インナーガレージとは?メリット・デメリットや注意点を解説

  • 作成日:2024/01/17
  • 更新日:2024/02/21
  • 編集者:山根木材メディア編集部
インナーガレージとは?メリット・デメリットや注意点を解説

昨今の住宅価格高騰の影響で、地価の高い都内を中心に狭小住宅が人気となっています。
狭小住宅だと駐車スペースを設けるのが難しい点がネックです。
そんな面積の限られた土地でも駐車スペースを確保する手段として、住宅内の一部に設置する「インナーガレージ」が注目されています。

インナーガレージがあれば、面積が狭い敷地内でも駐車スペースを確保できるうえ、DIYや趣味に没頭するためのスペースとして活用できるなど、多くのメリットが期待できるでしょう。
しかし、家の一部にガレージを組み込むことで生じるデメリットもある点は要注意です。

この記事では、住宅の敷地内に駐車スペースを設けたいと考えている人に向けて、インナーガレージのメリット・デメリットを比較しながら徹底解説します。
この記事を読めば、自分たちのライフスタイルにインナーガレージが適しているかどうか判断できるようになるでしょう。

インナーガレージとは

インナーガレージとは、建物の間取りの一部に内包したガレージのことをいいます。
住宅の内部に組み込まれたガレージを意味する「ビルトインガレージ」との違いは特にありません。
インナーガレージのある家を「ガレージハウス」と呼ぶこともあります。

インナーガレージには出入り口にシャッターを設けないオープンタイプと、シャッターで開閉することで外部と仕切れるようにしたクローズタイプがあります。
クローズタイプはシャッターを閉めると完全に建物に囲まれた状態となるため、駐車スペースとしてだけでなく、一つの部屋として多用途に使えるのが特徴です。

インナーガレージのサイズ

インナーガレージを設置するにあたって、最低限必要な広さ・高さはどれくらいなのでしょうか。
結論からいえば、駐車したい車種や想定している用途など、施主の希望によって求められるサイズは異なってきます。
例えば、車を駐車する以外にも収納スペースとして活用したい、バイクや自転車も格納したい、DIYや「おうちキャンプ」を楽しめるスペースにしたいなど、さまざまな用途が考えられます。
ここで紹介する広さや高さは、あくまでも駐車スペースを確保するための目安ととらえてください。

インナーガレージの広さ

まずはインナーガレージに必要な広さの目安を見ていきます。標準的な乗用車1台を駐車する目的のガレージであれば、幅3m×奥行6mは確保しておきたいところです。
2台を並列駐車したい場合の必要サイズは幅6m×奥行6mとなります。両側の扉をスムーズに開閉できるようにするなら、+0.7mほど横幅を確保するとよいでしょう。

縦列駐車にする場合、幅は1台のときと変わらず、奥行を2台分の12m程度確保する必要があります。土地の形状に合わせて並列・縦列を選びましょう。
坪数に直すと車1台分の必要駐車面積は普通車で約4.5坪、軽自動車で約3.5坪です。車2台分となると約10〜11坪のスペースが必要となります。

インナーガレージの高さ

上部に建物があるインナーガレージは、広さとともに高さの検討も重要です。
駐車する車の全高を確認し、少し余裕があるくらいの高さを確保するようにしましょう。
なお、よほど特殊な外国車でない限り、バックドアを全開にした状態でも約2mの高さを見ておけば問題ありません。天井高を2.5m取れば、駐車しても余裕のあるスペースになります。

ただし、ベンツのGクラスやハマーなど大型の外国車だと全高が2m以上の車もあります。
こうした車に将来乗ってみたいと考えているなら、インナーガレージは2.5m以上の高さで設計しておくとよいでしょう。

インナーガレージは1階に設けるのが基本であり、天井高を高くすると建物全体の耐久性・耐震性に影響する可能性があります。
インナーガレージの高さはハウスメーカーや施工会社に相談しながら、建物強度に影響しない範囲で検討しましょう。

