規格住宅とは?メリット・デメリットや注文住宅との違いを解説

  • 作成日:2025/01/27
  • 更新日:2025/01/28
  • 編集者:山根木材メディア編集部
規格住宅とは?メリット・デメリットや注文住宅との違いを解説

新築住宅といえば「注文住宅」と「建売住宅(分譲住宅)」が一般的ですが、「規格住宅」という言葉を耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか。

規格住宅は、メーカーによってあらかじめ決められた設計プランのなかから、好きなプランを選んで建築する住宅です。
規格住宅は、コストを抑えながらも高品質な住まいを実現できることから、人気となっています。
しかし、検討するとなると「注文住宅とどのように違う?」「家づくりの自由度が低いのでは?」など、多くの疑問が浮かぶかもしれません。

この記事では、規格住宅の基本的な特徴やメリット・デメリットについて詳しく解説します。
併せて、規格住宅が向いている方の特徴も紹介するので、理想の住まいづくりの検討にぜひお役立てください。

規格住宅の特徴とは

設計図の上に二階建て住宅の模型が置かれている

規格住宅とは、ハウスメーカーや工務店があらかじめ用意した設計プランや仕様に基づき、提示された選択肢から好きなものを選んで建築する住宅のことをいいます。
文字どおり、施工会社側の規格に沿って建てられる住宅です。

完全な自由設計ではないものの、複数のプランやデザインから好きなものを選んでカスタマイズできることから、注文住宅と建売住宅の中間に位置する形態といえます。
提示されるプランは、いずれもハウスメーカーや工務店の専門家が設計したものなので、構造や間取り、デザインなどあらゆる面で安心感があるでしょう。

また、規格住宅は設計や建材が標準化されているため、注文住宅に比べてコストを削減できます。
施工期間も短く、予定工期のズレが生じにくいのも特徴です。

規格住宅のメリット

家の計画書の上に木製の家のパネルと電卓が置かれている

規格住宅を選ぶことで、以下で紹介する5つのメリットが期待できます。
総じて、一定レベルの自由度や品質を求める方に適した住宅といえるでしょう。

建築費用の抑制

規格住宅は、ハウスメーカーや工務店の規格にしたがって、設計や建材、工法などが標準化されています。
そのため、建材の発注費用を抑えられるほか、注文住宅のように繰り返し打ち合わせをしたり、図面を一から作成したりする手間がかかりません。

加えて、後ほど紹介するように規格住宅は工期が短いので、トータルの建築費用を低く抑えられるのが大きなメリットです。

早期の建築価格の確定

資金計画の立てやすさも規格住宅の魅力です。
注文住宅だと、細かな間取りや仕様、設備が決定しないと最終的な価格がわかりません。
一方、規格住宅はある程度選択肢が決められているので、早いうちに建築価格が決定します。
具体的な金額が早めにわかれば、その後の資金計画もスムーズに決められるでしょう。

プランごとの金額が明示されている場合、予算に収まるようプランを選んでいくという家づくりも可能です。

間取りや仕様の失敗リスクの低減

規格住宅で提示されるプランは、いずれも家づくりを多く手がけてきたプロが作成したものです。
それだけに、誰でも使いやすい設計になっているのが特徴。
どのプランを選んだとしても、間取りや仕様で失敗するリスクは小さく、注文住宅でありがちな「こだわってみたものの、住み始めると使いづらかった」という後悔を避けられます。

一定の自由度を持ちつつ、将来ライフスタイルや家族構成が変化しても、長く快適に暮らせる住まいを実現できるでしょう。

工期の短縮と安定

決められたルールにしたがって建築される規格住宅は、プランの決定までに時間がかからないうえ、特殊な工法や構造が不要なため、注文住宅に比べて工期が短くて済むのもメリットです。
さらに、工程の内容やスケジュールも標準化されているので、大幅なスケジュールの遅延が起きにくいという特徴もあります。

