不動産査定とは?流れや期間、査定のポイントを解説

  • 作成日:2024/06/20
  • 更新日:2024/09/06
  • 編集者:山根木材メディア編集部
不動産査定とは?流れや期間、査定のポイントを解説

不動産査定とは、不動産の市場価値を評価するための重要なプロセスです。
不動産査定について正しく理解し、適切に進めることで、売却や購入の際に大きなメリットを得ることができます。
しかし、多くの人にとって不動産査定は専門的で分かりにくいものかもしれません。

この記事では、不動産査定の基本的な概念や種類、流れ、査定期間、評価されるポイント、価格計算の方法、そして査定時の注意点について詳しく解説します。
不動産査定についての理解を深め、適正な価格を把握するための参考にしてみてください。

不動産査定とは

不動産を査定している様子

不動産査定とは、所有する不動産の市場価値を評価することであり、不動産の適正価格を知ることができます。
査定は、不動産の売却や賃貸の際に非常に重要であり、適正な価格設定が取引の成功に大きく影響します。

不動産の査定は、物件の具体的な特徴や周辺環境、市場の動向など、多くの要素を考慮して行われます。
査定の結果は、売主が売却価格を設定するための基礎となるだけでなく、買主にとっても購入の判断材料となります。
また、不動産のローンを組む際や資産価値の把握、相続時の資産評価など、さまざまな場面で役立ちます。

査定を行う専門家は、不動産会社の担当者や不動産鑑定士などです。
地域の市場動向や過去の取引事例などを参考にしながら、物件の価値を客観的に評価します。
また、近年ではAI(人工知能)を活用した査定も登場しており、短時間で精度の高い査定が可能となっています。

不動産査定には以下のような種類があります。

  • 簡易査定:インターネットを利用して短時間で大まかな価格を知る方法です。
  • 訪問査定:専門家が実際に物件を訪れて詳細に評価する方法です。
  • AI査定:AI技術を用いて迅速に査定する方法です。

これらの査定方法はそれぞれ特徴があり、目的や状況に応じて適切な方法を選ぶことが重要です。
正確な査定を行うためには、複数の方法を併用することも有効です。

不動産査定の種類

この章では、不動産査定で行われる方法について解説いたします。
それぞれの方法の特長を理解し、目的や状況に応じて選択できるようにしましょう。

簡易査定

簡易査定とは、インターネットを利用して手軽に不動産の査定価格を知る方法です。
オンライン査定とも呼ばれ、不動産会社のウェブサイトや専用の査定サイトで行われます。
この方法は、住所や物件の基本情報(面積、間取り、築年数など)を入力するだけで大まかな査定価格が提示されるため、手軽さが魅力です。

簡易査定の利点は以下の通りです。

  • 迅速:数分で査定結果が得られます。
  • 手軽:インターネット上で完結するため、訪問の必要がありません。
  • 無料:多くのサイトで無料で利用できます。

ただし、簡易査定は詳細な現地調査を行わないため、あくまで参考価格であり、実際の市場価格とは異なることがあります。
特に物件の具体的な状態や周辺環境の影響を反映できない点が注意点です。

訪問査定

訪問査定は、不動産会社の担当者が実際に物件を訪れて詳細な評価を行う方法です。
この方法は物件の現状を正確に把握し、より精度の高い査定価格を提供します。
担当者は物件の内外を確認し、建物の状態、設備、周辺環境などを総合的に評価します。

訪問査定の利点は以下の通りです。

  • 精度が高い:物件の具体的な状態を反映した査定価格が得られます。
  • 詳細なフィードバック:物件の改善点や市場での強みを具体的に知ることができます。

訪問査定には時間がかかることがあり、事前に日程調整が必要です。
また、訪問査定は無料で行われる場合もありますが、場合によっては費用がかかることもあります。

AI査定

AI査定は、人工知能(AI)技術を活用して不動産の査定価格を算出する方法です。
AI査定は大量の過去の取引データや市場データを基に、迅速かつ高精度な査定を提供します。
最近では、不動産テック企業がこの技術を導入し、利用が広がっています。

