温暖湿潤な広島の気候では、住まいの湿気や結露の悩みを抱えている方が多いのではないでしょうか。
毎朝の窓拭きや天井のシミなど、そのサインを放置すると、健康被害や家の劣化につながる可能性があります。
この記事では、結露の基礎知識からリスクまでを解説。
さらに湿気対策として窓、床下、壁の防湿効果を高めるための最適なリフォーム方法をご紹介します。
快適で長持ちする住まいを実現したい方はぜひ参考にご覧ください。
広島で気になる住まいの湿気

広島県は温暖湿潤な気候にあり、年間平均気温は約16℃、年間降水量は約1500mmと、湿気が非常に多い地域です。
特に梅雨から秋にかけては高湿度状態が続きます。
もし、ご自宅にカビや結露といった湿気による何らかの症状が現れているなら、快適な暮らしと住まいの長寿命化のために、今すぐ適切な湿気対策が不可欠です。
結露
多くの人が悩む「結露」は、室内の暖かい空気が冷たい窓や壁に触れた際、空気中に含まれる水蒸気が水滴となって現れる現象です。
これは、冷たい飲み物を入れたグラスの表面が濡れるのと同じ仕組みで起こります。
特に秋冬になると、暖房の使用によって室内と外気の温度差が大きくなり、窓ガラスなどの冷たい部分で結露が発生しやすくなります。
さらに、寒さのために窓開け換気を控え、空気がこもりがちになることによる換気不足も大きな原因です。
室内に水蒸気や汚れた空気が溜まり、湿気が蓄積することで、結露はより深刻化してしまいます。
カビ
もし、部屋の天井に黒いシミや斑点が現れたら、それはカビの発生を疑うべきサインかもしれません。
カビの大きな原因の一つは、室内の高湿度です。湿度が高くなると空気中の水分が壁や天井に凝結(結露)しやすくなり、その水分を栄養源としてカビが発生・繁殖しやすくなります。
特に、梅雨時期や夏場は湿度が非常に高くなりがちで、カビの繁殖条件が整ってしまうため注意が必要です。
住まいの湿気対策を怠るとどうなる?

毎朝、窓の結露を拭き取る作業を面倒に感じる方も多いでしょう。
しかし、住まいの湿気対策を放置すると、アレルギーや喘息などの健康被害のリスクがあるだけでなく、家の構造体の深刻な劣化にもつながる恐れがあります。
アレルギーや喘息の原因に
結露をそのままにしておくと、その水分を栄養源としてカビやダニが大量に発生しやすくなります。
これらは、アレルギーや喘息などの健康被害を引き起こす大きな原因となります。
特に、免疫力が弱い小さなお子さまや高齢者がいるご家庭では、症状がさらに進んでしまう前に早急な対策が必要です。
健康な生活を守るためにも、目に見える結露だけでなく、壁の裏側などで進行する湿気の問題にも目を向けることが大切です。
住まいの劣化につながる
結露によって発生した水分が壁や床に浸み込むと、建物を支える木材の腐食や構造体の劣化を引き起こす可能性があります。
さらに、湿った木材はシロアリを呼び寄せやすくなり、見えないところで家のダメージが進行するケースも少なくありません。
こうした劣化は発見が遅れると大規模な修繕工事が必要となり、コスト面で大きな負担となるため、「少しの水滴」と侮らず、早めの対策が不可欠です。
住まいの湿気の原因とは?

