しながら必要な工事内容を細かく決めていきましょう。
まとめ
リフォームに補助金や助成金を活用すれば、リフォームにかかる費用を大幅に軽減できます。
大規模なリフォームほど、補助金・助成金の活用を考えるべきでしょう。
ただし、補助金や助成金には対象工事と守るべき要件が設定されているのみでなく、適切な手続きや用意するべき書類が複雑な場合もあります。
申請予定の補助金・助成金について十分な下調べが必要になります。適切なステップを踏んで、金銭的負担を減らしながらリフォームを実施しましょう。
山根木材では「永く住み継がれる家づくり」を目指し、これまでに累積1万件を超える施工を手掛けてきました。
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