ふすまリフォーム費用相場!張り替え2千円から交換の値段まで解説
和室の顔ともいえる「ふすま」ですが、築年数が経つにつれて汚れや日焼け、破れが目立ってきます。
いざリフォームを考えたとき、単なる張り替えで済むのか、あるいは洋風の引き戸やドアへ交換すべきなのか、その費用差に悩む方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ふすまリフォームにおける最新の費用相場を徹底解説します。
1枚あたりの単価から、和室を洋室化する際の工賃、業者選びのポイントまで、失敗しないための知識を網羅しました。
ふすまリフォームの費用相場比較表

ふすまのリフォームは、作業の規模によって費用が大きく異なります。
まずは、検討中の内容がどの程度の予算感になるのか、全体像を把握しましょう。
表面の張り替え費用
ふすまの紙を新しくする「張り替え」の費用相場は、1枚あたり2,000円から8,000円程度です。
この価格差は、使用するふすま紙のグレードによって決まります。
賃貸物件や子供部屋などで使われる安価な「量産品」であれば2,000円から3,000円程度で済みますが、手漉きの和紙や高級な織物を用いた場合は、材料費だけで1万円を超えることも珍しくありません。
また、張り替えを業者に依頼する場合、これに加えて基本工賃や出張費が加算されるのが一般的です。
例えば、和室1部屋分(ふすま4枚)を張り替える場合、最低でも1万円から2万円前後の予算を見ておく必要があります。
表面が綺麗になるだけで部屋の明るさが劇的に変わるため、骨組みがしっかりしている場合には最もコストパフォーマンスの高いリライト手法といえます。
本体の新調交換費用
ふすまの骨組み(芯材)が歪んでいたり、破損が激しかったりする場合は、表面の張り替えではなく「本体ごとの新調(交換)」が必要になります。
この場合の費用相場は、1枚あたり1万円から3万円程度です。
新調のメリットは、建付けの悪さを根本から解消できる点にあります。
新調費用には、新しいふすま本体の代金、ふすま紙の代金、そして現場に合わせた削り合わせ(建て合わせ)の工賃が含まれます。
特に古い家屋の場合、敷居や鴨居が歪んでいることが多いため、職人が現場で微調整を行う「建て合わせ」の技術が欠かせません。
この調整を怠ると、新しいふすまでも開閉がスムーズにいかないトラブルに繋がります。
部屋全体のふすまを新しくする場合は、古いふすまの処分費用(1枚500円から1,500円程度)も別途必要になることを覚えておきましょう。
洋風ドアや引き戸へのリフォーム費用
和室を現代的なライフスタイルに合わせて「洋風の引き戸や開き戸(ドア)」へリフォームする場合、費用はさらに高くなります。
既存の枠をそのまま利用して、ふすまの代わりに設置できる「後付け用の引き戸」であれば、1枚あたり3万円から10万円程度で交換が可能です。
一方で、和室のイメージを一新するために「枠ごと交換」してドアを設置したり、壁にリフォームしたりする場合は、大工仕事が発生するため10万円から25万円程度の予算が必要となります。
これには解体費、廃材処分費、新しい枠の設置費、そして建具代が含まれます。
特にふすまから「開き戸(ドア)」へ変更する場合は、気密性や遮音性が向上するメリットがありますが、床の段差解消工事など付随するリフォームが発生しやすいため、見積もり時には工事範囲を詳細に確認することが重要です。
状態別に見る最適なリフォーム方法の判断基準

「うちのふすまは張り替えだけで大丈夫?」という疑問を解決するために、現状の劣化状態に合わせた最適なリフォームの選び方を解説します。
張り替えで対応可能な劣化症状
張り替えだけで十分なのは、主に「見た目」の問題に留まっている場合です。
具体的には、表面の日焼けや色あせ、小さな破れ、手垢による汚れなどが挙げられます。
ふすまの骨組み(芯材)が木製(本襖)であれば、何度も張り替えを行うことで30年以上使い続けることができます。
また、部屋の雰囲気を手軽に変えたいという動機も、張り替えの適時です。
最近ではモダンな和柄や北欧風のデザインなど、多様なふすま紙が登場しており、2,000円からという安価な料金でリフォームが楽しめます。
ただし、ふすまを指で押した際に中がスカスカしている「段ボール襖」や「発泡スチロール襖」の場合は、張り替えができる回数に限りがある(通常1〜2回)ため、前回のメンテナンス時期を確認しておく必要があります。