ご自宅の湿気トラブルを根本から解決するためには、まず原因を特定することが重要です。
住まいの湿気の主な原因は、構造や設備に関連する以下の4つの要素に分けられます。
- 床下の換気が不十分
- 断熱性・気密性が低い
- 24時間換気システムがない
- 外壁に雨水がしみ込んでいる
どのような原因で湿気が気になる状態となっているのか、一つずつ確認していきましょう。
床下の換気が不十分
広島では、昔から住み継がれてきた古い木造住宅も多く見られます。
古い家によくある地面に石を置いた束基礎(つかぎそ)の場合、地面の土から直接湿気が侵入している可能性があります。
また、コンクリート基礎であっても、古い家では床下の換気が不十分で湿気が滞留しやすく、家全体を湿らせる原因となります。
床下の湿気は構造材の腐食やシロアリ発生のリスクを高めるため、特に注意が必要です。
断熱性・気密性が低い
結露は、室内の暖かい空気と外気の冷たさによる温度差で起こります。
断熱性や気密性が低い家では、暖かい空気が壁や屋根裏などの構造内部に入り込み、外気で冷やされることで内部結露が発生します。
この内部結露による水分が壁の内部に溜まることで湿気となり、目に見えないカビの温床となってしまうのです。
この状態を放置すると、建物の耐久性が著しく低下し、大規模な修繕が必要になる可能性があります。
24時間換気システムがない
室内の空気を効率よく入れ替える計画的な換気は、湿気や結露対策の基本です。
現在の住宅では24時間換気が義務化されていますが、昔の家には換気システムがない場合が多く、空気がこもりやすくなります。
特に高気密な家では、自然に空気が抜けにくいため、家全体の風通しが悪くなったり、換気システムがないと湿気が滞留する原因となります。
滞留した湿気は、結露だけでなく異臭やシックハウスの原因にもなるため、古い家ほど対策が必要です。
外壁に雨水がしみ込んでいる
外壁の湿気は、外部からの水の侵入が原因となることがあります。
外壁に小さなヒビ(クラック)があったり、窓枠や玄関ドア周りのパッキンが劣化していたりすると、そこから雨水が壁の内部に侵入してしまう場合があります。
外壁と窓枠や玄関ドアの枠に隙間がある場合も同様で、構造材に水分がしみ込むことで湿気トラブルを引き起こします。
特に台風や長雨の後は、壁の内部で水分が広がり、建材の腐食を急速に進めるリスクが高まります。
広島の湿気対策におすすめのリフォーム