AI査定の利点は以下の通りです。

  • 迅速かつ精度が高い:短時間で精度の高い査定結果が得られます。
  • データドリブン:大量のデータに基づいているため、信頼性が高いです。
  • 手軽:オンラインで完結するため、訪問の必要がありません。

ただし、AI査定はデータに依存するため、データが十分に揃っていない地域や特殊な物件については精度が低下する可能性があります。
また、個別の物件の特性や市場の微妙な動きを完全に反映することが難しい場合もあります。

これらの査定方法を理解し、目的や状況に応じて適切な方法を選択することが、不動産取引の成功につながります。

不動産査定の流れ

男性と女性が不動産のデータを見て話し合っている様子

この章では、不動産査定の流れをそれぞれのステップごとに詳しく解説いたします。
ステップごとに準備物や内容を把握し、スムーズな査定を実施できるようにしましょう。

①査定依頼

最初のステップは、不動産会社に査定を依頼することです。インターネットを利用して複数の不動産会社に査定を依頼することが一般的です。
これにより、複数の査定結果を比較し、最も信頼できる会社を選ぶことができます。
査定依頼時には、物件の基本情報(住所、面積、間取り、築年数など)を提供する必要があります。

②査定日の決定

査定依頼を受けた不動産会社は、物件の詳細な情報を基に査定日を設定します。
この際、不動産会社の担当者とスケジュールを調整し、実際に物件を訪問する日を決定します。
訪問査定の場合、担当者が物件を実際に見ることで、より正確な査定を行うことが可能です。

③事前準備

査定日の前に、物件の準備を行います。物件の清掃や整理整頓を行い、できるだけ良い状態を保つことが重要です。
また、建物の図面やリフォーム履歴、固定資産税の通知書などの関連書類を用意しておくと、査定がスムーズに進みます。

④現地調査

査定日に不動産会社の担当者が物件を訪問し、詳細な調査を行います。
この調査では、建物の状態、設備の状況、周辺環境などが確認されます。
また、担当者は物件の強みや改善点についても評価します。
現地調査は、物件の実際の価値を正確に把握するために不可欠な作業なのです。

⑤査定結果の受取

現地調査が完了すると、不動産会社から査定結果が提供されます。
この結果には、物件の市場価値や査定価格、そして価格設定の根拠が含まれます。
査定結果を受け取った後、売主はこの情報を基に売却価格を決定することができます。
また、査定結果について質問や疑問があれば、不動産会社の担当者に確認することも重要です。

このように、不動産査定の流れにはいくつかの重要なステップがあり、それぞれの段階で適切な準備と確認が求められます。
正確な査定を受けることで、適正な売却価格を設定し、スムーズな不動産取引を実現することができます。

不動産査定の期間

不動産査定の期間は、査定方法や物件の種類、依頼する不動産会社によって異なりますが、一般的には数日から数週間程度がかかるとされています。
この期間には、査定の依頼から最終的な査定結果の受け取りまでの全プロセスが含まれます。

査定方法 期間 内容
簡易査定 数分から数時間程度 物件の基本情報を入力するだけで、瞬時に大まかな査定価格が表示されます。
訪問査定 2週間程度 担当者が現地調査を行い、詳細な査定報告書を作成します。
AI査定 数分程度 大量のデータを基に行われるため、短時間で高精度の査定結果が得られます。

物件の種類や所在地によっても査定期間は変わることがあります。
例えば、特殊な物件や地方にある物件の場合、詳細なデータの収集や確認に時間がかかることがあります。
また、依頼する不動産会社の繁忙期や担当者のスケジュールによっても期間が延びることがあります。

不動産査定の期間を短縮するためには、以下のポイントを押さえることが重要です。

  • 必要な情報を事前に準備する:物件の基本情報や関連書類(建物図面、リフォーム履歴など)を用意しておくことで、スムーズな査定が可能です。
  • 複数の査定方法を併用する:簡易査定やAI査定を利用して、初期の参考価格を把握しつつ、詳細な評価が必要な場合には訪問査定を依頼することが効果的です。
  • 早めのスケジュール調整:訪問査定の場合、早めに日程を調整することで、査定期間を短縮できます。