「転勤や転職に合わせて引っ越したい」「子どもの新学期に合わせたい」など、入居時期が明確に決まっている方にとっても安心でしょう。

耐震性の向上

注文住宅だと、希望条件やこだわりが先行し、複雑な形状の住まいになってしまうケースがあります。
一方、規格住宅は経験豊富なハウスメーカーや工務店の知見が生かされているので、比較的シンプルで機能性の高い間取りや形状になるのが一般的です。

複雑な形状を避けることで、耐震性の高い家を立てやすいというのも規格住宅のメリットといえます。
形状がシンプルな規格住宅は雨漏りが起きにくく、屋根や外壁の塗装にかかる費用を抑えやすいなど、将来のメンテナンス面でも有利です。

規格住宅のデメリット

さまざまなメリットのある規格住宅ですが、反対にデメリットも存在します。
以下で紹介するデメリットを十分理解したうえで、自身のニーズに合致するか検討することが大切です。

自由度の制限

「規格住宅は注文住宅と建売住宅の中間に位置する」と紹介しました。
建売住宅に比べれば自由度は高いものの、フルオーダーの注文住宅には及びません。
ハウスメーカーや工務店の標準仕様をベースに選択していくので、間取りや設備などを一から決めることはできません。

規格住宅はコストパフォーマンスが高い反面、家づくりにとことんこだわりたい方は、物足りなさを感じる可能性があります。

特殊な土地への対応が困難

規格住宅は、規格に沿った間取りや仕様で建てられるため、狭小地や旗竿地などの変形の土地への対応が難しいことがあります。
また、高低差が大きいなど、特殊な条件のある土地も同様に対応できない恐れがあるでしょう。

仮に対応できたとしても、規格外の設計や施工が必要になると、追加費用がかかるかもしれません。
そうなると、規格住宅のメリットである高いコストパフォーマンスが失われることになります。

仕様外の設備導入時のコスト増

規格住宅では、水回りなどの住宅設備も標準仕様がベースになります。
ハウスメーカーや工務店が提示するなかから、ハイグレードな設備や機能を選ぶ分には問題ありませんが、標準仕様以外の設備を選択するとコストが高くなる可能性があります。

規格住宅は標準仕様の設備を選ぶことで、同じものを大量発注してコストを抑える仕組みです。
そのため、標準仕様から外れるものを用意するとなればスケールメリットが働かなくなり、余計な費用がかかってしまいます。

自分たちで好きな設備を選びたいなら、最初からフルオーダーの注文住宅を選択したほうがいいかもしれません。

規格住宅と注文住宅の違い

いろんな色のカレンダーの上に家の模型が3棟置かれている

ここまで見てきたように、規格住宅は注文住宅と共通点がある一方、異なる点も多くあります。
以下で紹介する違いを踏まえ、住まいに対するこだわりの度合いに応じて、どちらが適しているか検討することが大切です。

設計の自由度

規格住宅は、ハウスメーカーや工務店が事前に用意した設計プランや仕様から、自分たちの好みに当てはまるものを選んで家づくりを進めます。
間取りやデザイン、設備などを選ぶことはできますが、バリエーションはそれほど多くありません。

対する注文住宅は、施主の要望に応じて一から設計するオーダーメイドです。
間取りやデザイン、内外装に使う素材まで、細かく指定することができます。
自由度が高い分、決めなければならない事項が多く、手間がかかる面もあるでしょう。

自由度の高い家づくりで、細部までとことんこだわりたい方は注文住宅のほうが適しています。

コスト

コスト面で見た場合、規格住宅のほうが注文住宅に比べて安く抑えられる傾向にあります。

先ほども紹介したように、規格住宅は設計や建材が標準化されているので、特別な追加設計や単体での建材の手配などが必要ありません。
人件費と建材費を節約できるため、トータルでの建築費用を抑えられます。

一方、注文住宅は施主のこだわりや要望に応じて、独自に設計・施工する必要があります。
施主の選ぶ素材や設備によっては、手配や施工に手間がかかり、コストが膨らむこともあるでしょう。

