広島県廿日市市(はつかいちし)は、日本三景の一つに数えられる「厳島(安芸の宮島)」を擁する、自然豊かな環境と都市部へのアクセスの良さが魅力のエリアです。
古くから木材の産地として有名で、産業が発達したエリアであるとともに、広島市中心部へ通う人々のベッドタウンとしても発展しています。
この記事では、子育て世代から見た廿日市市の魅力や移住のメリットについて解説するとともに、市の子育て支援制度や教育環境、住居情報なども詳しく紹介します。
広島県廿日市市(はつかいちし)はどんな街?
基本情報 | |
面積 | 489.49平方キロメートル |
人口 | 11万5,423人(2024年12月1日現在) |
世帯数 | 5万3,928世帯(2024年12月1日現在) |
行政区分 | 廿日市地域、大野地域、佐伯地域、吉和地域、宮島地域 |
主な文化、観光 | ・けん玉発祥の地・厳島(安芸の宮島) |
本店・本社を置く主な企業 | ・ウッドワン(木質建材)・チチヤス(乳製品)・フマキラー(殺虫剤) |
廿日市市は広島県西部に位置する、人口約11万人の都市です。
市域は南北に広がっており、南部は瀬戸内海(広島湾)に面する一方、北部には西中国山地の山々があり、変化に富んだ地形が特徴となっています。
海沿いに細長く市街地があるほかは森林地帯であり、市の面積に占める森林の割合は約86%にも上ります。
市内は大きく、廿日市地域・大野地域・佐伯地域・吉和地域・宮島地域の5つに分かれ、特に宮島地域は日本三景の一つ「厳島(安芸の宮島)」として有名です。
同島にある厳島神社は世界文化遺産にも指定されており、海外からも多くの観光客が訪れます。
自然と文化に恵まれた地域でありつつ、広島市に隣接しており、広島市中心部へのアクセスが良好なのも特徴です。
ベッドタウンとして人気を誇るほか、ウッドワンやフマキラーなどの有名企業の本社・本店、カルビーをはじめとした大企業の拠点工場も位置しています。
広島県廿日市市の魅力とは?
廿日市市は、日経BP総研の調査による「子育てしやすい自治体2020」で中国・四国地方No.1に選ばれるなど、子育てしやすい環境が高く評価されています。
実際、2024年時点で9年連続転入者数が転出者数を上回っており、全国的な人口減少の波の中でも、多くの子育て世帯に選ばれている自治体の一つです。
以下では、子育て世帯にとっての廿日市市の魅力を具体的に紹介します。
未就学児の医療費助成の充実
廿日市市では「こども医療費助成制度」が導入されており、未就学児の医療費が無料となっています。
さらに、小学1年生から高校3年生についても一部負担金の支払いのみ。
それ以上の費用に関しては無料であり、子育て世帯の経済的負担が大きく軽減されています。
小学生・中学生・高校生にかかる一部負担金は、いずれも医療機関ごとに通院は月4日目まで、入院は月14日目まで1日500円です。
この制度には所得制限がないため、多くの家庭から「子どもの医療費が無料なのはとても助かる」という喜びの声が寄せられています。
豊かな自然環境と生活利便性の高さ
廿日市市は海側の宮島、中国山地の山々など自然が豊富なのが魅力です。
宮島周辺には、世界文化遺産の厳島神社、宮島水族館「みやじマリン」、弥山(みせん)などの観光スポットが点在するほか、山側には女鹿平(めがひら)温泉クヴェーレ吉和など、ファミリーでも楽しめるスポットが多くあります。
こうした豊かな自然環境がある一方、大型ショッピングモール「ゆめタウン廿日市」をはじめとする大型商業施設も充実しており、日常生活の利便性も高いのが特徴です。
廿日市市は「身近に自然を感じたいけれど、生活の便利さも大切にしたい」という方に向いています。
広島市内への交通アクセスの良さ
廿日市市の市街地にはJRと広島電鉄宮島線が走っており、電車を使えばわずか数十分で広島市中心部まで到達することができます。
実際に廿日市市に住んでいる方の「広島市内へのアクセスが良く、通勤・通学に便利」という口コミも多く見られます。