本体ごとの交換が必要なケース
「ふすまが重くて開閉しづらい」「常に隙間ができている」といった症状がある場合は、本体交換を検討すべきサインです。
これは表面の紙の問題ではなく、骨組み自体の歪みや腐食、あるいは芯材の寿命が原因です。
特に安価な量産襖(段ボール襖など)は、湿気や経年劣化で芯材が反りやすいため、10年前後が交換の目安とされています。
また、枠(縁)が折れている、引き手が外れて穴が広がっているといった構造的な破損がある場合も、修理費用をかけるより新調したほうが結果的に安く済むケースが多いです。
本体を新しくする際は、既存の枠に合わせるだけでなく、今のライフスタイルに合わせた「戸襖(片面が板張りのもの)」などに変更することで、隣接する洋室との親和性を高めることも可能です。
和室を洋室化するメリット
ふすまを廃止して洋風の建具に変えるリフォームには、単なる見た目以上の価値があります。
最大のメリットは、遮音性と気密性の向上です。元来、ふすまは通気性を重視した構造であるため、音漏れや冷暖房の逃げが課題でした。
これを開き戸(ドア)や、気密性の高い洋風引き戸に変更することで、冬場の冷気(コールドドラフト)を遮断し、電気代の節約にも繋がります。
また、ふすま特有の「メンテナンスの頻度」からも解放されます。
紙のように破れる心配がなく、表面を水拭きできる素材を選ぶことで、小さなお子様やペットがいる家庭でもストレスなく過ごせます。
リビングに面した和室を、採光性の高いガラス入りの引き戸に変えれば、閉め切っても部屋が暗くならず、開放的な空間を維持できるという心理的なメリットも大きいです。
ふすま紙のグレードと芯材による料金の違い
リフォーム費用に最も影響を与えるのが「素材」です。
価格だけでなく、それぞれの特徴を理解して選択しましょう。
量産品から高級織物までの紙代
ふすま紙には大きく分けて4つのランクがあり、選ぶものによって料金が倍以上に変わります。
まず、最も普及しているのが「鳥の子紙(量産品)」です。
機械漉きのパルプを主成分とした紙で、1枚2,000円程度と安価ですが、質感はやや平面的です。
次に、「上級織物」は布(糸)を編み込んで作られており、耐久性が高く、落ち着いた光沢が特徴で、5,000円から8,000円程度が相場です。
さらに高級なものになると、手漉きの「本鳥の子」があり、和紙本来の風合いと調湿機能を備えています。こちらは1枚1万円以上することもあり、仏間や格式高い客間向けです。
このように、使用する紙の「単価」を事前に確認しておくことが、見積もり金額の妥当性を判断する鍵となります。
安すぎる見積もりは、極端に薄い量産紙が使われている可能性があるため注意が必要です。
段ボール襖や本襖など芯材別の特徴
ふすまの「中身(芯材)」によって、リフォームのしやすさと耐用年数が決まります。
昔ながらの「本襖(和襖)」は、木製の格子状の骨組みに何層もの紙を重ねて作られており、1枚の値段は高いですが、修理や張り替えを繰り返すことが可能な一生モノの建具です。
対して、近年主流の「段ボール襖」や「発泡スチロール襖」は、芯材に軽量な素材を使用しており、製作コストが低く抑えられています。
そのため「買い替え」を前提とした消耗品に近い側面があり、本格的な水糊を使った張り替えができない場合が多いです(アイロンやシールタイプを使用)。
自分の家のふすまを叩いてみて、「コンコン」と軽い音がすれば量産襖、「トントン」と詰まった音がすれば本襖である可能性が高いので、まずはどちらのタイプかを確認してみましょう。
枠の交換と修理にかかる追加料金
ふすまの「枠(縁)」や「敷居・鴨居」の状態も、費用に直結します。
ふすまの枠は通常、黒漆塗りや杉などの木材で作られていますが、これが傷ついたり割れたりしている場合、枠だけの交換で1枚あたり3,000円から5,000円程度の追加費用が発生します。
また、和室のリフォームで意外と見落としがちなのが「サッシやレール」の交換です。
長年使い続けた敷居がすり減っている場合、新しいふすまを入れても動きが悪いままです。
これを滑りの良いVレールに変更したり、サッシを金属製のものに交換したりすると、さらに数万円の費用が加算されます。