工期

工期に関しても、規格住宅のほうが短くしやすく、スケジュールのズレも生じにくいといえます。

規格住宅は設計や建材に加え、工法も標準化されています。
マニュアルにしたがって工事を進めればいいので、施工期間が短く、工事スケジュールも見通しやすいのが特徴です。

これに対して注文住宅は、プランを一から決めていかなくてはならないので、設計が決まるまでに時間を要します。
選んだプランや建材、設備によっては、工事にも時間がかかる場合があり、工期が長期化しやすいといえるでしょう。

仕様の柔軟性

間取りや仕様、設備などの柔軟性に関しては、注文住宅のほうが規格住宅よりも優れています。

繰り返しになりますが、規格住宅は標準仕様が決まっており、こだわりたい部分はオプションで変更するのが基本です。
用意された選択肢以外の大幅な変更は、対応が困難なことも少なくありません。

一方、注文住宅は施主の要望に応じて一からプランを考えられるので、仕様や設備を柔軟に変更することができます。
好きなメーカーや製品を指定して設置するといった対応も相談が可能です。

規格住宅が向いている人とは

人が2人と家の白いパネルが並んでいる

ここまで見てきたとおり、規格住宅は一定の自由度を持ちつつ、コストパフォーマンスとタイムパフォーマンスを重視する方に適している選択肢です。
次のような特徴に当てはまる方は規格住宅が向いています。

・忙しくて打ち合わせに多くの時間を割くのが難しい人

・できるだけ早く新居に住みたい人

・費用を抑えつつ、ある程度の自由度を求める人

・家の設計に強いこだわりがない人

それぞれの項目について詳しく紹介しましょう。

忙しくて打ち合わせに多くの時間を割くのが難しい人

注文住宅はフルオーダーなので、間取りや仕様、設備を決めるにあたって、ハウスメーカーや工務店の担当者との打ち合わせを繰り返し行わなければなりません。
しかし、仕事や育児などで忙しく、打ち合わせに多くの時間を割くのが難しい方もいるでしょう。

規格住宅なら、事前に用意されたプランから選んでいくので、検討項目が少なくなります。
打ち合わせの回数や時間を大幅に減らせるため、忙しいなかで家づくりをする方でも、気軽にマイホームを検討できます。

できるだけ早く新居に住みたい人

転勤や転職、子どもの進学など、新居への引っ越しに明確なリミットがあり、なるべく早く新居での暮らしをスタートしたい方にも規格住宅が適しています。

規格住宅は設計や工法が標準化されていることから、注文住宅に比べて工期を短くできます。
検討の遅れや建材の取り寄せなどで余計に時間を取られる心配もないので、当初想定していたスケジュールどおりに進捗するケースが多く、希望する時期に入居できる可能性も高いでしょう。

費用を抑えつつ、ある程度の自由度を求める人

マイホームにかける費用をとにかく抑えたいのであれば、建売住宅を購入するという方法もあります。
しかし、建売住宅はすでに建物が完成していたり、設計が決まっていたりする状態で購入するため、自分たちで選べる要素がほとんどありません。

規格住宅であれば、複数のプランやデザインから選べるので、一定のカスタマイズが可能です。
注文住宅ほどの自由度はないものの、コストをなるべく節約しつつ、ある程度こだわりたいという方には向いています。

家の設計に強いこだわりがない人

適度にこだわれる点が規格住宅の大きな魅力です。せっかくのマイホームだからこだわりたいけれど、一からすべてを決めるのは難しいと感じている方もいるのではないでしょうか。

規格住宅なら、プロが厳選した選択肢のなかから決めることができるので、自分の意思を反映しながら使い勝手のいいプランを選べます。
家の設計や間取りはプロに任せて、仕様や設備などは自分好みに選びたいという方も、規格住宅が向いているでしょう。

