「平屋を建てたいけれど、2階建てより高いと聞いて不安」
「自分の予算(1000万円〜2000万円)で理想の平屋は建つのだろうか」
階段のないフラットな暮らしやすさから、子育て世代やシニア世代に人気の高まる「平屋」。
しかし、いざ検討を始めると「価格の目安」がわからず悩む方は非常に多いです。
結論から言うと、一般的な新築平屋の相場(総額)は2,000万円〜3,000万円程度がボリュームゾーンです。
ただし、広さやグレード、依頼する住宅会社によって価格は大きく変動します。
この記事では、20坪・30坪といった広さ別の詳細な費用相場から、1000万円台や500万円での実現可能性、予算内で賢く建てるためのコツまで、プロの視点で徹底解説します。
新築平屋の費用相場は総額2000万円から3000万円程度

平屋を新築する際にかかる費用は、大きく分けて「本体工事費」「付帯工事費」「諸費用」の3つで構成されます。
広告などで目にする「坪単価」や「建物価格」は、このうちの「本体工事費」のみを指すことが一般的です。
実際に住み始めるために必要な「総額(住み出し価格)」の目安は以下の通りです。
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項目 |
費用の目安 |
備考 |
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本体工事費 |
1,500万円〜2,500万円 |
建物そのものの価格(総費用の約70〜75%) |
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付帯工事費 |
300万円〜500万円 |
屋外給排水、地盤改良、外構など(総費用の約15〜20%) |
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諸費用 |
150万円〜300万円 |
登記費用、ローン手数料、印紙代など(総費用の約5〜10%) |
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総額目安 |
2,000万円〜3,300万円 |
土地代を含まない建築総費用 |
昨今の資材価格高騰により、以前よりも相場は上昇傾向にあります。
まずはこの「総額2000万円〜3000万円」を基準として、広さやこだわりによって予算を調整していくのが現実的です。
延床面積と間取りで変わる平屋の本体価格一覧

平屋の価格を最も左右するのは「延床面積(坪数)」です。
ここでは、代表的な3つの広さについて、本体価格と総費用の目安、実現できる間取りを解説します。
一人暮らしや夫婦向け20坪前後は1500万円前後
- 想定世帯: 1人暮らし、夫婦二人暮らし(シニア・ディンクス)
- 間取り目安: 1LDK 〜 2LDK
- 本体価格目安: 1,200万円 〜 1,600万円
- 総費用目安: 1,700万円 〜 2,200万円
20坪前後の平屋は「コンパクト平屋」と呼ばれ、必要最小限のスペースで効率よく暮らしたい方に人気です。
廊下を極力なくし、LDKを中心に居室を配置することで、狭さを感じさせない工夫が可能です。
大手ハウスメーカーよりも、ローコストメーカーや地元の工務店が得意とするサイズ感です。
3人から4人家族向け30坪前後は2200万円前後
- 想定世帯: 夫婦 + 子供1〜2人
- 間取り目安: 3LDK 〜 4LDK
- 本体価格目安: 1,800万円 〜 2,400万円
- 総費用目安: 2,500万円 〜 3,200万円
最も需要が多い一般的なファミリータイプの平屋です。
各部屋の広さを確保しつつ、ランドリールームやファミリークローゼットなどの人気設備も導入しやすい広さです。
多くの住宅会社がモデルケースとして扱っており、比較検討もしやすい価格帯と言えます。
ゆとりある40坪以上は2800万円前後
- 想定世帯: 二世帯住宅、子供3人以上の家族、趣味を楽しみたい方
- 間取り目安: 4LDK 〜 5LDK、中庭付きなど
- 本体価格目安: 2,500万円 〜 3,500万円
- 総費用目安: 3,300万円 〜 4,500万円
40坪を超えると、LDKを20畳以上にしたり、本格的な和室や書斎を設けたりと、設計の自由度が格段に上がります。
ただし、建物が大きくなる分、広い土地(60坪〜80坪以上)が必要となり、土地取得費用も含めた資金計画が重要になります。
予算1000万円台や500万円で平屋は建てられるか