湿気の原因を特定したら、次は適切な対策を行いましょう。
広島の気候や住まいの構造に合わせたリフォームを行うことで、湿気や結露の悩みは大幅に改善できます。
ここでは、湿気対策におすすめな以下のリフォームについて詳しくご紹介していきます。
- 調湿効果のある内装材に変える
- 収納の湿気対策をする
- 床下の湿気対策をする
- 内窓を設置する
- 浴室乾燥機を設置する
- 住まい全体の断熱工事をする
- 間仕切りをなくして風が通るようにする
調湿効果のある内装材に変える
室内の壁材を湿度を自動で調節できる素材へ変更すると、一年中快適な空間を実現できます。
調湿効果のある内装材の一例として、以下のようなものが挙げられます。
- ・漆喰(しっくい)仕上げの塗り壁:調湿性に加え、防臭・防火性も備え、和風・洋風どちらにも対応できます。
- 珪藻土(けいそうど)クロス:自然素材で調湿性に優れ、ナチュラルな風合いが魅力です。
- リクシル社のエコカラット:湿気が多い時は水分を吸収し、乾燥時には湿気を放出する機能があり、寝室やリビングにおすすめです。
特に水回りには、水滴が付着した際に拭き掃除がしやすいパネルタイプの素材を採用すると、メンテナンスの手間が減ってカビの発生を防げます。
収納の湿気対策をする
見逃しがちな押入れやクローゼットなどの収納内は、閉め切ったままだと空気がこもりやすく、湿気がたまりやすい場所です。
リフォームのタイミングで、カビの発生を抑える対策を行いましょう。
具体的な方法として、収納内の壁に調湿パネルを貼ることで湿度をコントロールする方法があります。
また、通気口(ガラリ)を設置して空気の流れを確保したり、扉をルーバータイプに変更して通気性をアップさせたりするのも効果的です。
さらに、除湿ファンや小型換気扇を取り付ける対策もあります。これらの収納内の湿気対策は、大切な衣類や布団をカビから守るためにも非常に効果的です。
床下の湿気対策をする
押入れや畳、洗面脱衣所などのカビ・湿気は、床下の環境が原因となっていることが多くあります。
この場合、床下に換気扇(換気システム)を設置することで、床下の湿気を強制的に外へ排出し、新鮮な空気を取り込むことが可能です。
また、土が見えている床下には、防湿シートを敷く工事も効果的な選択肢です。
さらにその上からコンクリートを施工すれば、地面からの湿気の侵入をほぼ完全に防ぐことができ、より長期的な対策となります。
床下の環境改善は、家全体の耐久性向上にも繋がります。
見えない床下こそ、住まいの健康を支える重要な土台であり、早期の対策が建物を長持ちさせる秘訣です。
内窓を設置する
窓の湿気、特に結露対策は、リフォームの中でも非常に効果的で即効性の高い方法です。
既存の窓の内側にもう一つ窓を取り付けて二重窓(内窓)にするだけでも、窓周りの断熱性・気密性が大幅に向上します。
これにより、窓ガラスの表面温度が外気に左右されにくくなり、結露や湿気によるトラブルが減少します。
戸建て住宅の場合、窓サッシごと断熱性の高い最新のサッシと窓に交換することも可能です。
マンションの場合は窓が共有部分にあたり改修が難しいことが多いですが、内窓設置は比較的容易に実施できるケースが多くおすすめです。
内窓は断熱効果により冷暖房費の削減にもつながり、防音性も高まる一石二鳥の対策です。
浴室乾燥機を設置する
室内に干した洗濯物からの湿気は、室内の湿度を急激に上げ、カビや結露の大きな原因となることがあります。
この場合、お風呂に浴室乾燥機を設置することが有効です。
浴室乾燥機は、洗濯物を乾かすだけでなく、入浴後の浴室内の湿気を排出し、お風呂のカビ対策としても非常に有効です。
換気機能も強化されるため、水回り全体の湿気問題解決に繋がります。
特に、日当たりが悪く洗濯物を外に干せないご家庭や、共働きで夜に洗濯をするご家庭におすすめの設備です。
住まい全体の断熱工事をする
結露の大きな原因である温度差を根本から解消するためには、住まい全体の断熱性を高めるリフォームも効果的です。
外気の影響を受けにくく、室内の熱を屋外に逃がしにくい家にするため、壁や床、天井に高性能な断熱材を施工します。
これと同時に窓サッシの変更などを行うことで、結露の発生を抑制できるのはもちろん、冷暖房の効率が上がり、一年中快適に過ごせる省エネ住宅へと生まれ変わります。
家全体を高性能化することで、資産価値の向上にも大きく貢献します。
また、部屋ごとの温度差が小さくなり、ヒートショックのリスクを軽減できるなど、家族の健康を守ることにもつながります。
高温多湿の広島で家を長持ちさせるためにも、断熱は欠かせない対策です。
間仕切りをなくして風が通るようにする
住まいの通気性は、湿気対策の要です。
じつは壁や建具の配置によって、家の中の風の流れは大きく変わります。
リフォームでは、単に生活のしやすさだけでなく、「いかに風を通すか」という視点で間取りを根本から見直すことをおすすめします。
具体的な方法としては、間仕切りを撤去して風が通り抜ける開放的な空間を創出したり、既存の引き戸を格子デザインに変更して通気性を高めたりする方法があります。
また、高窓や天窓を新設することで、家の中に空気の通り道を作り、自然換気を促すことも可能です。
リフォームによって通気・換気の課題まで解決すれば、湿気に悩まされることがなく、長く快適な住まいを実現できるでしょう。
広島の湿気対策リフォームにおすすめの時期は?

湿気対策のリフォームは一年中いつでも可能ですが、しっかりと効果を実感するためには、湿気や結露が気になる季節よりも前もって対策を完了しておくことが大切です。
特におすすめなのが秋です。本格的な冬の寒さや結露が始まる前にリフォームを済ませておけば、トラブルを未然に防ぐことができます。
また、結露対策の基本である断熱性を高める工事は、暖房を使い始める時期に合わせて行うことで、すぐに冷暖房費の削減という省エネ効果を実感できます。
秋は、住まいの空気環境を根本から見直し、快適な冬を迎えるための最適なタイミングと言えるでしょう。
さらに、梅雨や真夏の作業よりも天候に左右されにくいため、リフォーム工事をスムーズに進めやすいメリットもあります。
広島の湿気対策リフォームは山根木材へ
「湿気が気になるけれど、どこまで対処すべきか悩む」という方は多いでしょう。
山根木材では、床下や壁、窓、天井裏など、普段見えない部分まで徹底的にチェックする住まいの健康診断「住診」を実施しています。
この「住診」により、結露や湿気の影響、リフォームの必要性を確認できるだけでなく、耐震性やシロアリ被害など、これから長く安心して暮らすために必要な住まいの状況を細かく診断できます。
湿気対策をきっかけに、ぜひ一度ご検討ください。
※弊社では、広島県内を施工エリアとさせていただいています。