規格住宅を選ぶ際の注意点

木の家の模型と犬小屋の模型が並んでいる

コストや工期と自由度のバランスがいい規格住宅ですが、選ぶにあたっては、次のポイントに注意する必要があります。

・ライフスタイルとの適合性

・オプションや仕様変更の制限

・土地の条件との整合性

・アフターサービス体制や保証の内容

各項目のどのような点に気をつけるべきなのか見ていきましょう。

ライフスタイルとの適合性

規格住宅は、あらかじめ決められたプランや仕様に基づいて建築されるため、規格から大きく外れた間取りや仕様を採用するのは困難です。
選択肢はある程度限られているので、施工するハウスメーカーや工務店の標準仕様が、自分たちの希望するライフスタイルや家族構成に合っているかどうかを最初に確認しましょう。

また、自由度の高さ、建物にかかるコスト、入居までの期間など、住宅の形態ごとに特徴が異なります。
注文住宅、建売住宅と比較検討し、自分たちの考えに一番合うものを選ぶのがおすすめです。

オプションや仕様変更の制限

規格住宅は仕様や設備を選べるとはいえ、すべてを自由に選べるわけではありません。
あくまで標準仕様のなかから選択するのが原則であり、仕様から外れる設備やデザインを希望する場合、対応が難しかったり、追加費用が発生したりする可能性があります。

規格住宅を検討する際は、オプション選びや仕様変更がどの範囲まで可能なのか、あらかじめ確認しておくことも大切です。
どうしても譲れない部分があるなら、多少費用をかけてでも、注文住宅を選んだほうが家づくりの満足度は高まるでしょう。

土地の条件との整合性

標準仕様を前提とする規格住宅のプランは、一定の面積のある長方形や正方形の成形地を前提にしているケースが多くなっています。
そのため、狭小地、傾斜地、変形地などの特殊な条件の土地に建てる場合、規格住宅では対応が難しいことがあります。

所有している土地に家を建てる場合や先行して土地を探している場合には、その土地に規格住宅を建てられるのかどうか、事前に確認しておくことが大切です。

アフターサービス体制や保証の内容

家は建てて終わりではありません。
むしろ、入居してからが本番です。何十年にわたって安心して住み続けるには、アフターサービスや保証が充実しているハウスメーカー・工務店を選ぶようにしましょう。

例えば、完成後の定期点検やメンテナンスを提供しているか、保証期間や保証範囲が十分かなどをチェックします。
何か不具合があったときに、迅速に駆けつけてくれるサポート体制があるかも確認しておくと安心です。

規格住宅は信頼できる施工会社と相談しながら進めることが成功の鍵!

程よい自由度とコストパフォーマンスの良さが魅力の規格住宅ですが、注文住宅と比べて選択肢は限定的です。
施工会社が決めたプランのなかから決める必要があるため、自分たちのライフスタイルや家族構成にマッチするか十分に検討しましょう。
その際、現在だけでなく、将来のライフスタイルの変化にも対応できる間取りや仕様を選ぶことが大切です。

また、規格住宅のコストパフォーマンスが発揮されるのは、標準仕様の範囲内で選ぶケースです。
こだわりを実現するために、オプションを追加したり設備を変更したりすると、追加費用が上乗せされる可能性があります。
「最初から注文住宅にすればよかった」と後悔しないよう、事前に見積もりを細かく確認しておくのがおすすめです。

規格住宅の完成度は施工会社のプランに大きく左右されるため、施工会社の実績や過去の評判を確認し、信頼できる会社に依頼することが快適な家づくりのポイントになります。

広島・東広島・福山エリアで累計1万棟の住宅を手がけてきた山根木材ホームは、新たな規格型の注文住宅ブランド「My Craft(マイクラフト)」の提供をスタートしました。
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広島・東広島・福山エリアで規格住宅にご興味のある方は、山根木材ホームへぜひご相談ください。

お問い合わせ・資料請求は、下記お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

この記事を書いた人
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山根木材メディア編集部

ヤマネホールディングス株式会社マーケティング課が、住まいの検討やより良い暮らしに向けたお役立ち情報などを発信しています。

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