宮島地域から、本土側の玄関口となる宮島口駅まではフェリーを利用する必要があるものの、宮島口駅からは頻繁に電車が通っており、不便を感じることはないようです。
山間地域もマイカーを使って高速道路経由、あるいは高速バスで市内に到達できるため、比較的アクセスは良好です。
子育て支援施設の充実
市内に子育て支援センターや児童館といった子育て世帯向けの施設が複数整備されており、親子で参加できるイベントや講座が定期的に開催されています。
地域の子育て世代同士の交流を促進しており、廿日市市で暮らすファミリーからは「市のイベントや子育て支援の施設が充実していて安心」との声も上がっています。
また、廿日市市は2024年4月1日現在で待機児童ゼロを達成しており、保育園と幼稚園は公立・私立合わせて46園が立地(2021年4月現在)。場所や方針に応じた幅広い選択肢があるのも大きな魅力です。
治安の良さ
治安が良く、安心して子育てできる点も廿日市市の魅力です。
2022年時点の犯罪率は広島県内で第22位であり、広島市内や広島市に近い府中町や東広島市、主要都市である福山市や呉市などと比較して非常に低い値となっています。
廿日市市で長年暮らす住民からも「この地域で大きな事件が起きたというのは聞いたことがない」という声が上がっており、治安が安定していて住みやすい地域であることがうかがえます。
家族で楽しめる広島県廿日市市のレジャー施設・観光スポット
廿日市市には、子ども連れでも楽しめるレジャー施設や観光スポットが充実しています。
ここでは、口コミでも高い評価を獲得している代表的なスポットを4つ紹介しましょう。
宮島(厳島)
世界文化遺産に登録されている厳島神社をはじめ、海・山両方を楽しめる豊かな自然や歴史的建造物が数多く残る宮島(厳島)は、日本国内のみならず世界中から観光客が集まる人気スポットです。
もみじ饅頭の手焼き体験が子どもたちに人気のほか、バーベキュー場やキャンプ場など家族でアウトドアを楽しめる施設も充実しています。
市街地からフェリーでアクセスできる手軽さも魅力です。
宮島水族館(みやじマリン)
出典:広島公式観光ガイド Dive!Hiroshima 宮島水族館(みやじマリン)
厳島神社からほど近い場所にある宮島水族館(みやじマリン)も、家族連れに人気の観光スポットです。
スナメリやペンギンなど380種15,000点以上の海の生き物を展示していて、瀬戸内海の豊かさを身近に感じられます。
スナメリ3世の繁殖に世界で初めて成功した水族館としても知られています。
磯の生き物に直接触れる「ふれあいの磯」やペンギンと触れ合える「ふれあい広場」など、参加・体験型のイベントも充実していて、大人も子どもも楽しめます。
宮島ロープウェー
宮島の紅葉谷〜島の最高峰・弥山を結ぶ宮島ロープウェーは、途中の榧谷(かやたに)駅を境に2本の路線からなります。
小型のロープウェーを順次運行する「循環式」、大人数のロープウェー2台を交互に運行する「交走式」を連絡させるというのは、日本では珍しい方式です。
弥山の山頂からは瀬戸内海の絶景を楽しむことができ、家族でのハイキングや自然観察にもおすすめのスポットです。
もみのき森林公園
廿日市市の山中に位置する広島県もみのき森林公園は、約200ヘクタール(東京ドーム約86個分)という広大な敷地内で、さまざまなアクティビティを楽しめる自然公園です。
32ポイントある本格的なアスレチックコース、高原や森林の四季を肌で感じられるサイクリングロード、ハーネスを付けて遊ぶフォレストアドベンチャー、自然の川で水遊びができる流れの遊び場など、子どもが楽しめるアクティビティが盛りだくさん。
冬には、100mの専用ゲレンデでそりを楽しむこともできる雪遊び広場が開放され、小さな子どもにも大人気です。
広島県廿日市市における住まいの相場と不動産事情
子育て世帯から高い人気を誇る廿日市市における、賃貸物件の家賃相場や土地価格の動向を解説するとともに、市内で子育て世帯が暮らすのに適したエリアについて紹介します。