これらのポイントを踏まえ、適切な査定方法を選び、スムーズな査定プロセスを進めることで、不動産の適正価格を迅速に把握することができます。

不動産査定で見られるポイント

男性が虫眼鏡で物件の見ている様子

不動産査定では、物件の市場価値を正確に評価するためにさまざまな要素が考慮されます。
以下は、査定時に特に重視されるポイントです。

築年数

築年数は不動産の価値を決定する重要な要素の一つです。
建物が新しいほど、設備や構造が現代の基準に適合している可能性が高く、修繕費用も低く抑えられるため、高い評価を受ける傾向にあります。
逆に、築年数が経過している物件は、経年劣化やリフォームの必要性が評価に影響します。
築年数による減価償却も考慮されるため、具体的な価値査定に影響を与えます。

周辺環境

物件の所在地や周辺環境も重要な査定ポイントです。交通の利便性(駅やバス停からの距離)、商業施設や公共施設の近さ、学校区などの要素が評価に影響します。
また、地域の治安や景観、将来的な開発計画なども考慮されます。
これらの環境要素が良好であれば、物件の価値は高く評価されることが多いです。

設備の状態

建物内部の設備の状態も査定において重要です。キッチンやバスルーム、トイレなどの水回り設備が新しく、使いやすいものであるかどうかが評価されます。
さらに、エアコンや給湯設備、収納スペースの充実度も評価に影響します。設備の状態が良好であれば、物件の市場価値は高まります。

外装

建物の外観や外装の状態も査定時に確認されます。外壁の塗装や屋根の状態、玄関や窓のデザインなどが評価ポイントとなります。
また、庭や駐車場の有無とその状態も査定に影響します。
外装が整っている物件は、第一印象が良くなるため、高い評価を受けやすいです。

土地

土地の広さや形状、地盤の状態も不動産の価値を左右します。広い土地や形が整っている土地は、利用価値が高いため高評価を受けます。
また、地盤が安定していることも重要で、地震などの自然災害に対するリスクが低いと判断されれば、物件の価値は上がります。
さらに、建ぺい率や容積率などの法的規制も考慮されます。

ローン残債

物件に対するローンの残債も査定に影響します。
ローン残債が多い場合、売却価格がその返済に見合うかどうかが重要なポイントとなります。
ローンの残債が多いと、査定価格が高くても実際の手取り額が少なくなる可能性があります。
そのため、ローン残債の状況も慎重に評価されます。

これらのポイントを総合的に評価することで、不動産の市場価値が算出されます。
正確な査定を行うためには、各ポイントを詳細に確認し、適切な評価を行うことが重要です。

査定価格の計算方法

書類の上で電卓とボールペンと家の模型が置かれている

不動産の査定価格は、いくつかの異なる方法を用いて計算されます。
それぞれの方法には特有のメリットとデメリットがあり、物件の種類や状況に応じて適切な方法を選ぶことが重要です。
以下に、代表的な査定価格の計算方法を紹介します。

取引事例比較法

取引事例比較法は、最近の類似物件の取引事例を基に査定価格を算出する方法です。
この方法は、市場で実際に取引された価格を参考にするため、現実的な査定価格が得られます。
具体的には、以下のステップで行われます。

  • 類似物件の選定:対象物件と立地や規模、築年数などが似ている物件を選びます。
  • 取引価格の収集:選定した類似物件の最近の取引価格を収集します。
  • 比較と調整:対象物件と類似物件の差異を考慮し、価格を調整します。

この方法は、市場の動向を反映しやすく、特に住宅地や商業地などで効果的です。
ただし、類似物件のデータが不足している場合や、特殊な物件の場合には適用が難しいことがあります。

原価法

原価法は、物件を新築した場合の再建築費用を基に算出する方法です。
この方法では、建物の築年数や状態による減価償却も考慮されます。以下のステップで行われます。

  • 再建築費用の査定:同じ仕様の建物を新たに建築する場合の費用を査定します。
  • 減価償却の計算:築年数や建物の状態に基づき、減価償却費を計算します。
  • 土地の価値加算:土地の現在の市場価値を加算します。

