昨今、その魅力が再認識され、若い世代を中心に注目を集めている平屋。
カフェやギャラリーのような、思わず目を引く素敵なデザインの平屋を見かける機会も増えてきました。
街でたまたま目にしたおしゃれな平屋に、憧れを抱いた方も多いのではないでしょうか。
しかし、平屋は横長のフォルムになるため、デザインに工夫がないと単調な印象になりがちです。
また、漠然としたイメージだけでは具体的なプランが固まらず、理想の家づくりがなかなか進まないことも。
この記事では、これからおしゃれな平屋を建てたいと考えているあなたへ、センスのいい外観を実現するためのポイントを、豊富な施工実例とともに徹底解説します。
デザインのテイスト選びから、外壁や屋根といった重要な要素、さらには後悔しないためのチェックリストまで、この記事を読めば理想の平屋づくりのヒントがきっと見つかります。
【テイスト別】真似したいおしゃれな平屋の外観実例15選

理想の家づくりの第一歩は、できるだけ多くの実例を見て、自分の「好き」を具体的にしていくことから始まります。
まずは、人気のデザインテイスト別に、おしゃれな平屋の外観実例をご紹介します。
洗練されたシンプルモダン
シンプルモダンは、その名の通り、ムダな装飾を削ぎ落としたシンプルな美しさが魅力のスタイルです。
直線的なラインを強調したフォルムや、白・黒・グレーを基調としたモノトーンの色使いが特徴で、都会的でスタイリッシュな印象を与えます。
近年人気のガルバリウム鋼板の外壁や、枠が目立たないFIX窓(はめごろし窓)などを採用することで、よりシャープでかっこいい外観を実現できます。
シンプルすぎるとのっぺりとした印象にもなりかねないため、玄関ドアに木目調を取り入れて温かみをプラスしたり、外壁の一部に異なる素材を組み合わせたりするのが、センスのいい家に見せるコツです。
▼施工実例「黒い金属サイディング外壁がスタイリッシュな平屋」
外観も室内もシンプルさを追求した一邸。
外壁に黒の金属サイディングを採用し、とことんスタイリッシュなイメージに仕上げました。
シャープな印象の中に、玄関まわりのタイルと木目調の玄関ドアがアクセントとなり、モダンな中にも柔らかい表情を加えています。
温かみのあるナチュラルモダン
ナチュラルモダンは、シンプルモダンの洗練されたデザインに、木や石といった自然素材の温かみを融合させたスタイルです。
ホワイトやグレー系の外壁をベースに、軒天や外壁の一部、玄関ドアなどに天然木の羽目板をアクセントとして取り入れるのが定番のデザイン。
無機質になりがちなモダンテイストに、自然の風合いが加わることで、クールすぎず、親しみやすい雰囲気が生まれます。
植栽のグリーンとも相性が良く、建物と庭が一体となった美しい景観をつくりやすいのも魅力です。
都会的なデザインが好きだけど、冷たい印象にはしたくない、という方にぴったりのスタイルと言えるでしょう。
落ち着きのある和モダン
日本の伝統的な美意識と、現代的なデザインを融合させた和モダン。
どこか懐かしく、それでいて古さを感じさせない落ち着いた佇まいが魅力です。
外壁には塗り壁や焼杉、格子といった和の要素を取り入れつつ、屋根はシャープな片流れ屋根にするなど、モダンな要素を組み合わせることでバランスを取ります。
色使いは、茶系や緑系のアースカラーとモノトーンが中心。
水平・垂直のラインを意識したデザインは、凛とした美しさを感じさせます。
屋外照明に行灯(あんどん)のようなデザインを選ぶなど、小物で和の要素を取り入れるのもおすすめです。
▼施工実例「焼杉の外観とガルバリウムの屋根が美しいモダンテイストな平屋」
外壁には日本古来の素材である焼杉、屋根には同色でスマートな印象のガルバリウム鋼板を採用。
木目調の軒天がアクセントになり、全体が引き締まった雰囲気に仕上がった和モダンの住まいです。
表面を炭化させた焼杉は、耐久性・耐火性にも優れており、デザイン性だけでなく機能性も兼ね備えています。
飽きのこないシンプルデザイン
流行に左右されず、長く愛せる家を建てたい方には、王道のシンプルデザインがおすすめです。