賃貸物件の家賃相場
まずは、廿日市市の賃貸物件の家賃相場を見ていきましょう。シングル向けとファミリー向けに分けて、間取り別の平均家賃をまとめたのが次の表です。
廿日市市における賃貸物件の平均家賃(2024年12月末時点)
シングル向け | |
ワンルーム(1R) | 約4〜5万円 |
1K | 約4.2〜5万円 |
1DK | 約5〜5.5万円 |
ファミリー向け | |
2DK | 約5〜6万円 |
2LDK | 約6〜7万円 |
3DK | 約5.8〜8万円 |
3LDK | 約7.5〜9.5万円 |
上記の家賃はあくまでも平均的な相場であり、物件の築年数や立地条件によって変動する点には注意が必要です。
土地価格の動向
廿日市市の2024(令和6)年の基準地価平均は、1平方メートルあたり約8万2,149円(坪単価約27万1,568円)で、前年調査に比べて約1.52%上昇しました。
廿日市市の地価が近年上昇している要因として、広島市中心部へのアクセスが良いことや自然環境が豊かなことなどから、居住地としての人気が高まっている点が挙げられます。
また、コロナ禍後の観光需要の復活によって、宮島の厳島神社周辺や宮島口エリアなどで上昇幅が大きくなっているのも特徴です。
こうした上昇傾向は今後も続くと予想されますが、経済状況や地域開発の進展によって変動する可能性があります。
なお、上記のデータは2024年時点の情報を基にしています。
最新の市場動向や詳細な情報を得るには、地元の不動産会社へ相談するか、公式統計資料を参照してください。
子育て世帯が住みやすい&人気のエリア
廿日市市内で、特に子育て世帯が住みやすいエリアは次の3ヶ所です。
エリア | 子育て世帯が住みやすい理由 |
廿日市駅周辺 | ・JR廿日市駅から広島駅まで約20分とアクセスが良く、通勤や通学に便利なエリア・大型商業施設「ゆめタウン廿日市」があり、買い物環境が充実・市役所や子育て支援センターなどの市政サービスも充実 |
宮内串戸駅周辺 | ・JRと広島電鉄を使い分けることができ、広島市中心部へのアクセスが良好・周辺にスーパーや飲食店が多く、日常生活に便利な環境・宮島へもアクセスが良く、海や山の自然を身近に感じられるエリア |
大野エリア | ・JRでの広島市内への通勤が可能で、大野ICから車での移動もしやすい・新興住宅地として開発が進んでおり、若者世代から人気があるエリア・海や山に近く、アウトドアを楽しむのに適した環境 |
広島県廿日市市の移住者向けの制度や補助金・助成金まとめ
住み良い環境を求めて廿日市市へ引っ越すにあたって、できる限り費用を抑えたい場合、行政の制度を活用するのが有効です。
廿日市市では移住者を支援する目的で、さまざまな補助金・助成金制度を設けており、これらを積極的に活用することで移住コストを節約できます。
以下では代表的な制度を紹介しますが、制度ごとの詳細や手続きについては、廿日市市の公式ウェブサイトや担当窓口で事前に確認しましょう。
空き家バンク制度
空き家バンク制度は、市を通じて市内の空き家情報を提供し、移住・定住を希望する方々に紹介するシステムです。
近年多くの自治体で導入されている制度であり、廿日市市でも提供されています。
特に、一般の不動産市場で取引されにくい中山間地域の空き家を対象としており、人口減少や少子高齢化が進む地域の活性化と定住促進を目的としています。
市内にある空き家情報を無料で登録し、ウェブサイトを通じて移住・定住希望者へ提供することで、貸し手・売り手と借り手・買い手をマッチングする仕組みです。
空き家所有者と移住希望者の間を市が仲介してくれるので、契約交渉をスムーズに進められます。
空き家バンクに登録することで、次に紹介する「空き家活用支援補助金」による補助を受けられるようになります。
空き家活用支援補助金
市内の市街化区域外にあり、空き家バンクに登録された空き家を、定住促進の目的で活用する場合に適用されるのが「空き家活動支援補助金」です。