「できるだけ安く建てたい」というニーズに応えるローコスト住宅ですが、実際のところ、どこまで費用を抑えられるのでしょうか。
総額1000万円台で実現可能なローコスト規格住宅
結論として、「本体価格」であれば1,000万円以下の平屋は存在しますが、「総額」ですべてを1,000万円以内に収めるのは非常に困難です。
タマホームやアイフルホームなどのローコストメーカー、あるいは「平屋専門店」と呼ばれる工務店では、本体価格800万円〜1,000万円程度の規格住宅商品を展開しています。
これらに付帯工事や諸経費を足すと、最終的な総額は1,400万円〜1,800万円程度になるケースが多いです。
- 特徴: 間取りや外観が決まっている「規格住宅」。
- 注意点: 設備のグレードは標準的。間取りの変更はできないことが多い。
500万円台の超ローコスト住宅は簡易的な作り
検索キーワードで見られる「平屋 500万」という価格帯は、一般的な「家族が住む住宅」としては現実的ではありません。
500万円台で建築可能なのは、以下のようなケースに限られます。
- 超小型住宅(タイニーハウス): 10坪未満の1ルームなど。
- 離れ・小屋: キッチンやバスルームなどの水回りが簡易的、またはない場合。
- DIY前提: 内装や設備工事を施主が行うハーフビルド形式。
「新築一戸建て」としての性能(断熱性・耐震性・設備)を求めるのであれば、最低でも本体価格1,000万円前後の予算を見積もっておく必要があります。
平屋の坪単価が平均60万円からで割高になる理由

よく「平屋は2階建てより坪単価が高い」と言われますが、これには明確な建築上の理由があります。
同じ延床面積(例えば30坪)の家を建てる場合を比較してみましょう。
- 基礎工事の面積が2倍:
2階建て(総2階)なら1階部分は15坪で済みますが、平屋は30坪すべての地面にコンクリート基礎が必要です。 - 屋根の面積が2倍:
基礎と同様に、屋根も2階建ての倍の面積が必要になります。
基礎と屋根は、建築費の中で大きなウェイトを占める部分です。
ここにお金がかかるため、結果として坪単価(1坪あたりの建築費)は、2階建てよりも平屋の方が1割〜2割程度割高になる傾向があります。
ただし、平屋には「階段が不要(その分部屋を広くできる)」「足場代が安い(メンテナンス時)」といったコストメリットもあるため、トータルの満足度や将来の維持費まで含めて考えることが大切です。
土地ありと土地なしの場合の総費用シミュレーション

平屋を建てる際、土地をすでに持っているか(建て替え含む)、土地から購入するかで、用意すべき資金は大きく異なります。
【条件:延床30坪の一般的な平屋を建てる場合】
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項目 |
ケースA:土地あり(建て替え) |
ケースB:土地なし(土地購入) |
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建物本体価格 |
2,200万円 |
2,200万円 |
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付帯工事費 |
400万円 |
400万円 |
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諸費用 |
200万円 |
250万円(土地ローン関連増) |
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解体費用 |
150万円〜200万円 |
0円 |
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土地購入費 |
0円 |
1,000万円〜1,500万円※ |
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総費用目安 |
約2,950万円 |
約3,850万円 |
※土地価格はエリアにより大きく異なりますが、平屋を建てるには広い敷地が必要なため、土地代の負担は大きくなりがちです。
土地なしの場合は、建物予算を圧迫しないよう、郊外の安価な土地を探すなどの工夫が求められます。
建築費用を抑えて平屋を安く建てる3つのポイント

予算オーバーを防ぎ、賢く平屋を建てるためには、以下の3つのポイントを意識してください。
- 建物の形をシンプルな「正方形」や「長方形」にする
凹凸の多い形や、L字型・コ字型の中庭があるプランは、外壁や屋根の面積が増えて建築費が高騰します。シンプルな箱型が最もコストパフォーマンスに優れています。 - 廊下をなくした間取りにする
平屋のメリットを活かし、玄関やLDKから直接個室に入れる間取りにすることで、廊下のスペースを削減。その分、建坪を減らしてコストを下げることができます。 - 水回りを一箇所に集中させる
キッチン、浴室、トイレ、洗面所を近くに配置することで、配管工事の距離が短くなり、工事費を抑えることができます。
まとめ
平屋の相場について、重要なポイントを整理します。
- 相場の目安: 一般的な30坪前後の平屋なら、総額2,500万円〜3,000万円前後を見ておく。
- 広さ別の価格: 20坪なら本体1,500万円前後、40坪なら本体2,800万円前後から検討可能。
- 低予算の限界: 本体1,000万円以下のローコスト住宅はあるが、総額500万円での住宅建築は現実的ではない。
- 割高な理由: 基礎と屋根の面積が広いため、坪単価は2階建てより高くなりやすい。
「平屋は高い」というイメージだけで諦める必要はありません。
シンプルな形状や効率的な間取りを採用することで、予算内で理想の平屋を実現することは十分に可能です。
まずは、自分の予算で「どのくらいの広さ」の平屋が建つのか、複数のハウスメーカーや工務店から実例や見積もりを取り寄せて、具体的な相場感を掴むことから始めましょう。
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