奇抜な形や色を使わず、建物の基本的な形である四角い箱(キューブ型)や、誰もが思い浮かべる三角屋根の形をベースにデザインを組み立てます。
外壁は白やベージュ、グレーといったベーシックカラーでまとめるのが一般的。
シンプルだからこそ、窓の配置や大きさ、玄関ドアのデザインなどが外観の印象を大きく左右します。
窓のラインを揃えたり、シンメトリー(左右対称)を意識したりすることで、端正で美しい外観になります。
暮らしながら庭の植栽を育てたり、季節の飾り付けを楽しんだりと、自分たちらしく彩りを加えていけるのもシンプルな家の魅力です。
個性が光るかっこいいデザイン
他の家とは一味違う、個性的でかっこいいデザインの平屋も人気です。
例えば、屋根が地面近くまで伸びるようなダイナミックな大屋根の家は、圧倒的な存在感を放ちます。
また、外壁にコンクリート打ちっぱなしや黒のガルバリウム鋼板といった無骨な素材を使うことで、インダストリアルな雰囲気を演出することもできます。
建物自体をコの字型やL字型にして中庭を設けるデザインは、プライバシーを確保しつつ、リゾートのような開放感を得られます。
かっこいいデザインは、個性を表現しやすい反面、一歩間違えると奇抜になりすぎる可能性も。
全体のバランスを考え、設計士とじっくり相談しながら進めることが成功の鍵です。
▼施工実例「大きな切妻屋根に包まれたダイナミックな平屋」
家の形状はシンプルながら、ダイナミックな切妻屋根が圧倒的な存在感を示す一邸。
焼杉の外壁とガルバリウム鋼板の屋根の組み合わせは、意匠性も抜群です。
計算されつくした軒の出の長さと屋根の勾配が、プライバシーを保ちながらも開放的な暮らしを実現しています。
平屋の外観をおしゃれに仕上げる3つの重要要素

好みのテイストが見つかったら、次はそのイメージを具体的に形にしていくステップです。
平屋の外観は、「外壁」「屋根」「窓」という3つの要素の組み合わせで、その印象が大きく決まります。
印象を左右する「外壁」の色と素材
外壁は家の面積の大部分を占めるため、外観の印象を決定づける最も重要な要素です。
色や素材によって、家の雰囲気はがらりと変わります。
主な外壁材の種類と特徴
外壁材には様々な種類があり、それぞれデザイン性や機能性が異なります。
- 窯業系サイディング
セメントを主原料とし、デザインや色が非常に豊富です。
木目調やタイル調など、リアルな質感を表現したものも多く、あらゆるテイストに対応できます。耐火性に優れ、現在の日本の住宅で最も多く採用されています。 - 金属系サイディング
ガルバリウム鋼板などが代表的です。
金属ならではのシャープでクールな質感が特徴で、モダンやインダストリアルな外観と相性抜群です。軽量で建物への負担が少なく、耐震性にも優れています。 - 塗り壁
職人が手作業で仕上げるため、独特の風合いと温かみが生まれます。
つなぎ目がないシームレスで美しい仕上がりが魅力で、南欧風やナチュラルなテイストによく合います。 - タイル
高級感と重厚感があり、耐久性が非常に高いのが特徴です。
初期費用は高めですが、色褪せや劣化がほとんどなく、メンテナンスの手間がかかりにくいというメリットがあります。
全面に使うのではなく、玄関まわりなどのアクセントとして使うのがおすすめです。 - 羽目板(木質系)
天然木ならではの温もりと美しい木目が魅力です。
経年変化によって味わいが増していくのも楽しみの一つ。
ナチュラルテイストや和モダンの外観のアクセントとして人気があります。
色選びで失敗しないためには、A4サイズ以上の大きなサンプルを取り寄せ、必ず屋外の太陽光の下で確認することが大切です。
小さなサンプルや室内照明の下で見るのとは、色の印象が大きく異なるため注意しましょう。
家の顔となる「屋根」の形状とデザイン
平屋は2階建てに比べて屋根が見える面積が広いため、屋根の形状も外観デザインを大きく左右します。
外壁とのバランスを考えながら、色や素材、形を選びましょう。
代表的な屋根の形状