見積もりを確認する際は、建具本体の代金だけでなく、こうした周辺部品の修理・交換が含まれているかを必ずチェックしましょう。
依頼先別の料金体系とメリット
どこに依頼するかで、安心感と最終的な支払い金額が変わります。
近隣の表具店や専門店
地元で古くから営業している「表具店」や「ふすま専門店」に依頼する最大のメリットは、職人の高い技術力と小回りの良さです。
専門店は中間マージンが発生しないため、高級な和紙や織物を使っても、ハウスメーカーより安く済むケースが多いです。
料金体系は非常にシンプルで、「紙代+工賃」の明朗会計が一般的です。
また、専門店であれば「この家の湿気具合なら、この紙が適している」といった地域密着型の専門的なアドバイスが受けられます。
1枚単位での張り替えにも快く応じてくれることが多く、まずは自宅近くの店舗へ電話して、1枚あたりの概算価格を聞いてみるのが、リフォームの第一歩としておすすめです。
カインズなど大手ホームセンター
「カインズ」や「コーナン」といった大手ホームセンターに依頼する場合、価格の分かりやすさと依頼のしやすさが魅力です。
店頭に展示されているカタログから紙を選び、定額制のパック料金(例:1枚3,500円〜など)で申し込めるため、予算計画が立てやすいという特徴があります。
ただし、ホームセンター自体が作業を行うわけではなく、提携している施工業者が派遣されます。
そのため、極めて専門的な建付けの調整が必要な古い和襖や、特殊なサイズのふすまに関しては、追加料金が発生したり、対応不可と言われたりする場合もあります。
定型サイズ(高さ180cm程度)の量産襖を、手軽に安くリフレッシュしたいというニーズには非常に適した選択肢です。
リフォーム会社による全体工事
ふすま単体ではなく、畳の表替えやクロスの張り替えなど、和室全体の修繕を考えているならリフォーム会社が最適です。
会社によっては「和室パック」といった、まとめて安くなるプランを用意していることもあります。
リフォーム会社に頼む利点は、「襖を壁にする」「間仕切りを変える」といった大規模な提案力にあります。
1枚あたりの単価は、専門店より事務手数料等が加算される分だけ割高になる傾向がありますが、複数の職人を手配する手間が省け、工期も短縮できます。
また、アフターサポートが充実している大手であれば、万が一建付けに不具合が出た際の対応もスムーズです。
将来的な売却やバリアフリー化を見据えている場合は、トータルで相談できる会社を選びましょう。
マンションや賃貸物件での注意点
住居形態によって、ふすまリフォームのルールは異なります。
賃貸の退去時における原状回復費用
賃貸マンションやアパートにお住まいの場合、ふすまの張り替え費用は「誰が負担するか」が大きな問題になります。
国土交通省のガイドラインでは、普通に生活していて発生した日焼けなどは大家側の負担とされていますが、タバコのヤニ汚れや、ペットによる破れなどは借主側の負担(原状回復)となるのが一般的です。
退去時の張り替え費用は、業者価格に事務手数料が乗った状態で請求されることが多く、1枚あたり4,000円から6,000円程度が相場です。
管理会社によっては業者が指定されているため、自分で勝手にリフォームするとトラブルになる恐れがあります。
契約書の「特約事項」を確認し、もし自分で安く済ませたい場合は、事前に管理会社や大家さんに承諾を得てから、市販の「剥がせるタイプ」のふすま紙を使用するなどの工夫が必要です。
マンション和室の規約と施工制限
分譲マンションにおいて、ふすまをドアや壁に変更するような大規模なリフォームを行う際は、管理組合への申請が必要になる場合があります。
特に、ふすまを撤去してリビングの一部にするような「間取り変更」を伴う場合は、床材の防音規定(L値)なども関わってくるため注意が必要です。
また、マンション特有の建具として「戸襖(とぶすま)」があります。
これは和室側は紙張り、リビング側は洋風の木目合板になっている重い扉で、一般的な和襖とは構造が異なります。
戸襖の張り替えや交換は、一般的なふすまよりも工賃が高くなる傾向があり(1枚8,000円から15,000円程度)、専門的な技術を要します。
マンションの和室をリフォームする際は、同様の住戸での施工実績がある業者に依頼すると、特有の納まりや寸法に慣れているため安心です。
DIYとプロへの依頼におけるコスト比較