インナーガレージのメリット

インナーガレージを間取りに取り入れると、どのようなメリットがあるのでしょうか。
インナーガレージが持つ6つのメリットを紹介します。

24時間365日、いつでも愛車を眺めたりメンテナンスしたりできる

「愛車を大切にしたい」「とにかく手をかけたい」という愛車好きの方にとって、愛車専用のインナーガレージは天国のような空間です。
誰にも邪魔されず、好きなときに好きなだけメンテナンスやカスタマイズを楽しめます。

居室との間に窓やガラスを設けて、室内からいつでも愛車を眺められる間取りにしてもよいでしょう。愛車好きが趣味の時間を大切にできる点はインナーガレージの大きな魅力です。

天候の悪い日でも車への乗り降りがスムーズ

インナーガレージは愛車好きだけでなく、家族全員にとってメリットの大きい間取りです。
インナーガレージは直接室内へつながっているため、雨や風が強い日でも車の乗り降りがスムーズに行えます。

雨の日でも濡れずに室内と行き来できるので、いちいち傘を差す必要がなく、荷物や買ってきたものが濡れることもありません。
車を使う機会の多い小さなお子さんや高齢者がいる家庭では、車で買い物やレジャーに出かけるときのストレスが軽減されるでしょう。

愛車を風雨や紫外線から守れる

愛車を屋外に駐車していると雨による汚れが付着したり、紫外線による色あせが進んだりします。
強風による飛来物やひょう・あられなどで、表面に傷や凹みが生じるリスクもあるかもしれません。
インナーガレージに駐車しておけば、こうした自然環境から愛車を守ることができます。

花粉や近年問題になっている黄砂、住むエリアによっては火山灰などの汚れからも愛車を守ることができ、洗車にかかる手間が少なくなるのも魅力です。

広さが限られた土地でも駐車スペースを設けられる

都心部の狭小地のように敷地面積が限られていても、敷地内に駐車スペースを確保できる点も大きなメリットです。
狭小住宅を建てるときは少しでも居住スペースを広げるため、敷地いっぱいに建設するのが一般的です。スペースに余白がないので、なかなか駐車スペースや庭を設置するのは難しいでしょう。
そうなると近隣で月極駐車場を借りなければならず、毎月駐車場代がかかってしまいます。

インナーガレージを設ければ月極駐車場を借りる必要がなく、固定費の削減につながります。
また、目の届きやすい敷地内に駐車することによる防犯面での安心感も魅力です。愛車が盗難やいたずらに遭うリスクを軽減できるでしょう。

趣味や家族のためのスペースとしても使い勝手がいい

駐車スペースとしての利用が基本のインナーガレージですが、車が停まっていない状態であれば子どもの遊び場にもってこいです。
家の中から様子が確認でき、防犯や交通安全の面からも安心できます。

また、広さに余裕を持たせることでDIYなどの作業スペースとして活用する、アウトドア用品や冬用タイヤの収納スペースを設けるといったことも可能です。
屋外で使うアウトドア用品などはかさばるうえ、室内に置いておくのは抵抗感があるもの。
インナーガレージにしまえれば、室外に物置を置いたり外部のレンタルスペースを借りたりする必要がなく、見た目にもスッキリと収納できます。

部屋として使うこともできる

出入り口をシャッターで仕切ることのできるクローズタイプのインナーガレージなら、外と室内の中間的な使い方ができる居室としても重宝します。

例えばモニターやソファ、テーブルなどを設置してシアタールームとして使ったり、ホームパーティの会場にして友だちを招待したりするといった使い方が考えられます。
インナーガレージは床が汚れても水洗いできるので、汚れが気になる使い方にも適しています。

将来的に部屋が不足するようであれば、子ども部屋にリフォームするといったことも可能です。
ただし、インナーガレージには容積率の特例が適用されているため、居室化することで容積率が規定値をオーバーしないよう注意しましょう。

インナーガレージのデメリット

さまざまな魅力のあるインナーガレージですが、取り入れることによって生じるデメリットもあります。メリット・デメリットの両面を比較したうえで導入するか否かを判断しましょう。