- 片流れ(かたながれ)屋根
一方向だけに勾配があるシンプルな屋根。
モダンでスタイリッシュな印象になり、平屋で非常に人気のある形状です。
屋根裏空間を活かして、勾配天井やロフトをつくりやすいのもメリットです。 - 切妻(きりづま)屋根
本を伏せたような形の、最も一般的な三角屋根です。
シンプルで飽きのこないデザインですが、屋根の勾配や軒の出の長さを変えることで、和風にも洋風にも見せることができます。 - 寄棟(よせむね)屋根
四方向に勾配がある屋根。
重厚感と安定感のある落ち着いた印象を与え、和風やクラシックなデザインによく合います。
どの方向からも外壁を雨風から守りやすいという利点があります。 - 陸(ろく)屋根
勾配のないフラットな屋根。
建物全体がキューブ型になり、非常にモダンな印象に仕上がります。
屋上スペースとして活用できるメリットがありますが、雨水が溜まりやすいため、定期的な防水メンテナンスが不可欠です。
デザインのアクセントになる「窓」の配置と工夫
窓は、採光や通風といった機能面だけでなく、外観デザインの重要なアクセントになります。
窓の種類や配置を工夫することで、のっぺりしがちな平屋の外観にメリハリが生まれます。
ただ明かり採りのために窓を設置するのではなく、「外から見たときの美しさ」を意識することがポイントです。
例えば、大きさの異なる窓をランダムに配置するのではなく、縦や横のラインを揃えるだけで、外観全体がすっきりと整った印象になります。
おしゃれに見せる窓の種類
- スリット窓(縦長・横長窓)
細長い形状の窓は、外観にシャープなアクセントを加えます。
縦に並べれば垂直ラインが強調されてモダンな印象に、横に配置すれば落ち着いた安定感が生まれます。 - FIX窓(はめごろし窓)
開閉できない固定式の窓です。
窓枠が細く、ガラス面が大きいため、景色を切り取る絵画のような役割を果たします。
外観に抜け感とスタイリッシュさを与えてくれます。 - ハイサイドライト(高窓)
壁の高い位置に設置する窓。
外からの視線を気にすることなく採光でき、プライバシーを確保したい場所に最適です。
外観にリズム感を生み出す効果もあります。
玄関ドアやウッドデッキ、照明などのパーツも、外観の印象を左右する大切な要素です。
建物だけでなく、これらのパーツも含めてトータルでコーディネートしていきましょう。
外観デザインで後悔しないための5つのチェックリスト

見た目のおしゃれさだけを追求すると、暮らし始めてから「こんなはずではなかった…」と後悔してしまう可能性があります。
デザイン性と暮らしやすさを両立するために、設計段階で確認しておきたい5つのポイントをご紹介します。
メンテナンス性と将来のコスト
家は建てて終わりではありません。
長く快適に暮らすためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。
デザインに惹かれて選んだ外壁材が、実は10年ごとに高額な再塗装費用がかかる、ということもあり得ます。
初期費用だけでなく、将来かかるメンテナンスの周期や費用まで考慮して、素材を選ぶことが重要です。
特に屋根や外壁はメンテナンス費用が高額になりがちなので、設計段階で住宅会社に長期的なメンテナンスプランを確認しておきましょう。
汚れの目立ちやすさと色の関係
せっかくおしゃれな外観にしても、すぐに汚れが目立ってしまっては残念です。
例えば、真っ白な塗り壁は美しく魅力的ですが、雨だれによる黒い筋汚れが目立ちやすいという側面もあります。
逆に、黒や濃紺などの濃い色の外壁は、砂埃や鳥のフンなどの白い汚れが目立ちやすくなります。
最近では、雨で汚れを洗い流すセルフクリーニング機能を持つ外壁材や、光触媒コーティングなどの技術もあります。
デザインの好みと、汚れの目立ちにくさやメンテナンスのしやすさのバランスを考えて色や素材を選びましょう。
周辺の景観や街並みとの調和
自分の理想を追求するあまり、周囲の家や街並みから浮いたデザインになってしまうのは避けたいところです。