最近はDIYブームもあり、自分でふすまを直したいと考える方も増えています。
費用と手間のバランスを見てみましょう。
1枚1000円以下のセルフ張り替え費用
DIYの最大のメリットは、圧倒的な安さです。
ホームセンターやAmazonなどで購入できる「シールタイプ」や「アイロン貼り」のふすま紙を使えば、1枚あたり数百円から1,500円程度の材料費だけで済みます。
道具もカッターや定規、霧吹きなど家にあるもので代用可能なため、プロに頼む場合の3分の1以下のコストで抑えられます。
ただし、初心者が陥りやすい失敗として「シワ」や「たるみ」があります。
特に大型のふすまを一人でシワなく貼るのは非常に難しく、失敗して紙を買い直すと結局コストが嵩むこともあります。
また、古い紙を剥がす際に芯材を傷めてしまうと、業者に頼むよりも高くつく「新調」を余儀なくされるリスクもあります。
まずは押入れなどの目立たない場所で練習し、自分にできる範囲を見極めることが重要です。
プロに任せる安心感と保証の内容
プロに依頼する価値は、単に紙を貼ることだけでなく、「建て付け調整」と「耐久性」にあります。
ふすまの枠を一度外して、長年の使用で固まった汚れを落とし、歪みをミリ単位で修正して納めるのは、熟練の職人ならではの技です。
また、プロが使用する「糊付けタイプ」の張り替えは、シールタイプに比べて紙がピンと張り、時間が経っても剥がれにくいという特徴があります。
多くの業者では、施工後の不具合に対して一定期間の保証を設けているため、万が一シワが寄ったり、動きが悪くなったりしても無償で調整してもらえます。
特に、大切なお客様を招く客間や、資産価値を保ちたい持ち家の場合は、数千円の差を惜しまずプロに任せるほうが、結果的に長く快適に使い続けることができます。
ふすまリフォームの成功事例
山根木材が手掛けた、ふすまリフォームの具体的な解決事例をご紹介します。
リビングの和室を採光引き戸に変更
リビングと和室の仕切りがふすまだったため、閉め切ると和室が暗く、リビングも閉塞感があるというお悩みでした。
リフォームでは、既存の枠を活用しつつ、ふすまを「採光タイプのモダン引き戸」に変更しました。
格子状のデザインに樹脂製の半透明パネルをはめ込んだ建具にすることで、太陽光が和室の奥まで差し込むようになり、日中は照明なしでも過ごせるほど明るくなりました。
また、見た目が洋風になったことで、リビングとの一体感が増し、部屋が以前よりも広く感じられるようになったと、大変お喜びいただけました。
和室のふすまをドアに変更して断熱性アップ
高齢の両親との同居を機に、和室を寝室として独立させるリフォームを行いました。
以前はふすま1枚で廊下と接していたため、冬場の隙間風がひどく、暖房の効きが悪い状態でした。
そこで、ふすまを撤去して「断熱・遮音性の高い開き戸(ドア)」に変更しました。枠もしっかりと新設したことで、気密性が劇的に向上。
冬場の室温が3度以上高くなり、夜間の静かさも保たれるようになりました。
和の雰囲気を損なわないよう、シックな木目調のデザインを採用し、モダンで落ち着いた寝室へと生まれ変わりました。
まとめ
ふすまのリフォームは、「表面の張り替え(2,000円〜)」で手軽に綺麗にする方法から、「本体の新調(1万円〜)」、そして「洋風化リフォーム(3万円〜)」まで、予算と目的に応じて幅広い選択肢があります。
最も大切なのは、今のふすまの状態を正しく判断することです。
骨組みが生きているなら張り替えを、歪みや機能不足を感じるなら交換や洋室化を検討しましょう。
特に自分でのDIYは魅力的な低価格ですが、仕上がりの美しさや耐久性を求めるなら、一度専門業者に見積もりを依頼し、適正な価格相場を確認してみることをおすすめします。
ふすまを新しくして、お住まいの空間をより快適で明るい場所に変えてみませんか?
山根木材では「永く住み継がれる家づくり」を目指し、これまでに累積1万件を超える施工を手掛けてきました。
私たちはお客様の住まいと暮らしに寄り添うライフパートナーとして、ご家族の思いに耳を傾け、ライフステージの変化も見据えた、お客様の暮らしに寄り添ったリフォームプランをご提案します。
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※弊社では、広島県内を施工エリアとさせていただいています。