メニューによって、空き家所有者と活用予定者が利用できます。メニューごとの対象者、補助内容は次のとおりです。
廿日市市空き家活用支援補助金の内容
メニュー | 対象者 | 補助内容 |
相続整理・表題登記費用 | 空き家所有者 | 上限10万円※補助率1/2以内 |
家財整理費用 | 空き家所有者または活用予定者 | 上限20万円※補助率1/2以内 |
改修費用 | 上限40万円※補助率1/2以内※若年または子育て世帯は+20万円 | |
DIY材料費 | 上限10万円※補助率1/2以内 |
廿日市市佐伯地域及び吉和地域定住促進補助金
廿日市市の中でも中山間地域にあたる、佐伯地域及び吉和地域を対象とした定住促進補助金制度も設けられています。
この制度の目的は、子育て世帯を中心とした両地域への定住促進と地域活性化です。
補助対象となるのは、申請者または申請者の配偶者が市外からの転入者で、両地域での定住を目的として住宅を新築・購入するケースです。
子育て世帯を中心とした支援であるため、本人か配偶者のいずれかが満50歳未満であることも要件となっています。補助の内容は次のとおりです。
佐伯地域及び吉和地域定住促進補助金の内容
メニュー | 補助額 | 佐伯地域の上限額 | 吉和地域の上限額 |
住宅の新築・新築住宅の購入 | 工事費の1/2以内 | 100万円 | 150万円 |
中古住宅の購入 | 工事費の1/2以内 | 60万円 | 90万円 |
※6歳以上18歳未満の子ども1人につき20万円、6歳未満の子ども1人につき30万円を上限に加算
移住支援金
移住直前に東京23区内もしくは東京圏(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県のうち条件不利地域の市町村を除くエリア)に居住していて、東京23区内に通勤していた方が廿日市市に移住する場合、移住支援金を受けられる可能性があります。
なお、就業に関する要件(移住支援金の対象となる求人による企業へ就職することなど)、専門人材に関する要件(新規の雇用であることなど)、テレワークに関する要件、起業に関する要件、世帯に関する要件など、細かな要件が設定されるので注意しましょう。
要件を満たしていれば、次の金額の移住支援金を受け取ることができます。
- 単身世帯:60万円
- 2人以上の世帯:100万円
- 18歳未満の子どもがいる世帯:18歳未満の子ども1人につき100万円加算
年度によって補助金の内容は変わる可能性があります。利用したい方は、自治体の窓口やHPで最新の情報をチェックしましょう。
山根木材が手掛ける廿日市市の分譲住宅
最後に、山根木材が手掛ける廿日市市の分譲住宅を紹介します。
ウッディタウン宮島口上
広島県廿日市市の住まいのことなら、山根木材ホームにご相談ください
廿日市市は、広島市中心部へのアクセスが良好でありつつ、宮島(厳島)をはじめとした豊富な自然環境にも恵まれた住みやすいエリアです。
市による子育て支援も充実しており、子育て世帯から高い人気を誇っています。
廿日市市への移住にあたって地域の求人情報を得るには、広島県が運営するマッチングサイト「ひろしまワークス」や、地域の魅力や生活情報を紹介するパンフレット「はつかいち暮らし」を活用するのも有効です。上で紹介した補助金・助成金制度も含め、さまざまなサービスを使えば、廿日市での暮らしが快適になるでしょう。
山根木材ホームでは、廿日市市や広島市周辺エリアで新築戸建てや、リフォーム・リノベーションを数多く手がけています。
100有余年もの長きにわたり、地域密着で家づくりを手がけてきた経験とノウハウで、地域の特性を踏まえた快適な住まいを提供しています。
廿日市市への移住を検討する際、住まいに関してお困りのことがあれば、ぜひ山根木材ホームまで気軽にご相談ください。
お問い合わせ・資料請求は、下記お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。