家は個人の所有物であると同時に、街の景観を構成する要素でもあります。
建築予定地の周りを散策し、近隣の家がどのような色やテイストで建てられているかを確認してみましょう。
完全に合わせる必要はありませんが、街並みに配慮したデザインを心がけることで、地域に溶け込む美しい佇まいの家になります。
外構(庭・駐車場)を含めた全体デザイン
外観デザインを考えるとき、建物本体のことだけを考えてしまいがちですが、庭や駐車場、門、フェンスといった「外構」まで含めてトータルで計画することが、おしゃれな家に見せるための絶対条件です。
建物はとても素敵なのに、駐車場がただのコンクリートだったり、フェンスが安っぽかったりすると、家全体の魅力が半減してしまいます。
建物のテイストに合わせた素材を外構にも使う、植栽で彩りを加えるなど、建物と外構が一体となったデザインを目指しましょう。
プライバシーと防犯面の対策
平屋は地面との距離が近く、すべての部屋が1階にあるため、2階建て以上にプライバシーと防犯への配慮が重要になります。
道路に面して大きな窓を設ける場合は、外からの視線を遮る工夫が必要です。
ただし、高い塀で完全に囲ってしまうと、かえって侵入者の隠れ場所になりかねません。
植栽や格子をうまく使って、視線を遮りつつも、見通しが悪くなりすぎないようにバランスを取ることが大切です。
窓を防犯ガラスにしたり、人が通れない幅のスリット窓を選んだり、家の周りに防犯砂利を敷いたりするなど、設計段階でできる対策を積極的に取り入れましょう。
センスのいい外観と内装を両立させるコツ

おしゃれな家は、外観と内装に統一感があります。
「外観はモダンなのに、内装はカントリー調」といったように、テイストがちぐはぐだと、どこか落ち着かない印象になってしまいます。
外と中の繋がりを意識することが、センスのいい家づくりの秘訣です。
例えば、外壁に使った羽目板と同じ素材を、リビングの壁のアクセントとして使ったり、外観のテーマカラーを内装のカーテンや小物に取り入れたりするだけで、空間全体に一体感が生まれます。
また、窓の役割も重要です。
リビングから見える庭にウッドデッキを設け、リビングの床材とデッキの色味を合わせれば、室内と屋外がひと続きになったような開放的な空間を演出できます。
窓を単なる壁の開口部と考えるのではなく、「景色を切り取る額縁」として捉え、窓から見える風景までデザインの一部として計画することで、暮らしの豊かさは格段に向上します。
広島でおしゃれな平屋を建てるなら山根木材へ

ここまで、様々な平屋のおしゃれな外観実例や、デザインのポイントをご紹介してきました。
理想のイメージを思い通りに形にするには、デザイン力と技術力を兼ね備えた、経験豊富な住宅会社のサポートが不可欠です。
特に広島・東広島・福山エリアで、デザイン性の高いおしゃれな平屋をご検討なら、ぜひ私たち山根木材にご相談ください。
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まとめ
おしゃれでセンスのいい平屋の外観を実現するためには、まずたくさんの実例を見て自分の好みのイメージを固めることがスタートラインです。
そして、そのイメージを「外壁・屋根・窓」といった具体的な要素に落とし込み、デザイン性と暮らしやすさのバランスを取ることが重要になります。
今回ご紹介したデザインのポイントや後悔しないためのチェックリストが、あなたの理想の平屋づくりにお役立てできれば幸いです。
ぜひ、楽しみながら、世界に一つだけの素敵な住まいを計画してください。
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2020年に創業110周年を迎えた山根木材は、累積1万棟を超える実績があり「暮らしやすく高品質な家」を広島の地にもっと根付かせたいという思いから、長期優良住宅を標準仕様としています。
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