1階の床面積が減る

インナーガレージを設置するのは「1階を車の居室にする」ことに他ならず、家族の居住スペースは2階より上に配置する必要があります。
狭小地だと1階がほとんどインナーガレージに取られる可能性が高く、居室スペース確保のために3階建てとなるでしょう。

1階の間取りが制限され、全体的な設計難易度が高まります。多くの居室が2・3階に集約されるので、生活における上下移動が増える点も注意が必要です。

排気ガスの換気対策が必要

クローズタイプのインナーガレージで車のエンジンをかけると、排気ガスが室内に充満して危険です。クローズタイプでは、排気ガスを素早く外へ排出できるよう換気対策を万全にしておく必要があります。

インナーガレージの換気対策として有効なのが換気扇と小窓の設置です。ただ、窓の大きさや位置によっては防犯性に不安が生じる可能性もあるでしょう。
防犯性を強化するには、人が侵入できないよう高めの位置に横長の窓を設ける、窓ではなく強力な換気扇で対応するなどの対策が有効です。

加えて、居室との間にガラス窓を設置し、居室からガレージ内部を見通せるようにするといった「侵入させない」工夫も重要です。

住宅の耐震性が低くなる可能性がある

1階にインナーガレージを設けると、住宅の耐震性が低くなる可能性がある点にも注意しましょう。
インナーガレージを設置するには1階の開口部を広く取らなければならないため、1階の道路側の壁や柱が減ってしまいます。
1階の支えが少ない状態になるので、一般的な住宅に比べて耐震性が低くなりやすいのです。
特に、3階建てで細長い形状の狭小住宅はもともと耐震性が低いことがあり、設計上の工夫が必要になります。

建築費が高くなりやすい

インナーガレージのある住宅は、通常に比べて建築費が高くなりやすいという難点もあります。
大きな間口を要する駐車スペースを室内に確保しなければならないことに加え、インナーガレージの場合にはシャッターや換気扇などの特別な設備も必要です。
耐震性を向上するために強固な構造が求められるので、一般的な木造住宅よりも価格が高くなる傾向にあります。

インナーガレージでより快適に過ごすための設備5選

駐車スペースとしてだけでなく、作業スペースや遊び場、居室などさまざまな用途での活用が期待できるインナーガレージ。より快適に過ごすために検討したい5つの設備を紹介します。

照明

部屋の印象を大きく左右する照明選び。インナーガレージも、どのような照明にするかで快適性やデザイン性が大きく変わります。
居住空間の一部として使うなら空間全体を照らせるような照明、ホームパーティなど人をもてなすスペースとして考えるなら雰囲気のある照明、作業で使うなら手元のよく見える明るい照明など、使用目的に合わせた明かりを選びましょう。
またダウンライトやスポットライト、ペンダントライトなどのおしゃれな照明を選べば、空間のデザイン性を高めることもできます。

水道・排水設備

インナーガレージ内で洗車したり、パーティや作業で使ったものを洗ったりしたりするため、水道や排水口、シンクなどの水道・排水設備を用意しておくと便利です。
近年は都市部でのゲリラ豪雨も増えており、インナーガレージの浸水対策もしておくと安心。排水用の勾配を設けるなど、水が溜まりにくいように設計するとよいでしょう。

エアコンや除湿器

インナーガレージを居室や作業スペースとして使いたいのであれば、エアコンは必須です。
また、ガレージは耐久性や密閉性に優れた作りになっているため、湿気がこもりやすいという特徴があります。
湿気だまりを放置していると愛車や部品が錆びつく要因になるので、エアコンとともに除湿器を設置するのもおすすめです。

収納スペース

インナーガレージを駐車スペース以外の目的で活用するなら、収納を設置すると何かと使い勝手がよくなります。
棚や壁面収納があれば、カー用品やメンテナンス用の道具も整理整頓できます。棚や壁面収納を設置すれば、アウトドア用品、DIY道具なども室内を汚すことなく収納可能です。