この方法は、建物の物理的な価値を重視するため、新築物件や建物の状態が良い場合に適しています。
しかし、土地の価値や市場の動向を反映しにくい点がデメリットです。

収益還元法

収益還元法は、物件から得られる将来の収益を基に査定価格を算出する方法です。
主に投資用不動産で使用される方法であり、以下のステップで行われます。

  • 年間収益の査定:物件から得られる年間の収益(賃料収入など)を査定します。
  • 還元利回りの設定:市場の状況やリスクを考慮して、適切な還元利回りを設定します。
  • 収益価格の計算:年間収益を還元利回りで割り、収益価格を算出します。

この方法は、物件の収益性を重視するため、賃貸物件や商業物件に適しています。
収益還元法は、収益性や投資リスクを反映しやすい反面、市場の変動や空室リスクなどが価格に影響を与えるため、慎重な分析が必要です。

これらの方法を理解し、物件の特性や目的に応じて最適な方法を選ぶことが、不動産の正確な査定価格を算出するための鍵となります。

不動産査定の注意点

家の模型の隣にクエスチョンマークを掲げている

不動産査定を行う際には、いくつかの注意点を押さえておくことが重要です。
これらの注意点を理解し、適切に対処することで、正確な査定結果を得ることができます。

査定価格と売却価格は違う

まず、不動産の査定価格と実際の売却価格は必ずしも一致しません。
査定価格は、物件の市場価値を客観的に評価したものですが、売却価格は市場の需要と供給、交渉力など多くの要素によって変動します。
例えば、競争力のある地域では高値で売却できる可能性が高いですが、需要が低い地域では査定価格よりも低い価格での売却となることがあります。

また、売主の希望価格や買主の予算、交渉の結果によっても売却価格は影響を受けます。
このため、査定価格を基に売却価格を決める際には、柔軟な姿勢が求められます。

不具合や瑕疵の確認

査定を行う前に、物件の不具合や瑕疵(かし)を確認することが重要です。
不具合や瑕疵がある場合、それが査定価格にマイナスの影響を与えることがあります。
例えば、屋根の漏水、壁のひび割れ、シロアリ被害などは、修繕費用がかかるため、査定価格が低くなる要因となります。

これらの問題は事前に修繕することで、より高い査定価格を得ることが可能です。
また、買主とのトラブルを避けるためにも、不具合や瑕疵は正直に申告することが重要です。
査定前に専門家に依頼して詳細な点検を行い、必要な修繕を行うことをおすすめします。

相場と査定価格を比較する

査定価格を理解するためには、地域の相場と比較することが有効です。
地域の相場を把握することで、自分の物件の査定価格が適正かどうかを判断することができます。
相場情報は、インターネットや不動産会社から得ることができます。

例えば、同じ地域内で似たような条件の物件がいくらで取引されているかを調べることが重要です。
また、過去の取引事例や現在の売出し価格も参考にすると良いでしょう。
相場と比較して極端に高い、または低い査定価格が提示された場合は、その理由を担当者に確認し、納得のいく説明を求めることが大切です。

以上の注意点を踏まえ、不動産査定を行うことで、より正確で信頼性の高い査定結果を得ることができます。
不動産の売却や購入を成功させるためには、査定のプロセスを理解し、慎重に進めることが重要です。

まとめ

不動産査定は、不動産の市場価値を正確に評価するための重要なプロセスであり、適切に行うことで売却や購入の成功に直結します。
査定にはさまざまな種類と方法があり、それぞれの特性を理解することが重要です。
査定価格は市場の需要や供給、物件の特性など多くの要因によって決定されるため、査定結果を鵜呑みにせず、相場との比較や不具合の確認など、注意深く対応することが必要です。

この記事を通じて、不動産査定の基本から実際の流れ、評価ポイント、計算方法、そして注意点まで幅広くカバーしました。
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この記事を書いた人
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山根木材メディア編集部

ヤマネホールディングス株式会社マーケティング課が、住まいの検討やより良い暮らしに向けたお役立ち情報などを発信しています。

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