電気自動車用の充電用設備

電気自動車用の充電設備も、インナーガレージに設置しておきたいものです。電気自動車は今後さらなる普及が予想され、将来電気自動車に買い替えることがあるかもしれません。
充電設備を後付けするとなると大掛かりな工事が必要になるかもしれないので、新築での設置がおすすめです。
電気が必要なのは電気自動車に限らず、幅広い用途で重宝する可能性があります。コンセントは必ずつけるようにしましょう。

インナーガレージを作る際の注意点

使い勝手のよいインナーガレージを実現するには、気を付けるべき注意点がいくつかあります。順番に紹介していきましょう。

将来的な車の買い替えや台数を想定する

現在乗っている愛車のサイズを基準にインナーガレージを設計すると、将来車を買い替えるときに選択肢が狭まってしまう可能性があります。
さらに現状車は1台だけで十分でも、子どもが成長するにしたがってもう1台欲しくなることも考えられます。
嗜好やライフステージの変化も想定し、長期的な目線でサイズ・仕様を決定しましょう。

ガレージから室内への動線を考慮する

インナーガレージのメリットは、車の乗降時の動線がコンパクトにまとまることです。
せっかく車に乗り降りしやすくなるので、それを生かした間取りになるよう意識しましょう。

玄関を通らず室内とガレージを直接行き来できるドアを設けることが多いですが、ドアをどこにつなげるかが重要です。
リビングや居室に直接つないでしまうと、帰宅時に洗面所やパントリーなどに立ち寄らなければなりません。
手洗いや買ってきたものの片付けがしやすい場所につなげれば、ストレスの少ない動線になるでしょう。

近所住民や家族への音対策は忘れずに

車を停める以上、インナーガレージに騒音対策は欠かせません。早朝・深夜に車の出入りがある場合、シャッターの開閉音で近隣住民に迷惑をかけてしまうケースもあります。
場合によっては近隣トラブルに発展する可能性があるため、十分に配慮しましょう。

また、エンジン音が室内に響きやすくなるので、早朝・深夜の出入りで寝ている家族を起こしてしまうかもしれません。
インナーガレージを設置するなら、室内外どちらに対しても音対策を忘れないようにしましょう。

インナーガレージの施工実例

最後に山根木材が手がけた注文住宅のなかから、インナーガレージを上手に取り入れた実例を紹介します。

二世帯住宅に設けられたこちらのインナーガレージは右が車用、左がバイク用に分かれています。左右とも車両を置いても余裕のある広さで、壁面に沿って収納棚を設置しました。
メンテナンスやカスタム用の道具を一式収納してあり、いつでも趣味に没頭できる夢の空間です。
内装には濃淡のある壁紙を使用し、ただの「駐車スペース」ではなく「こだわりの趣味空間」という雰囲気を演出しています。

家族にとって利便性の高いインナーガレージを作ろう

都市部の狭小住宅でも駐車スペースを確保できることから、人気が高まっているインナーガレージ。仕様や環境を整えれば、愛車好きの方だけでなく、家族にとっても利便性の高いスペースになります。
多様な使い方ができるよう、エアコンや水道・排水設備、照明、コンセントなどの設備を新築時にしっかり備えておくとよいでしょう。
インナーガレージは1階に大きな開口部と大空間を設けなければならず、耐震性能が高い家づくりが必須となります。特に木造の場合は要注意です。

広島・東広島・福山周辺でインナーガレージ付きの注文住宅を建てたいなら、ぜひ山根木材にご相談ください。
山根木材の家は、耐震等級1(建築基準法で定められた耐震基準と同等レベルの耐震性)の1.5倍という高い耐震性を有する「耐震等級3」を標準仕様に設定しており、インナーガレージがあっても地震に強い家づくりを叶えられます。

山根木材が目指すのは永く住み継がれる家づくりです。良質で満足度の高い家づくりが評価され、これまでに手がけた注文住宅は累積1万棟にもおよびます。
理想のマイホームを検討している方からのご相談をお待ちしています。

この記事を書いた人
yamane_mktg
山根木材メディア編集部

ヤマネホールディングス株式会社マーケティング課が、住まいの検討やより良い暮らしに向けたお役立ち情報などを発信しています。

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